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カテゴリー「ブルベ・ロングライド」の記事

2020年12月27日 (日曜日)

【過去記録】2011 宇都宮山岳ブルベ三連戦の三日目(最終日)

BRM718宇都宮200km草津発上毛片道【山岳】[赤城はるな] 完走記

愛称:「THE LAST PASSAGE 踏猿」ブルベ

2011年7月18日 am 5:00 Start ~ pm 5:24 Finish (12 h 24 m)

距離 206km,獲得標高 4385m

Map201108

 2011年7月、前の日に(宇都宮市)福岡から壮大なロマンチック街道に設定された200kmの山岳コースを激走し、疲労感が発生する。群馬県草津町にたどり着いた連続参加者と、新たな単発参加者は、ゴールに向けて200kmの走行に乗り出すが、予想外の急勾配が続き、参加者たちはクローズ時刻に遅れそうになってしまう。(AJ 宇都宮 HP より引用)

キャッチコピー: 「脚攣る人は 筋を伸ばすのかー。」

Brm718 profile

いよいよ最終日

 起床は相も変わらず3時半。バタバタと荷物をまとめたり,ウェアを準備したりして,4時から朝飯。今日も沢山走るので,沢山食べておく。こんなときバイキングは便利だ。身体の疲労感はそれなりだ。階段の昇り降りで感じる太ももの違和感はかなりのもの。さてさて,本日は如何なるのか?今日は,200 ~ 400m くらいから 1200 ~ 1400m への大きめのヒルクライムが3本ある。正直,身体も頭も抜け殻のようなもので,今日は画像がかなり少ない。写真なぞ撮ろうという気にならなかった。

P1080235

 5時になると,車検を受けた順番に三々五々スタートして行く。

P1080234

三日間連続参加の女性ライダー2名。左のお方は,シュペールグランペールである。その淡々とした走りには完全に脱帽

草津から榛名湖へ

 5時少し過ぎにユースホステル前をスタートした。天狗山レストハウスのところから R292 に出て,渋峠と反対側に降って行く。途中で @eijitom さんと一緒になる。時速 60km ほどでガンガン降れる。先発していた女性ライダー2名に追い付く。話題の八ッ場ダム付近を通過したらしい。平地部分はまだまだ脚は廻るようだが,..。

P1080236

八ッ場ダムの辺り?地理に疎いので確信とてないが,..多分違うな。w

 長閑な早朝の田舎町を駆け抜け,やがて最初の登りの榛名山への登り口に到着。ここまでは平均 30km 以上。というか,それくらいのペースで走っていないと,結果的に PC2 の赤城山でタイムアウトになったかも知れない。登りに入って,@eijitom さんとの連結解除。後はお互いにマイペース走行。@eijitom さんの後ろ姿が次第次第に小さくなる,...(笑)。

P1080237

榛名山 12km の表示。長いなぁ,...

 勾配は 6~7% くらいかな。きつくはないが,景色が良い訳でもないし,単調でツマラナイ登りだった。そして,ひたすら長い。で,早朝だというのに,珍走団が走りまくってやがる。本当に鬱陶しい連中だ。やれやれ,...

 もう,頭の中を白くしてひたすらペダルを踏み降ろす。しかし,パフォーマンスの低下は相当なもので,7%程度の登りでも,直ぐに 25T とか,27T にチェーンが掛かってしまう。スピードは当然良くても 10km/h 程度で,多くの場合,それ以下。ピークを越えて,しばらく降ると,やがて榛名湖に到着。

P1080240

 釣り目的のキャンパーが多数。もう,釣りを始めている人達もいた。楽しそうだ(笑)。オレは今の状況を楽しんでいるのか?などと自問自答する一時。答えは,...ゴールしてから決めよう(笑)。

P1080241

榛名富士と榛名湖(am 7:29)

 なんか細い道を通って県道33に出る。そこから少し登ったように思うけど,後は降る一方。しかも,かなりのスピードで降れる道だった。PC1 の手前で展望台があったので停車してみる。

P1080242

 朝靄の中に浮かぶ山々が幻想的な雰囲気を醸し出している。快適に降って,PC1 のファミリーマート伊香保店に到着(am 8:01)。リポビタンDなどを飲んでみるが,多分効果はなし(笑)。この後もひたすら降る。結局,標高差で 1000m を降ることになる。もっとも,また登り返すんだけどね(苦笑)。

PC1 から赤城山の PC2 へ ~ もう画像なんて撮る余裕ないぜ ~

 ドンドン降って行くと,前走者が見えてきた。R353 の大正橋のところで,@mino16 さんに追い付く。マシンは,細身の(多分)クロモリにダブルレバーという渋さ。登りは @mino16 さんが一枚も二枚も速いので,ここから先は次第に離れて行くことになるけれども,..。それにしても,この辺りから赤城山の登りの県道 4 に入るまで,地味な登りが続いて,それなりに堪えた。細々した分岐が多く,コースファインディングに神経を使った区間である。「空っ風街道」とか,洒落た名前が付いているが,要するに広域農道だろ!なんて一人ゴチながらコマ図に従って淡々と距離を稼いで行く。

 やがて,県道4に入り,赤城山への本格的な登りが始まる。このコースは今度開催される赤城山のヒルクライムのコースらしく,地元や近隣の愛好者達が沢山登っていたようだ。登り終えたサイクリスト達が次々に降りてくる。何十台というロードレーサーとすれ違った。 

 で,この頃からなにか頭がボーッとして眠くなってきた。今から思えば,軽いハンガーノック症状だったように思うが。道端をザーザーと勢い良く流れる水路の水が冷たそうで,停まって,水を被りたい衝動に駆られる。「眠いなぁ,その辺で転がって少し寝て行こうかな」なんて考えながらタラタラ登っていると女性ライダーにパスされた。「頑張りましょう!」という声と共に。こちらはテンションが上がらずに,えらく頑張っているなぁなどと思っただけで,何ということもなくお見送り。やがて,K 関君にも抜かれた。必死になって登っている。なんか,みんなえらく頑張っているなぁなんて思っているところに,もう一方の女性ライダーが追い付いてきて「ガンバリマショウ。まだ間に合いますよ」と声を掛けられた。

 え?まだ間に合う?一体なんのこと?と思いつつ,目の前のコマ図に目をやると,『PC2 赤城山総合観光案内所 [07:41 ~ 11:04]』 の文字が飛び込んできた。時計に目をやると,現在 10時ちょっと過ぎ。残りの距離はまだ 10km ほどある。残り1時間弱で 10km だと!?

 勾配は 8~9% が続き,先ほどからスピードは良くて 10km/h ほど。まずい,まずすぎる,..。ここまで来てタイムアウトは洒落にならんぞ。ここでようやく事態を把握し,先行する女性ライダーを追い始めた。昨日の渋峠に続いて,今日もまたクローズタイムとの追いかけっこかよぉ~・・と頭の中ではブツブツとつぶやきながら,..。

 実は,昨日辺りから疲労で心拍が上がらなくなってきている。どんなに追い込んでも 150bpm をなかなか越えてくれない。まあ,心拍が上がらなくても走れているから良いのだろうが。今回ばかりは8%の斜面では一桁スピードでもいいとか悠長なことは言ってられない。もう,ゼーゼー言いつつ踏みまくる。心拍よ,上がれ!と念じつつ。やがて,先行していた女性ライダーをパスし,さらに前方の女性ライダーもパス。さらに先行する K 関君との差を詰めて行く。

 残り3キロほどになって少し勾配が緩くなり,ようやく時間内に PC2 に到着できる確信が持てた。結局,K 関君から少し遅れて,クローズ20分ほど前に PC2 に到着。トイレの水道で水を被り,水を飲み,ホッと一息入れた。いや~,やばかった。手持ちの補給食を食べてからスタート。ここまで来れば完走はほぼ確定(だと思う)。

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赤城山の PC2 の駐車場(am 10:40 辺り)

赤城山からの凶悪な降り,灼熱の R122を経て PC3 へ

 PC2 を出て,少し降って,再び小沼まで登る。そこから10km 以上の下りが始まる。この下りが凶悪だった。道幅が狭い,急勾配(15% くらいある箇所があったような?),対向車が頻繁に登ってくる,路面が荒れているなどなど,..。

 なにしろ,200km のブルベであっても三日目ともなると,尻もある程度痛いわ,掌も痛いわで,自転車と接触している部分は全て痛くなってきている。急勾配の九十九折りで,下ハンを持っているので,路面のちょっとした凹凸の度に掌が痛む。

 そして,道の上に落ちている物凄い数の毛虫,..。緑色の7~8cmあるでかい毛虫がやたらと落ちているのである。山形辺りではあまりお目に掛からない種類だが,なんの幼虫なのか? こんなのをタイヤで踏みつぶしたら,滑って落車するかも知れないので,踏まないように慎重に避けて走った。なので,降りなのにスピードは全く上がらない。折角の降りで時間貯金が増やせないので大分イライラした。

 ようやく降り切って,空っ風街道やら,R336,県道333 を経て R122 に出る。R122 は一昨年も走った道で,あの時も暑さに苦しめられた。日陰が全くない道であり,しかもアップダウンの連続だ。途中でコーラ休憩一回,さらに一昨年も休憩を取った湧水公園のようなところで休憩一回。水を被って一息吐く。

 草木ダムを過ぎて,30km ほどに及ぶ長かった R122 の走行にようやく別れを告げて,県道142 に入った。しばらく走ると PC3 のヤマザキショップくらさわに到着(pm 2:15)。ここで,コーラとパンとポカリスウェットを補給。少し遅れて K 関君,ふぃりっぷさん到着。入れ違いにちゃりけん氏スタート。本日はメカトラで DNS の TTM さんがスタッフ業務をされていた。

最後の粕尾峠を越えていよいよゴールへ

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粕尾峠の案内板

 いよいよ最後の登りだ。もう,大分ペースを落としても完走は大丈夫だろうと思えたので,周囲を眺めつつ完全にポタリングペースで進む。が,この峠が意外に楽で驚く。傾斜は緩く,楽に登って行ける。流石の AJ 宇都宮のスタッフもここまで来た参加者にご褒美として最後の最後に緩い峠を設定してくれたんだろうか?なんてことを思いながらのんびりと走っていると,後ろから K 関君が追い付いてきた。開口一番「登り易いっすね!」と。「まあ,宇都宮のスタッフも鬼ばかりじゃなかったということかねぇ。でも,もしかして,この峠,最後に物凄い勾配になって,滝ケ原みたいになったりしないだろうねぇ,..」なんて返事したのだった,..。#結論としては,宇都宮のスタッフは,やはり鬼だった(笑)

 そして,そんな戯言は現実になる。県道15から県道58に入った途端に始まった急勾配。Garmin の表示は 9, 10, 11% とドンドン上がる。「ったく,やっぱり,こういう落ちかよっ!」と毒突きながら 34 x 27T を踏む。ピーク手前では,11% 勾配の連打&乱れ撃ち状態。ようやくピークを越えて,ああ,終ったと思ったのだが,小さな登り返しが一ヶ所あった。古峰ヶ原高原と,ツーリングマップルには記載してあった。

 あとはひたすら降る。快適なダウンヒル。やがて,巨大な鳥居が見えてきた。古峰神社の鳥居らしい。

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古峰神社の巨大鳥居

 川を渡るときに,橋から川に飛び込んでいる少年たちを見つけて,しばらく眺めていた。水の奇麗な川で水遊びをして,河辺ではバーベキューを愉しむ人達。ああ,いいなぁ,川で泳いでビールが呑みてぇ~~と痛烈に思った。

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こんな川が身近にあるってことは素晴らしいことだと思う。地図によれば大芦川なのかな?

 さてここから日光に抜けるのに,また一つ小さな丘越えがあった。やはり,そこは宇都宮ブルベ,最後の最後まで楽しませてくれる。しばらく走っていると,昨日走った滝ケ原峠へのアプローチに出た。あとは,平地を流してゴールするだけだ。

 今日は朝飯以外では,固形物はおにぎり1個とパン1個しか口にしておらず,他は全てコーラで賄っていたせいか,ここに来て猛烈な空腹感を感じていたが,店もないところなのでどうしようかと思いつつ走行。とある分岐でふぃりっぷさんが道端に腰を下ろして補給していた。こちらもその先の自販機でコーラ休憩。最後のエネルギーを注入。

 昨年も一昨年も走った道を辿り,ようやくゴールのニューサンピア栃木に到着。いつもの「馬上過ぐ」の壁の前に自転車を置いて,ゴール受付の「金精の間」に向う。午後5時24分。これで三日連続の完走である。今年最大の目標にしてきたイベントが終った。

 部屋で他の参加者らと四方山話に花を咲かせつつ,pokky 氏を待つ。鹿島辺りで pokky 氏からもらった電話では,途中で DNF して,自走で宇都宮に戻ったとのこと。それならばと,申し訳ないことながら,森林公園からニューサンピア栃木まで車の移動をお願いした。二度も車の移動をお願いして,まったくもって申し訳ない。この埋め合わせはいつかきっと,..。<(_ _)>

 pokky 氏,@eijitom さん,HEIZOSUN,mino16 さんなどと一緒に一風呂浴びてイベント終了。

 その後,HEIZOSUN を森林公園にお送りして,そこでお別れした。帰りはもうどうにも眠くて仕方なかったので,途中で pokky 氏に運転を代わってもらった。いつも,ありがとうございます。来たときのように,日光,南会津,喜多方を通って,午前1時前に帰宅。帰宅後,軽く補給して就寝。自転車漬けの三日間が終った。ステージレースに参加したかのような充実し切った三日間だった。#翌日から3日間ほど,脚,特にふくらはぎの猛烈な「浮腫み」に悩まされた。

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噂のディスクホイールマシン。ブルベというよりも,TT マシンのような精悍さ。オーラが漂うかのようだ。

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ニューサンピア栃木にゴール,..終った

Finish

踏猿達のパートナーたち(撮影:mino16 さん)

最後に

 今回の山岳三連戦,自分がプロデュースすることを考えたら,必要な運営作業を頭の中でイメージしただけでゲンナリしてしまいます。これだけのイベントを少人数で企画,準備,運営して頂いた AJ 宇都宮のスタッフの皆さまに心より感謝いたします。大変,楽しゅうございました。そして,参加された皆さま,特に Twitter のブルベクラスタの皆さま,本当にありがとうございました。ステージレースあるいは合宿のような雰囲気の三日間でした。この三連戦の完走が今年一番の目標でした。そのために,今年は自転車に乗ってきたと言ってもいいくらいです。過酷な山岳ブルベに嵌まりそうな自分を意識してます。でも,ママチャリで参加しようとは思いませんが(笑)。(大変でしょうけど)また,来年もよろしくお願いいたします。

初日に戻る   二日目に戻る

FIN

【過去記録】2011 宇都宮山岳ブルベ三連戦の二日目

BRM717宇都宮200kmロマンチック片道【山岳】[3 to 1] 完走記

愛称:「踏猿 LIMIT OF POWER」ブルベ

2011年7月17日 am 5:00 Start ~ pm 6:06 Finish (13 h 6 m)

距離 203km,獲得標高 5310m

Map201107

金精峠を突破、そして渋峠!ランドヌールたちが初めて感じる限界と極限
 塩原山岳をクリアした連続参加者は、宇都宮・森林公園で新たな参加者たちとスタートラインについていたが、スタート後30kmから平均勾配11%の滝ヶ原峠の洗礼を受ける。ここで疲労をため込めば金精峠での大失速は免れないが、その先には、国道の最標高地点である渋峠が待ち受けていた。(AJ宇都宮 HP より引用)


キャッチコピー: 「脚が攣り 進めない。」

※ ブルベのタイトルにある [3 to 1] は,国道第3位の標高の金精峠から,国道第1位の標高の渋峠を目指すことの意味らしい。ちなみに,第2位は麦草峠。

Brm717 profile

二日目の朝

 起床は3時半。睡眠時間は4時間ほど。正直眠い。脚にはそれなりのダメージ。今日のコースのプロフィールマップを観て,今日の天気予報などを聞いて,完走できるものかどうか少々不安になる。それにしても,群馬県の沼田辺りは34℃くらいまで上がるとか,..。

 昨夜買っておいた朝飯をモソモソと食らう。5時スタート予定なので,時間的な余裕はほとんどなし。なんだかんだとバタバタと準備して,4時半頃には森林公園着。参加者の多くは,昨夜は森林公園に車を停めてあったので,ろまんちっく村からスタートして,鶴カントリーの激坂を朝から自走。でも,その方がアップになってよかったかも知れないなぁ。

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 今日と明日参戦のへばなさん登場。今回はシングルギヤのママチャリはやめて6段変速のマウンテンバイク(?)だとか。今日から参加の方々は,6時スタートなのかな?我々の方は,ブリーフィングは昨夜,既に受けているので,ブルベカードに必要事項を記入したら,車検を受けて,5時になったらスタート。少しスタートでもたつき,5分ほど遅れてスタート。

古賀志林道を越えて,県道70へ

 古賀志林道を登り始めると,前方から pokky 氏が戻ってきた。「どうしたの?」と訊ねると,忘れ物をしたとのこと。後で訊けば,宿に忘れ物をしたので,6時スタートに切り替えてもらったとか。

 今日はスタートから完全に一人旅。が,しかし,この方が今日のコースの場合には好都合だ。下手に誰かと走ろうものなら,ペースを乱してロクなことにならない。なるべく,脚を温存しつつ,タイムアウトにならないだろうと思われるペースを心掛ける。

 古賀志林道にはジャパンカップの痕跡である路面への応援メッセージ多数。しかし,この勾配をあの猛烈なスピードで駆け上がるプロの連中って,..。そんなことを考えながらピーク到着。

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 林道を下って,県道70に出る。ここから先の金精峠までは既に3回目だ。ここからは,滝ケ原峠,いろは坂,金精峠までの登りと基本的に 60km 以上登り基調の道が続く。そして,次の滝ケ原峠の勾配を考えると少々憂鬱になる。じっくりと己の身体の内なる声に耳を傾けつつ,ペースを作る。が,それほど調子は悪くないようだ。ダラダラ登りの区間は結構踏んで行ける。

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 何が撮りたかったのか,今となっては全くわからない画像である(苦笑)。多分,天気がいいぜ~~とか,今日も独りぼっちのサイクリングだぜ~~とか,これからいよいよ滝ケ原だぜ~~~とか,そんなしょうもない気持ちだったに違いなかろうが,..。

いよいよ滝ケ原峠へ

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 気持ちのいい山道を走って行けば,いよいよ始まる滝ケ原峠の核心部分。平均勾配11%が2キロほど続く凶悪区間。あとのことを考えて,この区間だけは速度は無視。垂直方向速度はかろうじて 10m/min くらいを維持(する気持ち)。見栄も外聞もなく,ギヤは 34x27T をチョイス。速度は最大勾配箇所(18% ほど?)では,5km/h まで落込む。しかし,ガンバラナ~~イ! そんなこんなで,極力,省エネモードで走ったせいか,これまで3回のうちで一番楽に登れたかも。峠間近ではかなりゼーゼーしていたのだが,それでも,脚へのダメージは最小限で抑えることが出来た。時間がもったいないので直ぐに降り始める。どうせ,峠からは何も見えないし。

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滝ケ原峠を少し下ったところのビューポイントにて(am 6:52)

 ちょっと降ったところにある絶景ポイントには二人の先行者がいた。一応,方角も何もわからずに写真を撮って直ぐにスタート。何という山なのか?女峰山とか帝釈山とか 2000m オーバーの山が地図に乗っていたけど,その方向なのかな?

 ここの降りは,ところどころに砂の浮いている箇所があるし,急勾配だし,道は狭いし,距離も短いので,時間貯金稼ぎにはほとんど役に立たない。

 清滝の辺りで前方に @eijitom さんを発見。同じようなペースで走り続ける女性参加者も自販機で補給中だった。R120 に入って,次のいろは坂へ。

いろは坂から中禅寺湖へ

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登り口の橋の上から右手方向を望む(am 7:22)

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 四十八回のターン(そんなにあったかなぁ?)を,いろは四十八文字になぞらえて名付けられたという「いろは坂」。勾配は 4~5% くらいだろう。10km/h 前後で淡々と登っていると,後ろから「お疲れさま」の声と共にパスされた。yama さんだった。都合が悪く参加できなかったので,今日はいろは坂で山岳ブルベの応援とか。ありがとうございます。

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途中,黒髪平で一休みというか,写真撮影

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ここは標高 1173m

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 明智平に yama さんがいた。応援ありがとうございました。中禅寺湖に到着。それにしても,いい天気だ。ここで標高 1200m オーバーなので,比較的涼しい。まだ,朝早い時間なので観光客もまばら。

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中禅寺湖(am 8:09)

 (自転車で)3回訪れたうちで,今回が一番天気がいい。しばらく進むと,食事処の脇に見覚えのある自転車が立て掛けてあった。HEIZOSUN が補給中らしい。昨夜折角買った朝飯を宿に忘れてきたとかで,オレの補給食のカレーパンを提供したんだが,カレーパン1つでは持つ訳もなく,..(苦笑)。

 高原の爽やかな空気を愉しみながら走っていると,ディスクホイールを付けた方に,エライ勢いで抜かれた。1時間後に出たらしいが,もう,この時点で追い抜かれるってのは,オレが遅いというよりも向こうが速過ぎると言った方がいいよな(驚)。後で聞けば,昨年,神奈川の自宅から北海道まで自走して,北海道 1200km のコースを完走して,また神奈川の自宅まで自走で戻ったという「伝説」の方だったらしい。今日のコースは平坦基調だと聞いたので,ディスク履いてきたって,.。orz 脚が長く,膝も高い,奇麗なフォームは見ていて羨ましい限り。#後でズッチャさんだと知った。

戦場ケ原から金精峠へ

 戦場ケ原の最初の土産物屋(茶店?)の自販機のところに @eijitom さんがいたので,コーラでも飲もうかと釣られ停車。店の中を覗くと,なにやら食事できそうだった。朝飯の量が少なかったので,もう既に腹が減ってきている。この時点で,一昨年よりも時間的に早かったので,えらく余裕があるように錯覚し,ここで店に入り込み,椅子に座って,のんびりとカレーなどを食す。こういうことはあまりしたことがなかったのだが,なぜかこのときは,今日も(多分,きっと)楽勝だぜ!みたいな気分になっていた。後で,この休憩をえらく後悔することになるとは,このときは少しも思わなかった。

 食事しながら,外を眺めていると,あら,K関君が,..あ,あの女性ライダーが,..という具合に,皆さん先を急ぐ。食い終えて,水を貰って,店のオネイサンとちょいと世間話をしてからスタート。休憩時間は 20分くらいかな?もう少し短いかも。

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戦場ケ原では,歩道を歩くかなりの数のハイカーらしき人達

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 湖の中に立ち込んで,フライフィッシングをしていたので,ちょっとの間眺める。ゲームはヒメマスか?また,ロスタイムだ(笑)。

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 ようやく,K 関君に追いつく。後ろからしばらく眺めていたのだが,よくこんなに長時間ダンシングが続くなと思うほどに,ダンシングで登り続ける。平ペダルなので,恐らくは,体重だけで踏み降ろしているために持続するのだろうと思うのだが。言い換えれば,補助運動器具のステッパーのようなものを延々と続けているということになるのかな?

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 この辺りで,エネルギー補給の済んだ HEIZOSUN にパスされる。今日は,HEIZOSUN を始め,数人がキャメルバックを背負い,その中に氷を詰めて,ラジエーター代わりに使っているらしい。なるほど,いろいろと真夏に走る工夫があるものだ。次回の参考にさせて頂こう。

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 金精峠へのルート恒例の,登ってきた道を振り返るの図。思えば,高所に来たもんだぁ~~・・。右手のは中禅寺湖かな?

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 そんなことをしていると,ママチャリダンシングマスターに追い付かれる。それにしてもタフだ。

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金精峠のシークレット PC(am 9:36)

 金精トンネルに着いてみれば,そこはシークレット PC だった。AJ 宇都宮の Su藤さんが担当。標高表示のところは車が並んでいて,撮影は諦める。スタッフの方から,コーラを2杯ご馳走になる。ご馳走さまでした。お疲れさまです。

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トンネルが出来る前の旧道とかって有るんだろうか?

金精峠から PC1 へ

 ここからはひたすら降る。ここの荒れた路面の降りで,コマ図台のボルトが緩んで,次第に回転し出した。途中でストップして携帯工具で直そうとしたのだが,なぜか携帯工具の 4mm のアーレンがボルトの六角形の穴に入らない。5mm や 6mm のアーレンは,それ用のボルトの穴にきちんと掛ってくれるのに,4mm だけが僅かに太いらしく,4mm のボルトの穴に入ってくれない。仕方がないので,ハンドタイトで出来るだけ捩じ込んで,あとは PC1 で誰かに工具を借りて直すことにする。

 降るに従って,気温が上がってくるのがわかる。日本ロマンチック街道である。道端では,焼きトウモロコシや焼いたイワナとかヤマメなどを売っており,何もないツーリングなら,当然ストップ&休憩するところではあるが,今日は最後に大物が残っているので,時間のロスは出来るだけ避けたい。#と言いつつ,それなりにロスを積み上げてはいるのだが。

 PC1 のセブンイレブン片品須賀川店に着いた頃(am 10:35)には,灼熱の太陽が頭上から容赦なく照り付けていた。ちょっとゲンナリするほど暑い。そして,ここから先の画像が極端に少なくなる。あまり意識してはいなかったが,暑さでかなり参っていたようだ。PC1 で補給すると共に,HEIZOSUN にアーレンキーを借りて,ボルトの増し締めをする。この後,何度も同じことを繰り返すことになる。こういうのは,長い距離の場合,それなりにストレスになる。

灼熱地獄の沼田付近と権現峠

 PC1 を出てからは,強烈な日差しと30℃を超える気温と,繰り返されるアップダウンによって,次第に体力が削られていく。そのうち思考力すら怪しくなってくる。コマ図を眺めながら走っていて,見ているコマ図は直進指示なのに,その前のコマ図の右折矢印を重ねてしまって,右に曲がってしまったりした。暑さで頭が少々ボーッとしている。どこかで水でも被って冷却したいが,そんな場所もない。とにかく,沼田の辺りが地獄のような暑さ。ここらで TTM さんにパスされた。その猛烈なスピードにちょいとだけ付いたものの,自殺行為は止めておこうと早々とお見送り。

 この辺りで,ちゃりけん氏,K関君などと集団になって,権現権平峠にかかる(ずっと,ゴンベイだとばかり,..w)。標高 300m ほどの一番低いところから標高 700m 弱まで登る峠。脚が残っているときなら,そしてもう少し気温が低いときなら,何ということもない峠だろうが,暑さと疲労が,この峠を超級の難所に変えた。

 とにかく暑い。ボトルの水を首筋に掛けようにも,生暖かい「ぬるま湯」しか出て来ない。勾配は最大でも7~8%ほどだろうか。多くは5%くらい?決して急坂という訳ではないが,一緒に登っている人達も次第に無口になってくる。聞えるのは,深い溜息と,荒い息遣い,そして「暑い・・」というつぶやき。そして,何気に長い,..。プロフィールマップを眺めながら,あと1キロくらいかなと思った辺りだったか,..。

 道端の日陰になにやら妙に元気のいいサイクリストがいた。「塩キャラメル如何ですか?ジュース要りませんか?頑張って下さい!!」と,我々の少し前を走る参加者に盛んに声を掛けている。なんか聞き覚えのある声だなぁと思いながら登っていった。そして,「塩キャラメル要りませんか?ネクター飲みませんか?」とでかい声を上げて近づいてきたのは,...「昔の人Oさん」だった。別に伏せ字にする必要もなかろう。いわきで被災して,現在群馬に避難しているとかいう噂のオカザキ氏だった。思わず,「イラねぇ~よ,ここで何してるんだよ?」とでかい声で応えてしまった(笑)。「え?ナデラさん?ちゃりけんさん?なんで,ここにいるの?」,...。なんか,疲れがいくぶん増したような感じだった(苦笑)。

 なんでも,ロックハート城になにかの用事だかで来たとか。一緒に走り出して,あれは要らないか,これはどうかと勧められるが,暑いわ,バテバテだわで,次第に返事をするのも億劫になる(ゴメンね)。こちらはとにかく登り切って,この灼熱地獄を抜け出したい一心だった。懐かしかった出会いは,ピークでお別れ。また,どこかで会おう!

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権現峠のピークにて(矢印がオカザキ氏,走っているのは女性の方,電光掲示板は 31℃)pm 0:39

権現峠から PC2 へ,そして暮坂峠へ

 降り始めたが,熱風の中を走っているようで,涼しさは今一つ。ジャージのファスナーはほぼ全開。降り切った辺りの電光掲示板の表示は35℃だったらしい。ようやく,PC2 のセーブオン中之条平店に着いた頃(pm 1:06)には,暑さでかなりへばっていた。ここで,HEIZOSUN とか TTM さんとか,eijitom さんと合流。それと女性の方もいた。

 買い物カゴを持って店内を歩くのだが,何をしていいのかわからず,商品棚の前でボーッとする始末。eijitom さんと,「このペースだとゴールでタイムアウトの可能性もありますね。かなりやばいです」と情けない会話。固形物を摂りたくなかったが,なんとかおにぎり一個を水で流し込む。他にはゼリーのようなものしか受け付けない。2リットルの水をガボガボ飲んで,ボトルに詰めて,残りを頭に掛けてスタート。スタートする辺りで,ふぃりっぷさんが PC2 に入ってきた。1時間遅く6時にスタートしたはず。速い。

 5時スタートだから,渋峠ホテルでのゴールリミットは午後6時半。残り時間は5時間弱。PC2 が 140km 過ぎの辺りで,残り60kmほどある。この先には,標高 1000m オーバーの暮坂峠,標高2100mオーバーの渋峠が待ちかまえる。単純に標高差が 1800m で距離は 60km だから,平均勾配は3%ではあるのだが,降った後の登り返しもあるので,もう少し急になるだろう。全てひっくるめて,今の脚で平均時速12kmで行けるのか?

 それにしても,群馬は体育会系珍走団が多い。峠という峠には必ずいて,喧しい排気音を上げて走り回る。あまりの喧しさに,「○ねばいいのに!」と呪詛の言葉をつぶやきつつ登る。水が心細くなってきたし,補給食の手持ちもないなぁと思いつつ,灼熱の峠の登りに掛かった辺りだったかなぁ,..。なんか,位置関係が今一つ判然としないけど,道端にパイプからこんこんと湧き出している水を発見。嬉しさの余り,当然,ストップ。水を被る,顔やら腕を洗う,脚に掛ける,飲む,..と散々水遊びをしてリフレッシュ!

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暮坂峠の登り口にあった「命の水」。多くの参加者にとって,まさにオアシスだったはず(pm 2:32)

 残り4時間弱しかない。急がないといけない。スタートするときに,ふぃりっぷさんが登ってきた。「冷たい?」と聞くので,「結構冷たいですよ」。

 それからも暮坂峠をセッセと登る。結構長い。暑い。珍走団が喧しい。「クソッタレが!喧しい奴らだ!!消えてしまえ!!」とつぶやくと,いきなり,「あれの,何が面白いんですかね?」と後方から聞えて面食らう。ふぃりっぷさんだった。忍者の如く,直ぐ後ろにいた(笑)。羨ましいスタミナだな。

 ふぃりっぷさんにパスされた後,どうにも我慢できずに道端にへたり込んだ。少々,クラクラする。数分間,日陰で水など飲みつつ,息を整える。「暮坂峠かぁ,まったく,越える前に暮れちまうぜ!」とかブツブツ言いながら。決して急勾配という訳ではないんだが,.。この辺りが,DNF の魔物に最接近されたときだったかも知れない。

 「人間辛抱だ!」と,なんとかかんとか暮坂峠のピークに到着。標高 800m を越えた辺りから少し涼しくなり,楽になった。峠の茶屋のようなところでは,ふぃりっぷさんがソフトクリームを食っていた(と思う)。余裕だ。向こうは1時間遅れでスタートしているので,完走は余裕だが,こちらに時間的な余裕はまったくない。軽く挨拶して,そのまま六合までの降りに入る。この下りが無駄だよなぁ(苦笑)。300m ほども降るんだよ。

草津から最後の渋峠へ

 草津への登りに入る辺りでまたふぃりっぷさんに追い付かれる。ここから先は,完走のために,緩斜面では出来るだけスピード上げて,平均スピードを上げるような走り方を心掛ける。目標として,前を行くふぃりっぷさんに必死について行く(といっても,結構距離を空けてだけど)。少々オーバースピード気味かとも思われたが,走ってみるとなんとかギリギリで付いて行けるペース。スピードは 15km/h 前後。ここで,ペースを作れて,そのペースを維持したまま渋峠への登りに入れたのが,完走の一番の要因だったと,走り終えてから思った次第。ブルベでは,常に一人でマイペースで走っていて,こういう走り方(前走者に付いて行く)はほとんどしないが,今回ばかりは精神的に牽いてもらってお世話になった。ふぃりっぷさんに感謝します。

 途中,道端に,HEIZOSUN と TTM さんが,..。なにやら,チェーンカッターでチェーンを繋いでいる。落車トラブルとか。先を急ぐので,そのまま失礼した。

 草津の温泉街を過ぎて,いよいよ渋峠への登りに掛かる。が,軽い空腹感があって(あるいは,エネルギーのスカスカ感とでも言おうか),このままでは残り 20km ほどを走れるのかどうか少々怪しい。経験上,こういう場合はガクッと急激に来ることがある。そこで,時間もないのだが,R292 に出る天狗山レストハウス(ツール・ド・草津のスタート地点らしい)の自販機でコーラを一本だけ補給。同じ場所でふぃりっぷさんもコーラ補給。この時点で,残り距離は 20km ほどで,残り時間は2時間弱。10% 勾配が頻繁に出てくるようならかなりヤバイ状況だが,幸い 5% ほどの登りが多いようなので,多分大丈夫だろうと少しだけ楽観。もっとも,何が起こるのかわからないでの,緩斜面では出来るだけスピードを上げて走ることにする。

 メーター読みで,10~14km/h ほどの数値が出ている時間を出来るだけ多くする作戦。で,時折現れる8%くらいの勾配では,一桁に落ちても気にしない。むしろ,一桁に落として走る。そしてセーブしたエネルギーを緩斜面で吐き出すということを繰り返す。こうして走り続けて,登坂開始後1時間くらいで残りの距離とペースで判断してクローズ30分前くらいにはゴールできそうに思えたのでホッとする。

 上からは次々とサイクリストが降りてくる。反射材を身に付けていないので,ブルベの参加者ではなくて,一般サイクリストのようだ。皆,国道最高標高に登った人達だ。きっと彼らも「踏猿」の仲間だろう(笑)。

 午後5時頃には,空が曇って,時折雷鳴が轟いた。標高 2000m 近くで雷雨ってのは洒落にならんなぁ,頼むからこっちには来るなよと祈りつつ走行。幸い,群馬側に暗雲が掛ることはなく,雷鳴は長野側だったのか?

 森林限界を超えると景色が変わる。硫化水素の吹き出す「殺生河原」脇を通る。道の脇には「立ち止まるな」の看板。磐梯吾妻スカイラインで慣れているので,どうということもない。たしかに,そこそこ臭うけどね。

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硫黄が岩肌に付いて,所々黄色になっている

 やがて,ピークを越えて一旦降って,県道466との分岐を通過。志賀高原に向って登る。この道が国道の最高標高と渋峠ホテル前を通るらしい。この分岐から先がハンガーノック気味でかなり辛かった。やはり,小さなコーラ一本では全然足りなかった。途中,2回ほど脱力感で足を着いたが,膝がガクガクして全身に力が入らない。ジャージのポケットには塩飴しか入っておらず,仕方ないので2つほど口に放り込み,一気に噛み砕いてみたが,状況はすぐには変わらず。こんなときコーラがあれば15分もあれば状況が改善するんだが,.。ヤケクソ気味に,「誰か,コーラをくれ!」と,標高2000m オーバーの道端で叫んでみたりした(笑)。この区間で大分失速。

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しばらく登って,県道466との分岐を望む。ここでは脚がガクガク状態

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とうとう辿り着いた,日本国道最高地点 標高2172m(pm 6:02)

 ようやく辿り着いた日本国道最高地点。標高は 2172m なり。妙な達成感を感じた一時。そして,道標の前で記念撮影。どうせ降るときにも,ここを通るんだから,撮影はそのときでもいいようなものだが,時間も少々余っていたので,最初の訪問記念ということで,いそいそと撮影。今更,数分早くゴールしても仕方あるまい。

 ここから少し降って,ちょっとだけ登ったところにゴール地点の渋峠ホテルはあった(と思う。記憶があやふや)。

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なるほど珍百景,半分が群馬で,半分が長野の渋峠ホテル(pm 6:11)

 そして,嬉しいゴール。所要時間 13時間6分。残り24分だった。この時ばかりは,「よく頑張った,オレ!!」と自分を褒めたい気分だった(笑)。やっぱり,時間内にゴールできたポイントは,ふぃりっぷさんに牽かれるようにして,身体に擦り込んだ登りのペースだったように思う。

 ゴールして,最初に口にした言葉は「すいません。どなたか,食べ物恵んで下さい!」だった。なんとも,情けない。ハンガーノックでちょいと正常から逸脱した状態。S木さんがゴールタイムのチェックをしてくれている間に,渋峠ホテルのカウンターで最高地点到達証明を買おうと思っていたのに,なぜか,ゴールしたときには,「ああ,もう,ホテルの営業も終了したのか。もう,午後6時過ぎだもんな,..」(意味不明,完全に狂っておる)なんて考えてホテルの中に入ることもしなかった。しかも,スタッフの方から頂いたお菓子をむさぼり食って「うめぇ~・・・」とつぶやいたきり,ちゃんとしたお礼も言ってない。まさに,幼児のような有り様。さらにさらに,先にゴールしていた K 関君から,「コーラ,余ってない?」と一本せしめて,一気飲みまでする始末。まさに,餓鬼である(苦笑)。あの場にいらっしゃった皆さまに,浅ましい姿をお見せしたこと,深く反省し,お詫び申し上げます。<(_ _)>

 しばらくしたら,血糖値が上がってきたのか,少し落ち着いてきた。落ち着いたら寒くなってきた。さて,ガスも出てきたことだし,余り遅くならないうちにとっとと降ることにしよう。簡易雨具を羽織って,草津の宿まで下山開始。

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生きながらにして伝説となった「K関氏@ママチャリダンシングマスター」(pm 6:23)

 ちゃりけん氏と一緒に下る。流石に寒い。気温は 17℃ほど。途中,まだまだ登坂を続ける参加者とすれ違う。午前6時スタートの参加者のゴールリミットは午後7時半。もう,残り1時間もない。大分降った辺りで擦れ違った参加者。ゴールまでの距離と残り時間を考えると,とても完走できそうもない。悔しいだろうなぁなどとぼんやりと思う。が,その悔しさもまた,山岳ブルベの醍醐味なり。その悔しさを払拭するために,来年も春先からセッセと登坂をくり返し,真夏の「踏猿達の祭り」にエントリーするのだ。大いなるリベンジを期する踏猿達に幸あれ!!

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今夜の寝床の草津高原ユースホステルに到着(pm 7:06)

 今夜の宿舎である草津高原ユースホステルに到着。ところで,降ってくる途中で pokky 氏を見掛けなかった。どうしたんだろう?まさか DNF?彼に限って,そりゃないだろう,何かのメカトラブルかな?などと考えつつ宿舎に着いてみると,入り口に彼のバイクが,..。中で本人に話を聞いてみると,渋峠の登坂途中でタイムオーバーになると考えて DNF したとのこと。金精峠から沼田の辺りに時間が掛かり過ぎた(掛け過ぎた?)らしい。暑さもあって,意図的にかなりペースを落としたとか。それでも,どうせ間に合うだろうと思っていたとのこと。コース状況,暑さなどの要因で,想定外の状況に陥る可能性もある真夏の山岳ブルベ。やはり,稼げるときには時間貯金を稼いでおくべきとの思いを強くした。

 AJ 宇都宮のスタッフの方に運んで頂いた荷物を受け取り,宿の決めごとを説明してもらって,シーツやら枕カバーを受け取り,さらに部屋割りなどを聞いて,割り振られた部屋に入る。まずは,風呂で汗を流そう。ざっと汗を流して,水のシャワーで脚を冷やす。湯船には浸からなかった。身体全体を温めてしまうと,血流が良くなって,その後ひどい疲労感やら脱力感を感じるからだ。とにかく,脚は徹底的に冷やしておいた。

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 汗にまみれたジャージを洗濯する間に,同室の方々とビール片手に歓談。こういう一時はなかなか楽しい。全員の到着の後に9時から夕食。バイキング形式の食い放題で踏猿たちのブルベ腹は充分に満たされた。

 夕食後,今夜も10時から明日のブリーフィング。ブリーフィング後,11時頃には就寝。いよいよ,明日は三連戦最終日。明日もがんばるぞ。

 そういや,宿に着いてから,尿意を覚えてトイレに行ったんだが,あの尿の色は,黄色というよりも赤色に近かったような,..(苦笑)。二回目は普通の色に戻ったけど。腎臓とかにかなりの負担掛けているのかも知れんな。
最後に

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新旧ママチャリマスターが並んでブルベカード記入の図。左がへばなさん,右は K 関くん(レア物画像なり)

初日に戻る      三日目に続く

【過去記録】2011 宇都宮山岳ブルベ三連戦の初日

BRM716宇都宮200km塩原【山岳】 完走記

愛称:「踏猿 フミザル」ブルベ

2011年7月16日 am 6:55 Start ~ pm 6:01 Finish (11 h 6 m)

 世の自転車好きの中には,好んで山に登る,いわゆる「坂バカ」と呼ばれる人たちがいる。とにかく,登りが好きで,自転車に跨がれば,山にばかり向って行く。そうした,「坂バカ」と呼ばれる人たちの中でも,とりわけ朝から晩まで飽くことなく登坂を繰り返す人達を,宇都宮の人々は,タマネギの皮を剥き続ける猿になぞらえて,畏敬の念を込めて「踏猿(フミザル)」と呼んだ,....のか?

夏の風物詩:AJ 宇都宮の山岳ブルベ ~踏猿達の祭典~

 初っぱなから狂った,今年のブルベスケジュールだが,日程を調整してどうしても出たいものがあった。それは,一昨年から始まった AJ 宇都宮の夏の名物ともなりつつある山岳ブルベ。一昨年は,ハードな1day の 200km ブルベ(前日の 300km との連続開催)。昨年は,二日連続での 200km の山岳ブルベ。そして,今年はさらにエスカレートした,三日連続の 200km 山岳ブルベである。公表されたルートラボのコースをみれば,これでもかと繰り返される標高 1000m オーバーへの登坂。三日間の累積獲得標高は 13,000m を超えている。「こんなルートは馬鹿げている」という感想は不思議と抱かなかったし,完走できないかも,..とも思わなかった。ただ,単純に「この三日間を走り切るんだ!!」とだけ思った。

 ブルベの開催週になると,何をやっていても週末のブルベのことが頭のどこかを占めているような状態になった。帰宅後は自転車を整備し,いろいろな状況を想定して細々した装備やら,走行後に摂取するサプリメントなどを準備。いよいよ,当日を迎えた。

 起床は0時過ぎ。少し寝足りないが,まあ,いつもの深夜発のブルベに比べたらまだマシだ。さて,いざ,修業の旅路に!(笑)いつものように,pokky 氏と一緒に午前1時半頃に宇都宮に向って出発。今回も会津から日光経由。5時半頃にスタート地点の宇都宮市森林公園に到着。既に,多くの「踏猿」達が集まってきていた。

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踏猿達の祭りの始まりだ!!

 数あるブルベの中で、わずか70%のみが完走できる<山岳ブルベ>。100名の熱き<ランドヌール>たちが、今 山岳ルートに挑む!参加者は200kmに及ぶブルベの走行で、八方平ともみじラインを走らされる。土平よりも先に進めない塩那も登らされる参加者。しかし、一部の会員はAJ宇都宮の企画に理解を示さず、辛口のコメントを寄せる。(AJ 宇都宮 HP より引用)

キャッチコピー:  「八方越えなきゃ 塩那へ進めない。」

距離 206km,獲得標高 3659m

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ポストへばな氏(ニューママチャリマスター)現る!

 受付をして,ブラブラしていると,おお,これか!?というものを発見。山形の K関さんの「ママチャリ(内装三段)」である。でも,よく観れば,どうもどこかに正面からぶつかったらしく,フロントフォークがフレーム側(ダウンチューブ側)に曲がっていて,オフセットが小さくなっているようだ。これで下りとか大丈夫なのか?と要らん心配までしたくなるほどの,年季の入ったママチャリだった。約 18kg とのこと。かなり重いが,でも,ライダーの体重と合わせた重量が,ナデラ男の体重と同じって,..(苦笑。

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予備チューブの取り付け方がマニアック

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フロントホイールは,デュラエースの36穴のハブを使ってラジアル組してある。これで以前よりも少し軽量化したとのこと。

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ブリーフィング

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@gak_t12さん(奥のでかい人)ともお会いできた

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 今回は宿に着いて,少しでもゆっくりできるようにと,3日間共に早いスタート時間をチョイス。初日は 7:00 スタートの組の第2ウェーブ(6:55スタート)。

いよいよスタート,まずは平坦基調で PC1 へ

 そんな積りは全くなかったのだが,R293 に入って,集団の先頭になってしまった。後ろを見ると,結構な人数が繋がっている。車の追い越しの邪魔になることもあって,気の短い運転手は無理に追い越したりするので,事故回避と言った安全面からも少人数に分断したい。なので,スピードを上げて分断しようとしても,さすがに好き好んでこの山岳ブルベにエントリーしてくる方々だけあって,ちょっとやそっとでは切れそうもない。結局,それなりのスピードを維持したまま PC1 のセブンイレブン南那須大金店に集団で到着(am 8:17)。が,結果的に,ここまでの平地区間でそこそこの時間貯金が稼げることになった訳だが。

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PC1 セブンイレブン南那須大金店に到着(am 8:17)

八方ヶ原から伝説の塩那道路へ

 補給食を購入して,急いで口に放り込み,残りはポケットに詰めて,さっさとスタート。PC1 を出てからは,出来るだけ一人旅に。PC1 を出て,しばらくすると次第に気温が上がって暑くなってきた。スタート時点で,2本のボトルの一方に CCD を,一方に BCAA&クエン酸を入れていたのだが,一本は真水にすべきだった。交互に飲んでいると,次第に口の中がベタベタして,気持ちが悪くなってくる。

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 一本のボトルが空になったので,八方ヶ原の登りに掛かる前に自販機から水を一本追加しておく(全然足らなかったんだけど)。前方に見えるお二方は女性二人組。自販機ストップで少しだけ言葉を交わしたが,三日間連続参加とか。お一方(右の方)は,結局三日間とも完走され,見事にシュペールグランペールを獲得されていた。淡々と走る姿に一種の迫力を感じる。

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 八方ヶ原の登りは,8~9% くらいが続く。プロフィールマップと走行距離を眺めて,ピークまでのペースを作る。垂直方向速度 10m/min を下回らないことを心掛ける。それなりに辛いんだけど。なにしろ,今日も先は長いし,さらに明日も明後日もある。今日くらいは走り終えて(比較的)楽だったと感じるくらいでないと,先が思いやられる。

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八方ヶ原の第1ピーク(am 10:54)#汗でレンズが濡れてボケボケである

 ピーク手前で,先行していたちゃりけん氏に追いつき,二人で最初のピークに到着。少しして,masa さんも到着。今日はアウター縛りではなくて,インナーでくるくる廻して登ってきたとか。いくらインナー使っても,ナデラ男のクランクはクルクルとは廻らんのだけど,..。

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第1ピーク(この後登り返しがある)にて(撮影:masa さん)

 何人かは降り始めて直ぐの右手にあった,レストハウスだか,道の駅だかに入っていったようだ。しばらく降って行くと,..

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 水場があった。地元のオジサンが水汲みをしていた。ボトル2本はほとんど空だったので,たっぷり飲んで,たっぷり詰めた。顔やら腕やら首筋やらに水を掛けて一息付いた。ジリジリと暑くなってきており,これから先が思いやられる。

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 ガボガボと水を飲んで,ザバザバ被っていたら,ちゃりけん氏も停車して補給。水汲みのオジサンに,どっからどこまで?と訊ねられたが,答えるのが難しかった(笑)。この後で,1キロちょっとくらいの登り返しがあって,ようやく本格的な下りが始まるものの,道は狭いし,路面は結構荒れているし,意外と対向車なども多く,あまり下りでの時間稼ぎにはならなかった。降りて来たところで,コマ図にはない分岐に出て,ちょいとオロオロする。後ろから来た人も,あれ,こっちでいいんだよね?という感じ。川を渡って塩原病院を見て正規ルートだと確認できた。

 ここの道は昨年も走ったところ。真っすぐに進めば日塩もみじラインに入る。今回は,伝説の塩那道路の,触りの部分がコースに組み込まれている。この伝説の道路,ちょいと興味があるが,完全なバリケードを突破して突入するほどではない(笑)。橋を渡ると登りが始まる。いよいよだ。暑さはかなりのもので,多分気温は 30℃に近いんじゃないのかな?

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 これが第1ゲートの看板。なんでも,夜(午後6時から翌朝の8時まで)になると閉鎖されるらしい。

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それにしても,これだけきちんとした舗装路が造りっ放しで利用されていないのは残念だ。総距離は 50km 以上あって,最高標高は 1700m を超える道路なんて,考えただけでワクワクする。

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 次第に高度を上げて行く。ここでも, 垂直方向速度 10m/minは維持。

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7~9%,所々(主に九十九折りのコーナー部分)10% オーバーの九十九折りが延々と続く。そして,恐らくは自転車が走行することなど端から想定外だとでも言わんばかりに,コーナーで急激に勾配が上がって,標高を上げて行く造りだ。

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 日陰が全くなく,直射日光は容赦なく照りつける。Garmin の高度計とプロフィールマップを頼りに「忍」の一字なり。ここは PC2 のある第2ゲート手前の土平で折り返しのピストンコースなので,PC2 に近づくに連れて,一人また一人とブルベ人が降ってくる。それにしても,先行している pokky 氏と出会わない。まさか,登りに掛かる以前にもみじラインに向ってしまっているのか?

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PC2 土平,塩那道路第2ゲート前(pm 0:38)

 PC2 の土平に到着。AJ 宇都宮のS藤さんがおられた。で,pokky 氏もいた。どうしたのかと訊けば,脚が攣ってダメだとか。ここで,masa さん,ちゃりけん氏と一緒になる。

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撮影:masa さん

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 水を貰い,一息付く。女性の参加者が登ってきた。それにしても,強い。決して速いようには見えないのだが,ペースが変わらない様子。

塩那道路を降り日塩もみじラインを経て,PC3 大笹牧場へ

 降り始めると,多くの参加者とすれ違う。1時間後にスタートしたグループの速い方々も登ってきている。@HEIZOSUN とも擦れ違った。K関くんとも擦れ違った。それにしても,ママチャリで,ここを登ろうとは,オレは決して思わない(笑)。

 降り切って R400 と県道19 とのT字路にあるコンビニの Coco で補給。暑いが,食欲は旺盛で,脂っこくて塩辛いものが無性に美味い。暑熱馴化に取り組んだ成果か?(笑)補給後,日塩もみじラインに向う。昨年の半ベソ登坂を思い出す(苦笑)。

 ここは料金所までが比較的長い。登っているうちに,なにやら暗雲垂れ込め,ゴロゴロと雷鳴まで,..。パラパラと降り出した雨は,ザーザー降りになった。この雨は,身体が冷えてむしろ幸いだったけど,あっという間に止んでしまった。勾配は急ではないものの,次第に飽きが来る登りである。

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 昨年も一息付いた湧水ポイントで顔やら腕やら脚やらを冷やす。気持ちがいい。昨年飲んで大丈夫だったので,ボトルにも詰めた。さて,ピークを超えて降り始める。昨年は観光バスによるブロックを食らって,大分イライラさせられたが,今年はスムースだ。出口の料金所の手前で何台かの車の後ろに付いてしまったが。出口ではオジサンが,別ゲートで対応してくれたので,待つことなく出ることが出来た。何だかんだ訊かれたが,適当に答えておいた。コースを聞いて,「今日中に走れるのかい?」と驚かれる。実は,明日も明後日も今日以上に厳しいコースが待っているんだが,..。

 さて,ここから先は昨年と同じコース。昨年は大笹牧場までの登りで力尽きたっけ。R121 の三ツ岩トンネルを抜けて,県道23に入る。ここからまた登りが始まる。いくつめだかのトンネルで,プロックパターンのタイヤのロードノイズと共に,ふぃりっぷさんにパスされた。とても,付いて行けないスピードだ。羨ましい脚力である。

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県道23から望むどこぞの線路(地理に疎い)

 しばらく走っていたが,どうにも咽も渇いてきたし,エネルギー不足のような気もしたので,自販機休憩。コーラとポカリスウェットと水,3本を一気に大人買い(笑)。それにしても,ペットボトルの購入代がとてつもない。三日間で一体いくら使うのか?まあ,飲まないと走れないのだから,仕方がないが。

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 ちゃりけん氏も自販機ストップ。ここからはほぼ同じペースで進む。栗山村に入って,いよいよ昨年半泣き状態になった大笹牧場への登りが始まる。これが本日最後の本格的な登坂。約30分ほどで大笹牧場に到着。時刻は午後4時半頃。よかった,ソフトクリームに間に合った(笑)。

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昨年も食べたソフトクリーム(pm 4:31)

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PC3 の大笹牧場でのチェック風景(撮影:ちゃりけん氏)

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PC3 での AJ 宇都宮のS木さん

ゴールのろまんちっく村へ

 ここからは,降りばかりなり。ちゃりけん氏と共にゴンゴン降る,ガンガン降る。最後の平地区間もゴンゴン引いて,ゴールのろまんちっく村に6時過ぎに到着。11時間6分で完走。大した疲労感はなし。

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AJ 宇都宮の S 藤さん。お世話になりました。

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AJ 宇都宮の I 塚さん。ありがとうございました。

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ナデラ男の後ろ姿(撮影:masa さん)

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pokky 氏を待つ手持無沙汰のナデラ男(撮影:masa さん)

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今日もトラブルなく走ってくれた愛車(撮影:masa さん)

 pokky 氏と,どちらか早くゴールした方が,森林公園まで行って,車を持ってくるという話にしてあった。すまん,pokky 氏。君が早く到着するのは走る前から決まっていたようなもんだった。ろまんちっく村に運んでもらった車から荷物を下ろして,自転車積んで,風呂入って,...。

 食事はどうしようかと思っていたが,HEIZOSUN がラーメン屋に誘ってくれたので,話のタネに行ってみた。ちょいと時間が掛かってしまったが,なかなか面白い趣向のラーメンだった。

 熱した石焼き用のどんぶりに入れた麺やら具やらにスープを注げば,たちまち沸騰して,さながら火山から噴き出す間欠泉の如くグツグツと煮えたぎったラーメンになった。ライスも付いて,なかなか美味しゅうございました。その後,森林公園から HEIZOSUN の車を回収して,明日の朝の食料を調達して宿に戻ると,直ぐに明日のブリーフィング。もう,眠いんだけど(笑)。

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宿舎の部屋の様子(撮影:ちゃりけん氏)

 宿は幸い貸し切りになったらしい。宿の部屋の組み合わせは,なにやら,Twitter のオフ会の様相を呈していた。@atkamano さん,pokky 氏,ちゃりけん氏,@gak_t12 さん,@eijitom さん,そしてオレ(@naderaman)である。どうも,AJ宇都宮のスタッフに Twitter 上での今回の山岳ブルベ三連戦への参戦の下りをウォッチされてたような感じだ(苦笑)。それにしても,皆,オッサンだ(失礼!)。みんなで,ワイワイ言いながら,ほんのちょっとだけビールを頂いて11時半頃に就寝。合宿みたいでなかなか楽しい。さて,明日もがんばるぜ。

二日目に続く

2020年12月25日 (金曜日)

【過去記録】BRM802 宮城 600km(2008)

へばなさんとのファーストコンタクトとなった,初めての 600km ブルベの記録を HDD から発掘したので再掲しておく。なお,情報に関しては 2008 年当時のものであることを断っておく。

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BRM802_2008 宮城 600km 完走記
2008年8月2日 am 0:00 Start ~ 2008年8月3日 am 11:00 Finish (35 h 00 m)

下はコース確認のためにコピーしておいたツーリングマップルの地図を貼り合せてみたもの(不要になったので)。
14万分の1の地図で畳み1畳分ほどになる。やっぱり,600km ってのは,それなりに長い(笑)。

Map

プロローグ

 「ブルベ」という言葉を耳にしたか目にしたかしたのは,もう随分前のことである。多分,自転車雑誌に掲載された記事だったような気がする。カナダのロッキー山脈を 1200km 走る耐久ランに参加した記事だったように思う。そのときは,「ハードな自転車遊びがあるものだ」と思った程度だった。だが,妙に心惹かれるものも感じた。それから,同じ雑誌にパリ~ブレスト~パリに日本人が初めて参加したとの記事が掲載された。今思えば 2003年の大会だったらしい。これも興味深く読んだ。もっとも,どちらの記事が先だったかは判然とはしない。

 以来,言葉としての「ブルベ」は頭に入っていたが,実際に「ブルベ」を走ろうとまでは思ったことはなかった。参加者のブログやAJ 埼玉やAJ 宇都宮の HP などを通して,その雰囲気を感じ取っている程度だった。300km までの距離はこれまでも何度も走っていたし,自分としては長距離のファストラン系の方が性格的にも体質にも合っているような気がしており,参加してみたい気持もあったが,わざわざ関東方面にまで出かけて参加するほどに,気持が熟成するまでには到らなかったのである。

 しかし,ここで状況が少し変わってきた。一昨年(2006年)にランドヌール宮城が設立され,宮城(というか東北)でも昨年からブルベが開催されるようになったのである(2007年は 200km と 300km のみの開催)。折しも,昨年(2007年)はブルベの最高峰・パリ~ブレスト~パリ(PBP)の開催年(4年に1度開催)に当っており,友人の一人も埼玉などでブルベを走り SR の認証を受けて, PBP に参加し,見事に完走した。Web で刻々更新される PC の通過状況をチェックしながら届かない声援を送っていた。こちらは PBP など夢のまた夢だったが,まだ走ったことのない,400km,600km の長距離ブルベはどんなものなんだろうかと興味津々の状態だった。だが,この時点になっても,400km 以上のブルベを走るために関東方面に行こうとはしなかった。元来,面倒臭がり屋なのである(笑)。

 今年(2008年)になって,またまた状況が変わった。私の行動のきっかけには,どうも周囲の状況変化が必要らしい。ランドヌール宮城の HP に 600km ブルベの開催予定が掲載された。AJ 宇都宮との共同開催とのことだった。出てみようかと考えた。でも,400km も走ったことがないのに,いきなり 600km。しかも開催時期は真夏,..。汗っかきの体質なので真夏の長距離では常に苦しんでいた。BRM622 宮城 300km の際に顔見知りに訊けば,やはり,距離と開催時期を考えて,参加を躊躇しているとのことだった。私の方も同様だった。しかも,400km 以上では必須になるナイトランの経験がほとんど(全く?)なかったことも,参加を躊躇する理由だった。そんな訳で 300km を走った後も参加の踏切りがなかなか付かなかった。

 しかし,「ブルベ 600km の完走」は,自身の HP で新年の目標として掲げてしまっているし,自転車仲間と呑んだ際にも「走る!」宣言をしている。さらに今年は,600km を走り切るべく,3月から例年にない距離の走り込みをして,身体的パフォーマンスもこれまでにないほどの状態になっている。今更後には引けないというのが実情だ。600km を走り切るのに残っている必要なものは,小さな一歩を踏み出す勇気と経験値だけのはずだ。スポーツエントリーのページから,ポチッとしたのは 300km ブルベの直後(6月27日)だった。さあ,もう後は覚悟を決めて走るだけだ。この出来るか出来ないかギリギリのところのチャレンジが人生を豊かにしてくれる唯一のスパイスだと最近は思うのである(笑)。

準備編

 まず,機材関連である。自転車は 200, 300km に使用した COLNAGO はやめて,COPPI にした。このフレームは,今中大介選手がツールを走った時のものと同じものである。アルミ製(コロンバス・アルテック2)で硬いといわれているが,COLNAGO に比べれば,ヘナヘナと表現してもいいような柔らかいフレームである(と感じている)。いつもは練習用というか,代車にしていたマシンである。これを 400km オーバーのブルベ用のマシンにした。#ハンドルの高さがステムで変えられるのも利点。その後の 400km 以上のブルベでは常にこのマシンだった。

 下の画像は,600km 完走後のマシン。雨の可能性もあったので,後輪にのみ簡易の泥除けが付けてある。トラブルなく 600km を走ってくれたマシンに,ありがとうと言っておこう。ちなみにフル装備で 10kg オーバーである(笑)。#いや,12kg ほどもあったような気がする。

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 パーツ構成は以下の通り。クランク:シマノのコンパクトドライブ(50T & 34T, 165mm),スプロケット: Dura-Ace 10 speed (12 - 25T),ブレーキ本体:前後とも古い Dura-Ace (7400 系?),フロントディレーラ: Dura-Ace(105 の奴は強度不足で走り込み中にプレート部破損),リアディレーラ: 105,STI レバー: 105,サドル:スペシャライズド,ボディジオメトリ Alias 143mm,ホイール:クラシカルな手組み(これが一番良いと思っている)で,リム:ARAYA の RC-540,スポーク:メーカーは知らないが,#15, #14 のダブルバデット(だったと思う)。リアハブ:古い Dura-Ace(7400 系?),フロント:シマノ製のハブダイナモ (DH-3N70),ハンドル: NITTO のSTI 用の 420mm,ステム: NITTO 110mm,タイヤ:DedaTRE GRINTA (700 x 23C)で,一本 3000 円弱の安い奴だが,なかなか感じが良くて,自分としては他のメーカーの 5 ~ 7000 円のものと遜色ないと思っている(錯覚かも知れないが)。いろいろなブログなどでも好評の様子。

 さらに,実際に走ってみればあまり(ほとんど?)必要だとは思わなかったが,申し込んだ時点で GPS が不可欠なような気がしていた。知り合いが使わなくなったというものを借用したが,結局前日までジタバタした揚げ句に使わなかった(使えなかった?)。どうも,こういうものに頼り過ぎると何かトラブルがあった場合に困るような気がする。やはり,人間がキューシートをきちんと読む方が「ブルベ」らしいというか,それこそが「ブルベ」というような気がしている。#もし,使いこなせていたら,違ったコメントがここにあるだろうことは容易に想像がつく(笑)。

 もう一つの重要な装備が,夜間走行用のライトである。ママチャリで街中を走行するのとは訳が違う。外灯一つない山中の道を,時速 30km で走るためのライティングシステムというものを考えた場合に,選択肢はかなり限られる。いろいろと調べたが,結局ハブダイナモと匠光楽 [1] のライトの組み合わせを選択した。さらに,もう一灯の予備ライトとして,INFINI LUXO を使用した。ライトについては,好みもあるので,これが絶対だというものはないだろう。こればかりはいろいろと試行して自分自身にあったものを用意するしかないように思う。下の画像は,匠光楽のハブダイナモ用の 3W LED ライト。詳しいことは知らないが,多分内部に交流→直流の変換回路が組み込んであるものと思う。他の方々の評判通り,何度か夜のロード練習で使ってみたが,圧倒的な明るさで,夜間走行に対する不安解消に大きく役立った。また,補助で用いる電池式の LED ライトに関しては,こんなページがある。S氏からの情報です。ありがとうございます。

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[1]「匠光楽」というのは,西井匠氏が趣味で行っている,ライトの改造に関する「私設研究所」のようなものである(なのかな?)。製作者の西井氏は仕事の傍ら,ライト製作を趣味としているので,興味のある方は,西井氏のブログを通して氏にコンタクトして頂きたい。

 準備に関して,機材はもちろんだが,自身の肉体に関する準備が必須である。むしろ機材以上に重要である。機材なんぞ,ママチャリでも十分なのである(笑)#へばなさんが実証している。今年は,当初から600km ブルベを一つの目標にしていたので,3月から出来るだけ距離を踏むようにした。3月の米沢はまだ雪が残りロード練習もままならないので,自転車を車に積んで福島の飯坂附近まで出向き,そこを起点にして 100 ~ 150km 程度のロード練習を毎週のようにこなした。とにかくそれなりのアップダウンを含むコースを選択するようにした。シーズンインの後は,200, 300km のブルベ(300km まではとにかくスピード重視のタイムアタック),200km のセンチュリーラン(これもタイムアタック),自主的な 200km オーバーのアップダウンコースの走行,磐梯吾妻の山岳観光道路を何本か繋いで走るといったようなことを繰り返した。結果,3~7月でローラーを含めてほぼ 8000km を踏むことが出来た。お陰で,登りのスピードはそれほどではないものの(と言うよりも,正直遅い),ブルベにとって必要な(と思える),何度アップダウンを繰り返しても容易にへたらない脚を作ることが出来た(と思う)。ローラー練習を開始した昨年秋から体重は 13kg ほど減り,チェック用の強度での運動時心拍は 20 bpm ほども低下した。ブルベ前週の,鳥海のヒルクライムも,自分としてはそこそこのタイムで登ることが出来た(まだまだ遅いけれど)。まだまだ,絞り足りない部分はあるが,身体的な準備は一応整ったと感じた。

 さらに,唯一不安に思っていた(未体験の)400km オーバーの距離に関しては,当初,練習と最終的に SR 取得を目論んで,BRM705宇都宮 400km への参加を検討したが,いろいろな都合が合わずに参加を断念した。その代わりとして,7月12日に距離 475km,獲得標高差 3800m のシミュレーション走行(一部8月の 600km ブルベのコースを含む)を敢行し,23時間弱で完走した。午前3時に雨中スタート,午前2時に帰着という,絶好の(悪?)条件でのシミュレーションだった。機材や装備の善し悪しや長距離走での身体の変化,補給の仕方など,多くの情報を得ることが出来た。特に,本番で使用するザックの防水性のチェックやら,ザックを背負うことの身体へのダメージなども検討できた。この結果を受けて,ライトの取り付け方法の見直し作業などを行えた。お陰で 400km オーバーの距離に対する心理的なバリアが大きく下がった。一緒に走って頂いた樋口氏には深く感謝したい。なお,シミュレーションで得られたデータらしきものは以下の通り。

1.VAUDE 製のザック Ultratrail 20 の防水性能は秀逸。土砂降りの雨の中でも中に入れたものはまったく濡れず。ただし,この防水機能がどの程度持つのかは不明。案外短命かも知れない。

2.カンパニョーロの雨具は,可もなく不可もない。多分,どんなに高価な雨具でも汗で内部が濡れるのは変わらないだろう。

3.雨でシューズが濡れたまま20 時間ほども走る場合には,少なくてもソックスを,できればインソールとソックスを交換した方がいいだろう。雨でふやけた足の裏を固いレーサーシューズの靴底に押し当てることを10時間以上も続けると,足底が靴擦れ状になって痛くて溜らなくなる。今回も,足の裏の母指球附近の痛みと足先の痺れで苦痛を感じた。400km 以上走る場合には雨で濡れなくても汗で濡れていることがあるので 300km 程度で一度靴の中敷とソックスを交換するのがいいのかも知れない。

4.上と同様のことがレーサーパンツに関しても言えそうだ。雨で濡れたあと,あるいは多量の発汗で濡れたレーサーパンツで長時間走行すると,時にお尻の皮膚と擦れ合って,堪え難い痛みを伴うようになる。あるいは,これは経験した方もいるだろうが,コンビニなどで大きい方の用を足した後,レーサーパンツを履き直すと,パッドとお尻の接触位置が微妙にずれて,同じような擦れが起こり,これまた堪え難い痛みが出ることがある。この対処方法としてはレーサーパンツを履き替えるのが有効なように思う。あるいはレーパンのパッドにクリームを塗り直すことで解消できるかも知れない。この点は今回のシミュレーションでは確認できなかった。

5.補給はまあまあ巧くいったような気がするが,やはり15時間を越える走行時間になると,固形物の補給が摂り辛くなった。水分の過剰摂取による胃液の濃度低下が原因かも知れないが,水を飲まない訳には行かないし,この辺りは個人差が大き過ぎて一般論はないようだ。

6.補給食に関しては,これまた個人差があり過ぎて一般論は成立しない。今回,長時間の走行を経験して,やはり「羊羹」が優れた補給食だと再認識した。帰りの小原温泉附近でどうにもおかしな眠気が襲ってきた時,男鹿行き(チームの恒例イベントに,男鹿半島 - 米沢の 300km ファストランがある)の経験から,恐らくはハンガーノック性の眠気だろうと判断。保険に持っていた羊羹を食べてしばらくしたら眠気が消えた。カロリーメイトなどでは咽につまらせて窒息しかねない(笑)。

7.ヘッドランプは夜間にメータ類をチェックする以外には使わなかった。で,あればメータ類のライティングシステムを設置してヘッドランプは外した方が走る身にとっては遙かに快適だ。ただ,道路標識の確認などにはあった方が良いかも知れず,その点(ヘッドランプで標識やランドマークが確認できるかどうか)だけは未確認。

8.走行中,フライトデッキの速度表示が「0」になった。Qシートを参照しながら走る場合,これは命取りになる(大袈裟な)。新たに距離計を付けるべきかどうするか,..。

9.シマノ製のレインキャップなるものを初めて使ってみた。で,これはいい。今までは雨中走行時は眼鏡を指ワイパーで拭いながら走ったものだが,帽子の庇のせいで眼鏡のレンズに水滴があまり付かない。プロ選手などが雨天のレースでレーサーキャップを被る訳がようやくわかった。水滴が目に入り辛いだろうということは予測できたけど,ここまで効果があるとは思わなかったのである。

10. シューズのソールだが,流行りの硬いカーボン製よりも,プラスチック製の柔らかめの方が長距離,長時間には適しているように思う。

11. ライティングシステムは,匠光楽に関してはほぼ完璧。照射角度を走行中に微妙に変えられるようなシステムがあればなお便利である。

 走行前のマシンのハンドル周りは下の画像のようになった。キューシートは短冊状に切って一方を束ねて2枚のプラスティック板に挟んでハンドルバーに固定した。右側のコマを通過したら一枚日めくりカレンダーのようにちぎって捨てるのである。だから,もしミスコースをして次の短冊に行くと致命的となる(笑)。もちろん,そうした場合に備えて,もう一部をザックに入れておいた。今から考えると,PC から PC までを一枚に収めるようなやり方もあった。次回からは,そういう形式にして,各ページをラミネート加工しようと思う。

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 ヘルメットに搭載するライトに関しては,主たる役目はメータ類やキューシート(あるいはコマ図)確認であるから,それほど吟味する必要もないように思われた。しかし,夜間のパンク修理などへの対応を考えると,やはりそれなりに充分な明るさは確保しておきたい。7月のシミュレーション走行の結果から,重いライト(100g 以上のものを取り付けた)では,長時間走行による頚,肩へのダメージがかなり大きいことがわかった(半端ない肩凝り)ので,出来るだけ軽量のものを探して取り付けた。下の画像がそれだが,Panasonic の BF-264BP という製品で,電池,ベルト込みで 50g という軽量なもの。ベルトは外して取り付けたので,実際の走行時に重さは全く気にならなかったし,光量も十分だった。感覚的には 100g を越えると,長時間走行中に頚や肩に負担が感じられるように思う。

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 こうしてみると,今年に入ってからの自転車遊び(?)のベクトルはすべて 600km ブルベに向いていたようだ。これだけやって,もし完走できないとしたら,それはよほどの間抜けに違いない(笑)。

前日(8月1日)

 前日はできれば休みを取りたかったが,いろいろあって無理だった。それでも,早めに帰宅したので,少しでも仮眠を取ろうとしたが,気持が昂ぶっていて全く寝付けなかった。その前日も仕事やら GPS いじりで睡眠は3時間弱だったので,眠いはずだったのだが,..。

 午後7時過ぎに装備一式を積んで,スタート地点の宮城県名取市 CSC に出発。10時半頃に会場着。誰も来ていない様子。ここでも,車の中で少しでも仮眠を取ろうとしたがやはりダメ。11時頃からボツボツ人が集まり出した。受付をして,準備を始める。ザックを背負う人は少ないようだ。シートポストに取り付けるビームタイプのリアバックを用意して,そこに全部の装備を入れるのがベストだろうけど,サドルやシートポストの関係で巧く合うのが見つからなかった。

 さて,ザックに何を入れて走るかは,長距離になれば,それなりに重要になる。今回は,雨具(にわか雨なども考えていた),レインキャップ,ウィンドブレーカ,替えのシューズの中敷とソックスとグローブ,ゼリー2つ(保険として),CCD 6袋(100km 当り1袋の計算),小さな羊羹を多数(PC 間での走行中の補給用,いくつかずつジャージのポケットに移し替えた),コピーした地図およびキューシートとブリーフィングで貰った休憩場所のプリント一式,ヘッドライトおよびバッテリーライトの予備電池,予備チューブ2本(チューブは全部で4本携行),尻用の塗り薬,アソスのクリーム,タオル1本,大きめと小さめのタイラップ数本(何かあった時のために),現金,...などである。あ,デジカメも入れておいた(が,一枚も撮影していない)。こうして列挙すると結構な量になる。おおよそ 3kg ほどだろうか。なお,使ったのは前述したように VAUDE 製のザック Ultratrail 20 である。使用レポートは,こちら,あるいは,こちら。優れた防水性能は,7月のシミュレーション時に実証済み。#赤字は結局使用しなかったもの。今なら防水性能の高いデジカメもあり,走行中かなりの枚数を撮影するので,走行後の画像整理に時間が掛かって仕方がないが(苦笑)。

 ジャージのポケットには,ビニール袋に入れた携帯電話,小銭,小さな塩羊羹5~10個,ビニール袋に入れたブルベカードといったところ。各 PC でのレシートはブルベカードと一緒にビニール袋に入れておく。飲薬の袋などがジップロックも付いていてちょうどいいサイズである。

8月2日(土)午前0時~8月3日(日)午前11時

 午前0時。いよいよスタート。ここからは残念ながら写真が全くない。次回からは出来るだけ撮影しよう(笑)

名取(スタート地点) → 相馬(PC1 ローソン相馬松川浦店)47.5km,am 1:42

 スタートしたのは10名ほど。スタートした途端に,SEKI みちのくやベルエキップ(だっけ?),チーム奥州など脚のある7名ほどがパックを形成し,どんどん先行する。こちらは,少し間隔を空けて付いて行く。なにしろ先は長い。最初の PC1 まではセンチュリーランなどで勝手知ったるルートなので,この区間でキューシートとサイクルコンピュータを照らし合わせながら走ることに身体と頭を馴らすことにする。匠光楽のライトの明るさは申し分なし。30km/h 前後で巡航する。

 私の後ろには2名。一人は函館から参加とのこと。先日の恵庭 1000km はスケジュールが合わずに走れなかったとか。もうお一方は,先だっての宇都宮 400km を完走して,今回の 600km に SR が掛かっているらしい。なんでも,ロードバイクに乗り出してまだ数ヶ月とか。それでもう SR ですか,..。失礼だが,お腹周りもまだまだ太めで,もっと身体を絞り込めばさらに走るスピードは上がることでしょう。名前をお伺いしていなかったので,以降は,H氏(函館からの方),S氏(もうお一方)と呼ばせて頂く。

 全くのド平坦なコースを走り,1時42分頃に PC1 のローソンに到着。H氏が,見辛い縁石に乗り上げて落車した。私も危うく乗り上げそうになった。幸い,機材関連のトラブルもなく,擦り傷程度で済んだ模様。ここで,水と小さなあんパンを買って,軽く補給。腰の痛み止めの薬を飲む。7名のパックは先にスタート。

 ところで,GPS を眺めながらスタートしたが,走り出して 10分でトラックバックによるナビゲーションは瓦解した(笑)。これ以降は GPS はスイッチを入れた状態でザックに放り込んでおいただけ。しかも,ゴール後に確認すると電池切れ。つかえねぇ(笑)。

相馬(PC1) → 霊山(PC2 セブンイレブン福島霊山店)90.0km, am 3:52

 PC1 をスタートして,ここから R115 に入る。このコースは霊山から相馬,相馬から霊山どちらも走ったことのあるコース。ダラダラ登りが十数キロ続く。明るいうちなら渓流沿いの,それなりの景観が楽しめるのだが,暗闇の登りは何も見えず,退屈で詰らない。S氏といろいろと話をしながら走る。途中で勾配が急になる。H氏が若干遅れ気味になる。この辺りで雨が降ってきた。ガスも出ている。湿度はほぼ 100% だろう。かいた汗が全く乾かない。しかも,発汗量が多い。なにしろ蒸し暑い。薬を飲んでもやはり腰は痛い。S氏が,ザックの肩ベルトを下げて,ザック本体を腰の上辺りで支えるようにすると腰の痛みが軽減すると教えてくれた。だらしのない高校生のような背負い方をするらしい。試しにやってみると,確かに少し楽なようだ。幸いなことに雨はピークに着く前に上がった。考えてみれば,私のキューシートは雨対策が全くされていない。雨が降ってきた時には,どうしようかといろいろと考えていたが,実行に移すことなく雨が上がってホッとした。

 ようやく霊山子供の村付近を通過して,ここからダウンヒル。しかし,この辺りから眠気が襲ってきた。もう午前3時頃。昨晩は睡眠時間3時間弱。仮眠は出来なかった。眠気が出るのは無理もない。匠光楽のライトを持ってしても,コーナーの半径が正確に把握できないのでダウンヒルが少々怖い。と,後ろから車のヘッドライト並の灯が,..。てっきり車が後方に貼り付いたのかと思ったが,S氏のバッテリーライトだった。訊けば,リチウムイオン電池式の 5W LED のライトを4基搭載しているとのこと。猛烈な明るさだ。もっとも2時間しか持たないらしく,降り用と言っていたが。さすがの匠光楽のライトも,この5W 4発には敵わない(笑)。眠気でちょっとふらつきながら3時52分に PC2 に到着。ここで眠気覚ましのガムを買い,甘いデザートを食べ,前の PC で買った餡パンを食べる。ここでS氏が PC1 でレシートを貰っておかなかったことが判明。いきなりのトラブルだ。確かに,あのローソンのおっちゃんは言わないとレシートをくれなかった。まあ,我々が一緒にいたことを証言すれば大丈夫だろうと PC3 に向うことにする。ようやく空が白み出した。

霊山(PC2) → 小野(PC3 ミニストップ小野インター店)150.9km,am 6:54

 PC2 を出て,明るくなった頃から眠さと怠さ(多分軽い脱水症状,睡眠不足だとなりやすい)のダブルパンチで走行スピードが全く上がらなくなった。一緒に走るH氏,S氏から遅れがちになる。 R349 はそれなりにアップダウンもある。半分意識を失いながら走る。トンネルを越えた辺りだろうか,水もなくなったので,一人ストップして自販機で給水。お二人には先に行って貰う。ここで,ハブダイナモからライトの接続を外す。しばらく体操のようなことをして少し気分がすっきりしたのでまた走り出す。一人の方が走ることに意識が集中するようだ。しばらく走っているうちに前方に二人が見えてきた。あれれ,追いついちゃったよ。結局,PC3 には6時54分に到着。ここは有人 PC で AJ 宇都宮の方がスタッフとして通過チェックしていた。S氏が PC1 の件を切り出せば,一緒にいた方が証言すればということで,無事に PC1 の通過が認められた。

 今回の 600km のコースは基本的に八の字を描くように設定されていて,八の字の交点が,この PC3 である。したがって,この附近で宇都宮スタートの参加者(60名近いらしい)とすれ違う。ここでは沢山の宇都宮からの参加者と出会った。こんなに沢山のブルベライダーを見るのは初めてだ(笑)。ここでおにぎり2個とその他の補給を摂る。ここで,先行していた7人から離れた,仙台の土田さんが加わった。そこそこ長い休憩を取ってから,残り 3/4 に向って4名でスタート。残りは「3センチュリー(1センチュリー=160km)」である(笑)。

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 #写真は AJ 宇都宮のスタッフの撮影。なでら男はオレンジジャージ。土田さん,S さんと共に。

小野(PC3) → 塙(PC4 ファミリーマート道の駅塙店)213.3km,am 10:27

 小野の PC を出てしばらく走ったところで,伝説のママチャリライダーと出会う。今年になって 200, 300, 400km ブルベをママチャリで完走し,今回の 600km ブルベで「ママチャリ SR」を目指す強者である。本当にドノーマルなママチャリだった。世の中には強靭な方がいるものだ。

 さて,ここからが難所である。高架道路の工事現場を通過していよいよ始まる「石川広域農道」。標高差 20 ~ 50m ほど(あくまで主観,100m 程のところもあったか?)の登りと下りが,際限なく繰り返される。いい加減に消耗したところで,距離にして 3km 以上のアップヒル(どこがピークだよ?)。下って,大きな道にぶつかって,ようやく終わりかと思えば,道を横切ってから,また始まるアップダウン。いろいろな道路を走ってきたが,ここまでライダーの走力(気力?)をそぎ落としてくれるような道路はあまりお目に掛からない。もっとも,同行した方々が遅れ気味になるので多少ペースを落として登ったお陰で,徹底的に消耗するまでには至らなかった。今から思えば,あのペースで登ったことが最後までいい方に作用したようだ。もうじき PC4 だったが,水もなくなり,腹も減ったので,目に付いたセブンイレブンに入る。水を補給し,プリンを食っていると,土田さんも停車。二人で軽く補給。一息付いていると,後から来たH氏とS氏に先行された。すぐに PC4 だからね。休憩後,ほんの少し走って PC4 へ。着いたのは 10時27分。先の休憩ははっきり言って無駄だった。ここでも,おにぎりとかお菓子などを食べる。今日は食欲が落ちないのが幸いだ。

塙(PC4) → 馬頭(PC5 セブンイレブン那珂川町馬頭店)256.5km,pm 0:40 (?)

 「石川広域農道」がようやく終わったと思ったら,また「県北北部広域農道」が始まる。それにしても,登らせてくれる。しかも,暑くなってきた。土田さん,H氏,S氏の3名からは先行。登り降りを繰り返す。もう,ここまで来ると笑ってしまう(笑)。それにしても,眠い,怠い,走るスピードが落ちる。ハンガーノックか? 咽も渇いたので道端の自販機でコーラを購入。ボケーッと飲んでいると,土田さんが追いついてきた。もうすぐ PC5 とのこと。私は,キューシートを短冊状にしているので,もうすぐ PC というような状況が判り難い。土田さんの後ろに付いて走る。1時近くになって PC 5 に到着。暑い。ここで日焼け止めを塗る(もう遅いって)。ここで,ぶっ掛けタヌキうどんとやらを食す。しょっぱい汁が美味い。どうも,ここのところ毎回これを食っているような気がする。食い終えた頃にH氏がやって来た。あれ?S氏は?ラーメン屋に入ったとの話もあったが,後で訊けば自販機で水を補給したとか。補給中のH氏,S氏に先行して土田さんと一緒に出発。ここからのコースがわかり難いと言うが,...。

馬頭(PC5) → 宇都宮(PC6 サイクリングターミナル) 302.3km,pm 3:15

 それにしても暑い。物凄く堪える暑さだ。ここからまた始まる広域農道「八溝グリーンライン」。一体,どれだけ登るんだ? 登らなくても済むコースが取れるんじゃないのか?とすら思う。10% 近い急勾配を登って,ピークを越えて下りに入った瞬間に前方に同じような勾配の登りを見ることを今日は一体何回繰り返したことか。流石に嫌になってきた。AJ 宇都宮のコース作成スタッフに対する恨み辛みを口の中でブツブツと繰り返しながら,それでもなんとかアップダウンをこなす。「へっちゃら,へっちゃら,なんくるないさ,踏んでいればいつかは終わる,..」なんて言葉が頭の中をグルグル巡る。往路の残り数キロ。宇都宮の森林公園の 17%(なんてないようにも思うが) の急坂をようやく越えてたどり着いた PC6。登る途中で折り返してきた宮城からの参加者6名とすれ違う。羨ましいことに,元気一杯じゃないか。

 サイクリングターミナルの2階の和室には AJ 宇都宮のスタッフの方2名がいた。時刻は午後3時15分。思ったよりもずっと時間が掛かったし,かなりの消耗度合だ。この消耗度合は,まさに想定外である。ここで,水を飲んだり,アイスクリームを食べたり,雑談したりと,1時間以上の大休止。エアコンの効いた部屋でほんの少しウトウトする。まだ陽射しが強くて,外に出て行って走る気にならない。エアコンの効く部屋を一歩出ると,ムッとする熱気に包まれる。後続の二人が着くまでとか言って,ウダウダと過す。が,なかなか後続の2名が来ない。こんなに離れるはずはないように思うんだが,..。仕方ないので,4時半頃に土田さんと出発。外はまだまだ暑い。さて,残り半分だ。消耗度合から判断して,復路が少々不安ではある。

宇都宮(PC6) → 那須塩原(PC7 セブンイレブン那須関谷店)351.5km,pm 7:10

 PC6 を出発して,国道に出ると,向こうから走ってくるH氏とS氏の姿。頑張れよ~~! ここから那須塩原の PC7 までがえらく辛かった。県道 30 号が,緩やかにダラダラと登っているのである。スピードが上がらない。暑い。水が切れてきた。たった 50km ほどに2時間40分程も掛かった。PC7 に着いた時には,かなりへばっており,しかも,脱水,軽い熱中症のような状態で,正直,これじゃ完走できないと暗澹たる気持になっていた。やはり,この時季の一番の敵は暑さのようだ。この辺りでビアパーティで大盛り上がりの米沢の加藤さんから電話。こっちがかなりへばってイライラしている時に,いい調子で酔っぱらった声を聞くのは心底腹が立つ。面倒臭いからすかさず切ってやった(ごめんね)。

 ここで水を1リットルほど一気飲みしてようやく落ち着いた。塩分とタンパク質を摂るために麻婆豆腐丼を食べる。幸い,まだ固形物が摂れる。試しに,リゲインなんてものも飲んでみる。ボケーッとしながら,これであと24時間踏み続けられるかなぁなんてバカなことを考える(笑)。と,遅れてきた土田さんが到着。開口一番「身体がおかしい」と。心拍が 150 から下がらないらしい。さらに,不整脈とか。脈を取らせてもらうと,「トトトト,ト,ト,トトト,トト,...」というような感じである。これはまずいだろう。私も以前に熱中症になった時に心拍が 180 から下がらなくて 10 分程蹲ったことがある。そうした経験から,熱中症と脱水じゃないのかということで,水分を補給し,食事を摂ったものの,なかなか回復しない様子。昨年の PBP を完走した方であるが,大事を取ってランドヌール宮城の鈴木氏に途中棄権の連絡をすることになった。ブルベは今日だけじゃないし,撤退する勇気も必要だ。PC7 から那須塩原の駅まで 5km 程で,そこから輪行して帰ると言う。お気を付けて。こちらの調子も楽観できるほど良いわけではない。知り合いに近況報告。美味いビール片手に応援してくれるようだ(笑)。女房から何度か電話とメールが来ていたので,自宅にも電話を入れる。死なない程度に頑張って走るぜ(笑)。それにしてもブルベって危険な遊びだ(苦笑)。

那須塩原(PC7) → 白河(PC8 セブンイレブン大信増見店)401.6km,pm 10:20

 さて,ここからは一人旅のナイトラン。ちょっぴり,心細いぜ。ハブダイナモに匠光楽のライトを接続。圧倒的に明るい光が心強い。今いる辺りは那須高原との触れ込みだが,気温が高く蒸し暑い。所々でガスも掛っている。しかも,眠くて仕方がない。ここから PC 8 までは半分寝ながら走る。とにかく眠いので,どこかに仮眠の取れる場所がないかと探しながらフラフラと走る。

 時折,ヘッドライトで走行距離とキューシートをチェックするが,スピードが 20km/h を割り込んでいることも多く,些かうんざりした。しかも,仮眠の場所を見つけられないまま,白河手前の県道68号(県道30号が途中から変わる)のアップダウンセクションに入る。7月のシミュレーションで走っているコースだが,おおよそコースを知っているだけに余計に堪える。途中で,道端で立っている女性を見つけたりしてビックリする(これは誰かを待っていた様子だったけど)。結局,仮眠場所を見つけられないままに PC8 に到着。見つけられないというよりも,もっといいところが,..などと考えて踏切りが付かなかっただけかも。本当に危機的状況なら道端でも十分眠ることが出来る。いずれ,その状態を迎えるわけだが,..。

 ここで,コンビニのおばちゃんに,「自転車装束の6名くらいが来なかったか?」と訊けば,「アンタが初めてだ」との返事。どうやら,先行した6名はどこかで寝ているらしい。後で訊けば,温泉ランドのようなところで,風呂に入ってビールも飲んで,4時間ほど寝たらしい。ベストの選択と思う。こちらとしては,今回は出来るだけ悪い条件で走ってみたいと考えていたのできちんとした仮眠場所などは最初から考えていなかった。最悪を知ってしまえば,それ以降は何があっても「へっちゃら,へっちゃら,..」で行けるはず。でも,この状態になると,やっぱりどこかちゃんとしたところで仮眠取りてぇ~というのが正直なところだった。PC8 を出て,どうしようかと考えて,PC9 の有人 PC(往路の PC3)まで行けば仮眠が取れるだろうということで,何が何でも PC9 までいくことにして,PC8 をスタート。

白河(PC8) → 小野(PC9 ミニストップ小野インター店)450.2km,am 0:40 (?) あるいは am 1:00 (?)

 ここの区間もアップダウンが続く。眠くて半分朦朧として走っていたので,余計にそう思うのかも知れない。暗闇で先が見えずに,コーナーを曲がる度にライトの光の中に新たに認識される登り勾配に心底がっかりしつつ,それでも走り続ける。そのうちに道路の白線が得も言われぬ催眠術のような効果を持ち始め,頭の中でおかしなストーリーが勝手に進行し始める。よく眠りに落ちる直前に全く脈絡のない話が展開するのと同じである。自分はいま自転車で走っているのに,頭の中では,パソコンに向って仕事をしているような映像が勝手に流れ始めるという具合である。その度に,いかんいかんと水を飲んだり,補給を摂ったりするが,また直ぐに同じような状態になる。終いに,白線がユラユラと浮き上って見え始めるし,道路脇の反射材を貼り付けたポールなどは全て道端の人に見えてくる始末。#このブルベ以降も 400km 以上の距離になって深夜走行を強いられると,眠気による幻覚に悩まされた。いわゆる「道端応援団」が多数見え始めるのである。道端の光を反射するものが全て人に見え始める。困ったものである(苦笑。

 車もほとんど通らない山の中で,この状態になるとかなりやばい。もう,どこでもいいから寝転がって寝てしまおうという気分になってきた。それでも,距離を見れば,あと 10km もしないうちに PC9 に着くということで,そこまでは頑張ろうとフラフラと走る。小町ダムの辺りでようやく少し意識がシャキッとした。#大分後で聞いたのだが,このダム近辺は心霊スポットだとか(苦笑。

 下りを走っていると折り返してきた宇都宮からの参加者数名のグループとすれ違った。ユラユラと揺れながら近づいてくる強力なライトの一群はブルベならではの景色で,やはり一種異様である(笑)。ようやく PC9 に到着。

 ここで,カップ麺のカレーうどん,ポテトサラダ,野菜ジュース,牛乳などをドカンと補給。いつもはこれくらいの距離になってくると水分の過剰摂取(夏場だけだが)で胃液が薄まって固形物の補給が摂り辛くなってくるのだが,今回はなぜか何を食っても美味いので非常に助かる。補給後はミニストップの椅子に座って壁にもたれて1時間ちょっと仮眠。

 よく考えれば,8月1日の朝6時に目覚めて以来だから,40時間以上寝ていなかったことになる。目が覚めると周囲の椅子には多数の参加者たちが同じように仮眠を取っていた。コンビニにとっては些か迷惑な客ではなかったのか(苦笑)。まだまだ寝足りなかったが,それからは巧く寝付けなかったので,しばらくそのままダラダラと休憩し,大分意識もはっきりしたので,3時半頃にスタートした。

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 #写真は多分 AJ 宇都宮のスタッフの撮影。やはり,だいぶ消耗しているようで頰がコケ気味。死んだように眠るなでら男。

小野(PC9) → 富岡(PC10 ローソン富岡上手岡店)496.6km,am 6:00 (?)

 スタート直後は,仮眠を取ったこともあり,比較的すっきりしていた。さあ,残り 150km をガンガン行くぜ!ってな気分だった。途中で宇都宮からの参加者とすれ違う。お互いに「頑張れよ!」と手を振りあう。お互いに残りは「1センチュリー(160km)」程度である。もっとも,宇都宮組はこれから「石川広域農道」に突入するのだが,...(笑)。

 1時間も走ると明るくなってきた。今回サドル上で迎える2度目の夜明けである。そしてここから猛烈な睡魔との戦いが始まった。なにしろ眠い。県道36号の川内村附近がまさに地獄。意識が飛び始めたこともあって,堪らずに道端の,今は使っていないような建物の軒下で横になる。目を閉じた途端に眠りに落ちたようだ。約30分の仮眠。まだまだ寝足りなかったが,走れそうだったので走り出す。ここで,ライトの接続は外した。これから富岡までに同様に道端に転がり2度ほど10分程度の仮眠を取ることになる。

 ノロノロとようやく PC10 に到着。ここでは,焼きそばを補給。まだ食欲は落ちない。ここでも眠気覚ましになるかと,また栄養ドリンクのようなものを飲んでみたが,結果的に全く効果はなかった。もともとカフェインなどがほとんど効かない体質なのである。朝から陽射しが強く,既に暑くなってきている。やれやれと出発。

富岡(PC10) → 相馬(PC11 ローソン相馬松川浦店)554.2km,am 8:50

 PC10 からは県道35号を北上する。ここもそれなりにアップダウンが続く。スピードが上がらない。また,猛烈な眠気が来た。登りで蛇行したり,下りでガードレールに吸い寄せられたりという状態になったので,またまた道路脇の歩道に倒れ込んで仮眠。行き倒れ状態と間違われないように(笑),きちんと自転車を立て掛けて,ザックを枕にして眠る。携帯のアラームをセットし,いっそのこと1時間くらい寝ようと思うが時折通り過ぎる車の音で目覚めてしまう。精々仮眠時間は10分程。起き上がると,汗で濡れたジャージで,路面にチーム名がプリントされている(笑)。

 この状態になっても不思議なことに「何でこんなバカなことやってるんだろう,..」といった類いの愚痴めいたものは出ない。自分でも不思議なのだが,今まで「とれとれバイク」やら八代正氏の「ウルトラ 100km」などのイベントで,この手の過酷な状況に対する,かなり高い耐性が身に付いているようだ。こうした非日常的な体験をしている自分を,面白がっている第三者的な自分を意識することがある。基本的に「M」体質なのかも知れない(笑)。

 それにしても暑くなってきた。海沿いの農道を走り,ようやく PC11(往路の PC1)に到着。ここでスタートから13回目になる食事を摂る(補給過剰かも)。おろし蕎麦を食ったが,この段階でも,うま~い(笑)。さて,残り 50km 弱だ。ここから先はキューシートは必要なし。意識もシャキッとしてきた。

相馬(PC11) → 名取(サイクルスポーツセンター)601.7km,am 11:00

 ようやく眠気も消えた。スピードは 25 - 30km/h 程度。ところで,...

 400km を越えた辺りから,尻が痛くなってきている。汗っかきのせいで,レーパンに塗り込んだアソスのシャーミークリームは既に流れてしまっている様子。そうならないようにと折り返し辺りから尻とレーパンに他の薬を塗り込んだりしていたがダメだったようだ。とにかく尻が靴擦れのような状態になっていることがわかる。サドル上での尻のポジションは,ピンポイント状態。少しでもずれると猛烈に痛い。何かの拍子にダンシングをすると,この位置がずれるために,猛烈な痛みが走るため,走りながらレーパンを少しずつ引っ張りながら,尻を上げたり降ろしたりしながら,痛みの来ないポイントに尻をずらして行く。この尻の痛みに関しては,折り返しでレーパンを履き替えるという方法もあったように思う。

 さらに,長時間に渡り,ブレーキブラケットを握っている指の股もかなり痛んで来ている。特にフロントのチェンジをする左手が痛い。折り返しでグローブを換えたのだが,それでこの程度で済んでいるのか,効果はあまりなかったのか判然としない。走りながら,「いっそのこと,フロントだけシフトレバータイプにしたらどうかな?」なんてことも考えていた。リアは比較的頻繁にチャンジするものの,フロントはそれほどでもないので,シフトレバーの方が手へのダメージは減らせるかも知れない。それにしても,そもそも,STI レバーなんぞ,この距離の走行には不要じゃないのか?

 それと今回は折り返し点でシューズの中敷とソックスも換えた。これはかなり有効なようだ。シューズの中で足底の当り面が微妙に変わるので長距離での足底へのダメージが軽減できてるようだ。持病ともいえる腰や頚などは 200km 程度からずっと同じような状態で,悪化することはなかった。痛み止めの服用は2回。これが効いたのかどうかはよくわからなかった。一方で,右の肩がひどい凝りで,痛みすら伴ってきている。まあ,600km も走れば,それなりにダメージは来るだろう。むしろ,想定したダメージよりも軽い。この程度で済んでよかったと言える。

 最後の松林ロードも終わり,農道をグルッと走り,やたらに混雑している名取 CSC に入る。車が一杯の駐車場をグルッと回ってみて,ランドヌール宮城の鈴木さん発見。終わった。完走である。時刻は午前11時。35時間。復路に 19時間程も掛かった。平均で 16km/h 程度しか出ていない。もう少し巧く走れば,2時間くらい短縮出来たようにも思う。とにかく登りが多かったという印象がある(でも,昨年の 600km に比べれば,コースは大分楽になったらしい)。登坂に強くならないと,こういったコースの時間短縮は難しい。さらに仮眠を取る技術ももう少しなんとかしたい。そうした課題を残しつつ,いずれにしても,今年前半の最大の目標にしてきたイベント終了である。

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 近くの松韻荘(だったかな?)の風呂で汗を流した。尻が猛烈に痛い。風呂から出て,さっぱりしてサイクリングターミナルの3階の部屋に行ってみると,集団で走っていた6名が既に到着していた。お疲れさまでした。昨夜は6時頃から10時半頃まで仮眠を取ったらしい。復路も 13時間程度でクリアしているようだ。やはり,きちんと休憩や仮眠を取ることが所要時間短縮のポイントなんだろう。でも,やっぱり,条件の整っていないことの方が多いような気がするので,今回のような仮眠の取り方にも慣れておく必要がある。使い分けがポイントだ。

 実家までの 30km 程度なら仮眠なしでもなんとか運転できるだろうと名取 CSC を辞した。が,やはり 600km のダメージはそれなりで,途中で意識が飛びそうになり,2度ほど停車して気分転換をする羽目になった。最近,あ,やばそうという感じが分かってきて,きちんと危険回避できるようになってきている。途中の松林の中で,向こうから走ってくるS氏発見。おめでとう。これで SR だ。実家に着いて,軽く食事して4時間ほど寝た。大分すっきりしてから出発。7時前には帰宅できた。

エピローグ

 走る前は,これを完走したら,大きな達成感を味わえるだろうと思っていた。しかし,走り終えてみれば,なぜか達成感は今一つ。もっと全てを巧くコントロールして走りたい,走れたはずだという思いが残った。もう少し効率のいい仮眠の取り方が出来ていれば,もっと楽に走り切れたと思う。暑さもそれなりに堪えたが,一番の敵は睡魔だったように思う。脚の方は全く問題はなかったと思う。私にとってブルベというのは,「制限時間を目一杯使って愉しむ長距離サイクリング」ではなく,「ある程度の苦しさを伴った長距離の無伴走個人タイムトライアル」という位置付けのようだ。昔,ニューサイクリング誌に掲載された戸田真人氏の佐田岬(鹿児島)から宗谷岬(北海道)までの 2664.3km のタイムトライアルの記事(ニューサイクリング,1987, 12 月号,1988, 1月号)を読んで,驚くと同時に感動した経緯がある。彼のようなチャレンジは無理としても,質的に同じような経験をしたいという思いがどこかにあったのかも知れない。そういった思いが,走っている途中の辛さのようなものを全て受け入れられた理由のような気もしている。いずれにしても,長距離走の愉しみの扉はまだ開かれたばかりである。

 最後になりますが,今回のコース設定から開催に至るまでの運営をして頂いた AJ 宇都宮およびランドヌール宮城のスタッフの皆さまに感謝致します。素晴らしいコースでした。あれだけ変化に富んだコースを設定していながら,きちんと 50km ごとに現れる PC は感動ものでした。また,素晴らしく完成度の高いコマ地図型キューシートでした。一人で,暗闇の山中でも全くミスコースすることなく走ることが出来ました。そして,途中一緒に走って頂いた土田さん,他の2名の方々(すいません。お名前訊くの失念しました)に感謝致します。さらに,すれ違った皆さん,同じ時間にコースのどこかで頑張っている参加者の皆さんからも力を分けてもらったように思います。加えて,素晴らしいライトを製作して頂いた西井さんにも感謝致します。電池切れの心配のない強力な光は夜間走行の際の大きな力となってくれました。以上,全ての方々に感謝します。ありがとうございました。

 あ,最後の最後に,ビールジョッキ片手に遠く米沢の地から声援(?)を送ってくれたチームホシのチームメイトにも,...取り合えず,ありがとうです(笑)。

 最後の最後の最後に,村上春樹の言葉を引用しておこう。彼が,100km マラソンを走っての感慨のようなものが記してある。それは,

『100キロを一人で走りきるという行為にどれほどの一般的な意味があるのか,僕にはわからない。しかしそれは,「日常性を大きく逸脱してはいるが,基本的には人の道に反していない行為」の常として,おそらくある種とくべつな認識を,あなたの意識にもたらすことになる。自己に対するあなたの観照に,いくつかの新しい要素を付け加えることになる。その結果としてあなたの人生の光景は,その色合いや形状を変容させていくことになるかもしれない。多かれ少なかれ,良かれ悪しかれ。僕の場合にもそのような変容はあった。』(「走ることについて語るときに僕の語ること」)

 「100キロ」を「自転車で600キロ」と置き換えてみても,まったく同じことが言えるだろうと思う。小さな一歩を踏み出せたことに感謝したい。

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 帰宅後は,ご褒美として,タンパク質(焼き鳥)とビール,さらに炭水化物としてパスタ大盛り(笑)。

2020年12月22日 (火曜日)

へばなさんが逝った(泣

 また,一人,自転車の知り合いが星になってしまった。宇都宮のへばなさん。一昨日の 12/20 のことだったらしい。11月半ばまでのブログでお身体がかなり深刻な状態であるらしいことはわかっていたが,あまりにも急だった。

 なでら男がブルベを始めた頃に,「宇都宮に凄い人がいる。なんでも,ママチャリで SR を狙っているそうだ。すでに 200, 300, 400km は完走して,残りは 600km で今度の宇都宮〜名取を走るそうだ,..」なんて話を耳にした。へ〜,ママチャリで 600km かぁ,凄い人がいたものだ,..なんてボーッと思ったくらいだったが,..。

 そして,なでら男も参加した初めての 600km ブルベ。名取のサイクルスポーツセンターをスタートして宇都宮森林公園を往復する 600km のコース。AJ 宇都宮(だったか?)との共同開催で,同じコースを宇都宮と名取スタートで走るというものだった。深夜にスタートして明るくなった頃,確か小野町の先の方だったと記憶しているが,前方からママチャリでかなりのスピードで走ってくる方がいた。それはへばなさんだった。とてもママチャリで 600km を走行中のスピードではなかった。

 へばなさんがママチャリで SR を達成して以降,何人かの方がママチャリで SR を達成されているが,やはり,できるかできないかわからないことに最初にチャレンジしたへばなさんは偉大だった。できるとわかってしまえば,後の追随はそれほど難しくはない。

 以来,宇都宮ブルベで毎回顔を合わせ,なんだかんだと世間話に興じるようになった。噂では,若い頃から自転車競技に打ち込んで,かなりのレベルまで行かれたとのこと。自転車店顔負けの技術と知識を持ち合わせた方だった。AJ 宇都宮のスタッフをされていたこともあって,宇都宮〜寒河江とかのブルベの試走途中でお会いして差し入れを渡したこともあった。

 なでら男が手術してブルベから事実上の引退をした後も,へばなさんは一年に一度は宇都宮〜寒河江などのコースを自主ブルベで走ったり,試走で走ったりしていたので,何度かコース上で待ち構えて差し入れを渡したりした。最後に会ったのは,3年前の試走途中の白布峠手前だったらしい。

 きっと今頃は痛みも無くなった身体で天国を疾走している事だろう。跨っているのはやはりママチャリだろうか?へばなさん,あなたはなでら男にとって常に偉大な先達であり続けました。いずれ,なでら男もそちらに行くので,その時は一緒に走ってください。大変お疲れ様でした。安らかに!

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 3年前,在りし日のへばなさん(米沢市関の信号のところ)

2019年9月23日 (月曜日)

今日の運動と天気09/22/19【実家で墓参り】

 起床は5時過ぎ。外を観ると雨は降ってない。台風が来ていて,今日明日は天気が悪いようだ。

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 う〜む,明日のフライトは,...

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 庭には,**ギクが咲き出した(また,名前忘れた)

ーーー

 出かける前のローラー54分,21km。勾配負荷3%,ケイデンス 75 - 80rpm で。ブエルタの18ステージ。一級山岳が4つ組み込まれたステージ。新城が逃げを試みるも集団がそれを許さない。最初の山岳に入った辺りで終了。

ーーー

 9時半前になでら次女を乗せて実家に向けてゴー。愛菜館で土産のブドウと花を買う。七ケ宿に入ると,トンネルが片側交互通行になっている。なんぞ?と思ったら,グル麺ライドなるイベントだったようだ。高畠を出発して二井宿峠を越えて白石の材木岩辺りで折り返すのだろうか?その間にラーメンやら蕎麦やらを食べるというサイクリングイベントらしい。しかし,連休の中日とあって交通量は多く,コースがイベントとしてはあまりよくない印象が,..。

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 トンネルは片側を自転車専用にして,車は片側交互通行である。結構な時間,待たされる。

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 走行中はこんな感じだった。先頭に近い辺りでは集団の人数がそこそこ多く,後続の車も抜くのに困っているケースが見られた。こういうイベントの場合,できれば最大でも5人程度(望ましくは3人程度)の集団になってもらいたいものだ。そして,それ以上に問題なのは,車の運転手が自転車の追い越し方をわかっていないということ。対向車が来ないところまで自転車のスピードに合わせて走り,対向車が来ないことを見計らって,対向車線に出て自転車と十分な車間を取って素早く追い越してもらいたい。自転車ギリギリを抜ける車やら,ブラインドカーブで対向車線に出てきて抜こうとする車がいて,思わず「バカか!?」とクラクションを思い切り鳴らしてしまった。自転車サイドも後続の車に手信号とかをする配慮が欲しいなぁ。まだまだ自転車後進国なんだから,この手のイベント開催は大変だよね。知り合いも何人か参加されていた様子。

 実家に着いて,雨の降る前に墓参りを済ます。どちら様か知りませんが奇麗な花をありがとうございます。そのまま大河原のもちぶた館に行って昼飯にする。なんだか,凄い混雑で大分待たされた。初めてかな?こんなに待たされたのは,..。

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 ポークカレーなんてものを食べてみた。そこそこ美味しい(笑。そして,お袋の天丼の残りが来て,腹一杯に(苦笑。

 実家に戻り,軽く昼寝。4時少し前に実家を辞去。帰り道はそぼ降る雨の中。七ケ宿の湯原宿を過ぎるときにどうしてもシロがいた辺りを眺めてしまう。主のいなくなった小屋だけがぽつねんと置かれていて寂しい限り。5時半過ぎに帰宅。

 帰宅してすぐに,アイルランド vs スコットランドの試合を観戦。いや〜,アイルランドの FW の凄まじさ。樽に手足を付けたような体型。そして,スコットランドの攻めをことごとく潰す。さすがに,世界ランキング1位。ここと日本が今週末にやるのね。今まで一回も勝ったことがないというけど,それもうなずけるというもの。

2017年5月20日 (土曜日)

今日の運動と天気05/20【実家巡りのあとは星撮りしつつブルベの試走を待つの巻】

 目覚めたのは6時過ぎ。まだ眠い。少しだけ昨夜の撮影データの処理など。結局,外には出ず。今日は両方の実家を巡る。予想最高気温は 30℃ほど。まだ5月なのに,..。

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 出かける前のローラー55分,25km。勾配負荷3%,ケイデンス 80 -88rpm で。発汗量が半端ない。

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 9時前に出発。途中で買い物などしつつ。景色も今一つピンと来なくて写真などは撮らず。ひたすら低燃費走行を心掛ける。その結果,..

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 驚きの数値が!!

 お袋は元気だった。

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 ばーちゃんの手仕事も順調そうだ(笑。今度もらって帰って,どこかに横流しして小遣いを稼ごうかという話しになった(笑。

 落ち葉で詰まった雨樋を開通させるという簡単な仕事の後で,街まで出て昼飯を。最近の定番の「中華料理 かずき」である。なにしろ,安くて量が多い。味もそこそこである。

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 海鮮あんかけ炒飯である。アホかというほどの分量。で,例によってお袋の半分残しまで片付ける羽目になったので,お陰で腹一杯に!

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 ペコちゃん見ながら買い物をして,実家に戻って軽く昼寝して,2時過ぎに今度はなでら女房の実家へ向かって移動開始。

 国見のところで「道の駅・あつかし」に入ってみるかという話しになったが,渋滞していたのでスルー。直でなでら女房の実家へ。お土産のワラビを渡して,なんだかんだと話をしてから5時前に辞去。6時前に自宅到着。なんだか,往きも帰りも運転席側が直射日光で炙られ,なんだか変な疲れが,..。面倒になったので晩飯は「阿波屋」さんへ。

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 まだ,メニューは開始してないのだが,ちょっと我が侭を言って,冷たい正油ラーメンを頂く。いや〜,暑い一日の後では殊更に美味い!山形などの,いわゆる「冷たいラーメン」とは少し違っていて,「冷たいラーメン」が苦手ななでら女房も気に入った様子。ご馳走さまでした。

 さて,今日はこの後,ブルベの試走をしている知り合いの迎撃が待っている。なんでも,なでら男も4年前に走ったコースの復刻版とか(往路編復路編)。白布峠の上で到着を待つ積もりである。星撮りの機材を積んで,差し入れを買い込み,7時頃にブルベのコースを辿って白布峠に向かう。予定では6時から7時頃には登りに掛かるということだったが,..。結局,出会えぬままに錦平到着。ここで,星の撮影をしながら待つ積もりだが,なんだか星空が今一つクリアでない。PM2.5?クリアに晴れていれば,気温がかなり下がるはずなのに,寒くないし,車のウィンドウに結露もしない。星空も全体的にボーッと明るい感じ。

 まあ,でも,やってみるかと登り始めたさそり座とか夏の大三角とかを写す。本当は望遠レンズでケフェウス座の系外銀河に出現した超新星とやらを撮ってみようかと思っていたが,望遠レンズを忘れるわ,EQ5 GOTO の使いこなしがまずくて極軸合わせが出来ないわ,..なので,スカイメモとナノトラッカーのみの撮影に。

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 X-T1 とオールドロッコールとの組み合わせにもう一度チャレンジした結果。さそり座の頭部付近。青い馬もうっすら写ったが,技術がなくて炙り出せない。

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 さそり座の頭部からバンビの横顔付近

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 夏の大三角

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 白布峠の天の川。もっとギラギラ写るはずなんだけどなぁ。

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 米沢の夜景の上に浮ぶカシオペア座の「W」の文字(笑

 さて,なんだか空の状態も今一つのようだし,知り合いはいつまで待っても来ないし,..ということで降って行けば出会えるかもということで0時前に撤収。ず〜〜っと降って行ったが,結局出会えないままに関の交差点まで来てしまった。ふと前方から特徴的な明るいライトがユラユラと揺れながらこちらに向かってくるのを発見。いや〜ようやく出会えた。時刻は午前0時ちょっと過ぎ。

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 お久しぶりですね!お元気そうでなによりです。予定よりも5〜6時間ビハインドとのこと。もう,全然走れないとか。いやいや,走っていること自体が奇跡ですよ。走る伝説のご尊顔を拝し奉り,恐悦至極にございます!いろいろと四方山話をして,20分も足止めしてしまった。これから深夜の白布峠越えをするへばなさんの安全を祈念しつつ見送った次第。

 帰宅は1時過ぎ。そこからまた軽く一杯やって寝たのは2時過ぎ。

2017年4月14日 (金曜日)

今日の運動と天気04/14/17

 起床は5時過ぎ。一度4時頃に目覚めたが,なんだか妙にダルネム〜ってことで二度寝。外はまた一晩晴れていたようだ。月さえなければ,絶好の撮影日和だったなぁ。晴れたお陰でまた氷点下に。なでら女房が起き出して朝御飯の支度が出来るまで,朝一講義の予習やら,カメラぶら下げてのママチャリ散歩やら,..。

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 5時過ぎの西吾妻

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 残月と斜平山

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 祝瓶山と大朝日岳

ーーー

 朝飯後にローラー30分,14km。勾配負荷3%,ケイデンス 80 - 84rpm で。ボーネンの引退レースに触発されて,ボーネンがアルカンシェルを着てパリ〜ルーベに勝った 2005 年の録画ビデオを観る。解説が懐かしい「鉄人」こと小林徹夫氏。懐かしいなぁと眺めていたら,20分過ぎ頃からどうにもお腹の調子がおかしくなった。なんとか我慢しつつ,50分くらいまではと思っていたが,..30分で我慢できずにトイレに駆け込むことに。それで終了。やれやれ。昼休みに1時間くらい回すかなぁ。

ーーー

 朝一講義は物理化学 I である。二つの学科の二年生に対する合同講義で約 150 名の受講生。大教室で黒板も位置が高く,背伸び状態で板書を続け,大汗かきつつなんとか予定の分量をこなした。来週から本格的に始まる熱力学の内容の前に,基本的な言葉の説明などを。

 今週もこれで決まった業務は終了だ。久しぶりの講義モードでなんだか少々疲れた。そんな訳でお昼は「一心太助」へ。

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 本日の日替わりランチは,豊後水道産のモンゴウイカの天丼。大きな海老の天麩羅と野菜の天麩羅も乗った贅沢な丼。モンゴウイカの身の甘味と海老天のプキッとした気持ちのいい歯触りが絶妙。半分を残して天茶漬けで頂いた。美味しゅうございました。大変ご馳走さまでした。

 午後は学会の雑務(結構,時間取られるなぁ)をこなしたり,来週の火曜日の講義の資料を読んでみたり,卒論,修論の実験について考えてみたりと,比較的マッタリと過ごす。

 夕方は早めに帰宅。今週から講義が本格始動して,週三回の90分講義は久しぶりなので,少々疲れを感じた。これが夏まで続くと思うと,結構シンドイ。

 最近,自転車からは遠ざかりつつあるが,宇都宮の「へばな」さんが今度ブルベ 600km の試走に出るとか。コースは,2013 年になでら男も走った,宇都宮〜寒河江往復の 600km である。ご興味のある方は,往路編復路編などをご参照頂きたい。上手くお会いできるようなら差し入れなどしたいものだ。それにしても,読み返してみると懐かしいなぁ。そういや,この後で夏に入院、手術を経験したっけ。あの入院生活も人生観というか,考え方に大分影響を及ぼしているような気がするな。

2016年5月24日 (火曜日)

【過去記録】グルットォキタ〜マ完全版(2009/7/20)

グルットォキタ~マ完全版

2009/7/20(Mon)

なでら男@team_HOSHI

グルットォキタ~マ完全版のルート (ルートラボ)

 その, その2, その3


 6月7日に,こんなコースにチャレンジしてみた。何ということもなく走り切れた。惜しむらくは,なんとなく時間がないような気がして正規コースから外してしまった,稲子峠と鳩峰峠。今年のうちには是非,この二つの峠を入れた完全版を完走しなくてはならない。でも,このコースは 300km ほども距離があり,しかも,獲得標高が 5000m オーバーということもあって,日の長い時でなければ明るいうちの走行はとても無理。となれば,チャンスは7月まで。ということで,...

グルットォキタ~マ完全版

~愛称:『死して屍拾うものなし』ライド~

  日  時:平成21年7月20日(月) 午前4時半スタート
  集合場所:米沢市愛宕コミュニティセンター(米沢市古志田町76-3)

  コース:米沢市愛宕コミュニティセンター(スタート)~船坂峠(旧道)~綱木峠~綱木ダム~中山峠(実際は丘)~
      螻尾峠~東沢~新蔵峠(仮称)~菅沼峠(仮称)~九才峠~極楽峠~百子沢峠~樽口峠~小玉川~新田橋~百子沢峠~
      子持トンネル~叶水トンネル~桜峠~R113~新宇津トンネル~手ノ子~飯豊小白川~置賜西部広域農道~白鷹~
      パレス松風~県民の森~村山西部広域農道~上山~楢下~金山峠~R113~湯原宿~稲子峠~稲子宿~R399~鳩峰峠~
      ぶどうまつたけライン~ R13 ~ 水窪ダム~ 関根~南原~米沢市愛宕コミュニティセンター(ゴール)
      (距離:290km,獲得標高差:おおよそ 5300m)

  注意事項:スタートは一緒ですが,後は勝手に走ってください。遅れても待ちませんので,
       参加者それぞれが自己満足の走りに徹してください(笑)。持ち物は各自で判断すること。
       また,樽口峠付近以外なら,どこで止めても 20 ~ 30km ほども走れば市街地に戻れるコースなので,
       ダメだと思ったら勝手に帰って下さい。いなくなっても,探したりはしませんので(笑)。

 なんて,企画を立ち上げた。「グルッと置賜」では,何かダサい(死語?)ような気がしたので,イタリア語風の雰囲気を醸し出してみた(爆)。さらに,AJ 宇都宮の真似をして,愛称まで付けた(笑)。なかなか云い得て妙で,このコースの特性をよく表現しているようにも思うんだが(笑)。

 さて,上のような書き込みをしたものの,最近,弱体化したチーム員から手が挙がることは期待できない(:-D)。寂しい限り。ま,誰もいなけりゃいつものように一人で走るから全く問題ない。毎日暑く,呑んだくれ状態が続いており,それなりに調子を落としているので,上記イベント,果たして走り切れるのかどうか,些か不安な面もある。以前に同じようなコースを走った時は6月初めで,2500km も走った5月の絶好調を継続している時期だった。さて,あれから一月半ほど経って,何がどう変わっているのか,..。なんて考えてたら,山形在住のブロック屋さん,米沢のあおき君から,参加のメールを貰った。奇しくも,宮城ブルベ 300km の時の PC3 からの集団のメンバーである。

 当日は2時半起床。その前日に実家まで 110km ほどを走り,何をトチ狂ったか,18% の坂なんてものも登ったりしている。正直疲れは取れ切っていない。でも,走る。オッサンの耐久性は高いのである(笑)。4時25分に自宅を出て,集合場所の愛宕コミュニティーセンターに向う。

子持トンネル付近で子グマのプ~さんに出会う

 道を一本間違えたとかで若干遅れてブロック屋さん到着。あおきくんに電話したが,寝過ごしたとかで綱木ダム辺りで合流するとのこと。

 午前4時40分に朝焼けを眺めながらのスタート。船坂峠は旧道をチョイス。こっちの方が峠らしくて好きだ。綱木峠はやっぱり何度登ってもそれなりに辛い。この峠は登るに従って勾配がきつくなる。所々に 10 ~ 12% ほどの箇所もある。道はさっきまで降っていたかのようなセミウェット状態。今日はのんびり写真を撮るような時間はないし,面倒なので画像は一切なし。ロングに慣れ切った,このメンバーでも,今日のコースは最後はナイトランの可能性があるので(笑)。

 ウェットで滑りそうな峠を慎重に降りて,綱木ダムの蟹屋敷トンネルであおきくんと合流。中山峠,螻尾峠,新蔵峠,菅沼峠,九才峠,極楽峠,百子沢峠,樽口峠をクリア。8時少し前に叶水酒店でコーラを補給した以外はノンストップ。9時過ぎに到着した展望駐車場からは生憎山は見えず。ここまでで 92km ほど。ここまでは曇で,今にも降り出しそうな空模様。

 小玉川から新田橋,そして再び百子沢峠(こちら側からのこの峠は何気にきつい)。やっぱり,登りは他の二人に比べて一段力が落ちるので,苦しいし,僅かに遅れ気味になる。

 降り切って,今度は子持トンネルへ向う。この辺りから晴れ間が出てきた。この距離とアップダウンでは暑くなると補給が難しい。水分と塩分(塩飴を沢山ポケットに持参)はコマ目に摂り続ける。セッセと登りつつ,前方に目をやると,右前方のガードレールの下辺りに犬ほどの大きさの黒い生き物がモソモソと動いていた。なにかいな?と思いつつ近づいていくと,あれ?子グマ? 向こうもこちらに気が付いたらしく,目が合った(笑)。子グマは慌てて草むらに逃げていった。他の二人に「クマだよね? 今のクマだよね?」と思わず叫ぶ(笑)。二人とも「クマだった。親グマが近くにいるだろうね」と。いや~,生まれて初めて野生のクマを間近に見られて,本日は実り多いサイクリングとなった(笑)。

 子持トンネルを越えて,さらに叶水トンネルを抜けて,そのまま県道15号を進む。前回は左に進路を取って,R113 の走行距離を増やしてしまって,えらいストレスを感じた。で,横川ダム本体への道(R113 はこっちの標識あり)には左折せずに,そのまま直進。行きなり始まる10%近い勾配。桜峠もそれなりにきつかった。降って(結構長い),R113 に合流。ここから新宇津トンネルを越えて,手ノ子から県道10号へ。

 飯豊町役場のところのセブンイレブンで最初の休憩。ここまで 147km で7時間弱。カップ麺とおにぎり2個(一個100円セール実施中)を補給。約 30 分ほども休んでしまう。休み過ぎか,.。ブルベでも PC が10箇所あったら,各 PC で10分休憩を少なくすれば,100 分の貯金が出来ることになる。

 ここから置賜西部広域農道のアップダウンを走り白鷹へ。パレス松風の登り(この登りって,何回登っても「余計な登りだな」と思う)をクリアし,いよいよ県民の森越えに掛かる。長い登りでは二人に付いていけないので,先に行ってもらい,こちらはマイペースで登る。ピークで亀の口から流れる水をボトルに詰めてから降る。

 降り切って右折。村山西部広域農道へ。ここで約 200km ほどで,経過時間は10時間弱。気温が上がってきて,発汗量が増えて,少々脱水気味か,..。上山のセブンイレブンで2度目の補給。おにぎり,惣菜パン,コーラを補給。ここで午後3時少し前。前回は,金山峠を越えて R113 に合流した時点で午後4時10分だった。今回は少々時間が掛かっている。やはり,暑さのせいか。

 3時過ぎにスタート。楢下付近を追い風に助けられて,それなりのペースでこなした。電光掲示板の温度計は 29℃を掲示。金山峠に掛かったのは3時半過ぎ。ここでも二人には先行してもらって,こちらはマイペース。腰の痛みはあるものの,同じような状態がずっと続いている。2~3キロ以上続く登りでは,踏み込み時に足の指などがしびれるような感じになってきた。二人から少々遅れて峠着。

稲子峠では子ギツネコンコンと出会う

 R113 に合流したのは午後4時10分。ゲゲゲ,オンタイムだ。@o@/// 測ったように,前回と同じ時刻。ブロック屋さんに,「どうします?」と訊けば「行きましょう」とのお返事。では,稲子&鳩峰峠へと向いましょう。

 湯原宿を過ぎて右折。稲子峠は最大で 14% 近い勾配があって,距離は短いものの,それなりに辛かった。降ってきて稲子宿手前で,前方を逃げていく子ギツネを発見。昔の教科書に載っていた,ゴンギツネのイラストそっくりでなかなか可愛い。今日は野生動物の子供を見る日なのか。そんなこんなで稲子宿に到着。ブロック屋さんが口にした「初,稲子!」で,なぜか,イナゴの佃煮を初めて食べることを連想した(笑)。

 右折して R399 を鳩峰峠に向う。先だって,工事中だった道路は奇麗なアスファルトになっていた。さすが,国道(:-D)。ここは,もう,全員それなりに脚に来ているので,ほとんど流しのペース。なぜか,福島側に降りてくる車が多数。5時10分に峠着。風がさわやかで気持がいい。

 降る途中の水場でボトルに水を詰めて,一気にダウンヒル。降るに従って気温と湿度が上がるのがわかる。降り切って十字路を左折。ぶどうまつたけラインに入る。木の切り株にかぶせられたパンツ(?)やら,崖下に墜ちている車などの「ぶどうまつたけライン名所」(?)を見物しながら峠をクリア。

 ダラダラ登る R13 手前でヤケクソでスピードを上げてみた。まだ,エネルギーが余っているような感じだったので,完全に使い果たしておこうという趣旨で(笑)。R13 に合流して,栗子方面に登り始める。交通量がべらぼうで怖い。こういうところを走ってみると,幹線国道主体のブルベなんて走る気にならんぜ。

 水窪ダムのアップダウンをこなして,関根に降りて,7時少し前。あとは,軽いギヤでクルクルと脚を廻しながら7時過ぎに夕焼けを眺めながら愛宕コミュニティセンターに到着。14時間25分,292km だった。おおよそ予定通りの時刻。距離とプロフィールを眺めると,到着時刻がほぼ±30分で予想できるようになった(笑)。きついアップダウンのある 200km 以上の距離があるコースなら,ほとんどの場合,休憩を含めた所要時間を 20km/h で計算できるようだ。

 Forerunner305 は残念ながら途中で電池切れ。切れたところまでのプロフィールマップは以下の通り。最後の 20km 分が切れている。

Prpfile720

 で,これはブロック屋さんのブログから拝借した走行ログ(勝手に掲載,スンマセン)。やっぱり,百子沢峠付近の一部重複コースが美しさを損なっているなぁ。なんか,細胞分裂時のくびれを連想させて,「ここは余計なんだよ」という声が聞こえそう(笑)。赤線のような繋ぎ方もアルかなと考えているけど,..。でも,これだと,獲得標高が 400m ほども少なくなりそうだ(爆)。

Log from block

 ちなみに,Forerunner 305 のログは,以下の通り。青の矢印は,いわゆる,「峠」およびそれに準ずる場所。

Log072009

【過去記録】グルッと置賜ロングライド(2009/6/7)

グルッと置賜ロングライド(仮称) 

2009年6月7日(日)

なでら男@Team HOSHI


Prologue

 ある日の昼下がりの星輪店。アラカンとアラフィフの暇なおっさん二人がお茶を啜りつつ,くっちゃべっていた。内容は,「グランフォンド飯豊もいいけど,もっと峠を入れてきつくて長いコースに出来ないかねぇ?」というもの。チームホシ内のM企画担当としては,獲得標高 2500m 程度のぬるさでは満足できなくなっているのである(笑)。アラカンオヤジ曰く「グランフォンド飯豊のコースを白川ダムまで戻ってきて,そこから飯豊町の方に行って葉山の山麓を走り,白鷹から県民の森を越えて,さらに金山峠を越えて,七ケ宿に出て,稲子峠と鳩峰峠を通って高畠に戻って,ぶどうまつたけラインを走って水窪ダムに出て,そこから船坂,綱木峠,中山峠と繋げば 300km くらいになるんじゃねぇの?」と。ほほお,なるほど。適当に距離をチェックするとほぼ 320km ほどだった。名付けて『グルッと置賜ロングライド』。よ~し,酔狂な企画だけど,まずは走ってみるか,ってのがおバカ企画の始まりだった。

どうせ,誰も付き合ってくれないだろうから一人で行く

 起床は2時40分。外の雨音を認識し,即二度寝に落ちた。で,3時30分頃に再び覚醒。やばい,寝過ごしたと思ったけど,雨はまだ止んでいない。天気予報と違うじゃないか。行こうかどうしようか迷ったが,天気予報の「次第に回復」を信じて,予定から1時間遅れの5時スタートとした。結局,この1時間の差が,完璧フルコースを走り切ることが出来なかった原因となった(悔)。

 予定したコースは,グランフォンド飯豊+置賜周辺のアップダウン(一部隣県も含む)である。実際に走ったコースは,自宅~船坂峠(あえて峠と言ってみる)~綱木峠~中山峠(これも実際は丘だが)~螻尾峠~新蔵峠(仮称)~菅沼峠~九才峠~子持トンネル~百子沢峠~樽口峠~小玉川~百子沢峠~子持トンネル~叶水トンネル~R113~飯豊小白川~置賜西部広域農道~白鷹~パレス松風~県民の森~村山西部広域農道~上山~楢下~金山峠~二井宿峠旧道~ぶどうまつたけライン~ R13 ~ 水窪ダム~ 関根~自宅周辺をグルグルでクーリングダウン~自宅,の総距離 287km,所要時間 13時間30分,Ave. 21.3km/h,獲得標高 5000m ほど。残念だったのは,時間の関係で稲子峠,鳩峰峠がコースから外れてしまったこと。痛恨の極み(笑)。それと,小玉川から飯豊山荘までの往復ルートは少々趣旨が異なるために加えなかった。そんな訳で,当初調べた時よりも距離が短くなった。

雨の中,サドル上で「止まない雨はないぜぇ~~~!」と叫んでみる

 5時ジャストにスタート。路面はハードウェット。フロントホイールから巻き上げられた水しぶきがシューズを濡らす。てっきり上がったと思った雨は,いまだ霧雨状態で残っていて,指ワイパーで時折眼鏡を拭ってやらないと前方が見えなくなってくる。レインキャップを持ってくればよかったと少しだけ後悔。晴れていれば気持の良い朝のサイクリングだが,この天気ではまさに「修業」だ。

 農道を走り,最初の船坂峠(実際は,丘だけど)を越える。交差点を直進して,関の集落へ。この時間では屋外で活動している人もまばら。その昔,参勤交代に使われた街道であり,関の集落には,宿場町独特の昔日の面影が僅かに感じられる。集落を過ぎると峠への登りが始まる。そぼ降る雨の中を一人寂しく登る(寂しいってのはウソだけど)。途中の勾配が急になる辺りで腰を上げると後輪が空回り。一箇所だけ工事中の場所があり,法面にブルーシートが掛けられていた。そんなこんなで峠着。降りはそこそこ慎重になる。制動距離が長い。水が跳ねる。降りに入ってしばらくすると,ほんの僅かの距離だが,舗装が剥がされてダートになった工事区間があった。後輪に泥除け付けてきてよかった。こんな状態で後輪からの「ウォシュレット攻撃」を受けたら,あっという間にレーパンびしょ濡れ&股擦れしまくりだぜ。綱木ダムまで降ると,ランドナーだかマウンテンバイクだかのサイクリスト発見。まだ6時頃だけど,どこに行くんだろうか?

 小野川温泉への分岐を逆方向に左折して,中山峠を越えて R121 に出る。すぐに右折して螻尾峠への登りに掛かる。十年以上前,朝練で毎朝のように登った峠道。今でも景色はほとんど変わらない。降って,ようやくグランフォンド飯豊の正規ルートの東沢小学校のところの十字路に到着。ここからはグランフォンド飯豊のコースをトレース。雨は霧雨から小雨状態になってきた。雲は相変わらず厚く,切れる気配がない。ったく,この雨,本当に上がるのかよ。

 農作業車が道路に落としていった田んぼの泥が,雨で流れ,タイヤで跳ね上げられて,膝から下は既にドロドロ(苦笑)。新蔵峠,菅沼峠と越えて白川ダムへ。白川荘の近くに来ると,妙な幟が目に付く。下の画像だけど,「ミネラルわらび園」ってのは,一体どんなものなんだろう? 「活性水素」とか「マイナスイオン」とかと同様の,妙なネーミングなのか? 九才峠への登りに掛かると,最初のコーナーのところのワラビ園が満車御礼状態。驚きつつ,よくよくみれば,どうも白川荘の宿泊プランで「ワラビ採り」のパックがあるらしい。そのお客さんだったようだ。それにしても,新潟,宮城,福島ナンバーなどよくこれだけワラビ採りに集まったもんだ(呆)。

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 峠からは延々と降る。次第に雨足が強くなってきたので胡桃平辺りで雨具の上下を着ける。上はカンパニューロの雨具,下は,セブンイレブンで買った 400 円ほどのカッパのズボンを膝から下をカットしたもの。が,やはり,この程度のものの流用では具合が悪い。どこかが引っ張られていて,ペダリングがスムーズにできない。妙なところが擦れる。小さな負荷を掛けつつ走っているような感じ。今度の 600km ブルベに向けて雨具の下の部分もなんか考えないと。

 叶水酒店で走行距離は 70km ほどで,正規ルート+20km ほど。子持トンネルを越えた辺りで,雨は次第に本降りに近くなる。やれやれ。そのまま,雨具の上下を着けて走っていたが,あまりにもペダリングし辛いので,百子沢峠の途中で下を脱ぐ。暑いので,上も脱ぐ。幸いさっきよりも少しだけ小降りになったようだ。そういや,極楽峠の「全面通行止め」の看板と閉鎖ゲートが無くなっていた。工事は終わったのか? それにしても,雨の日のサイクリングは少々退屈だ。「『落石注意』かぁ。『隕石注意』なら面白いのになぁ」などとしょうもないことを考えるほどに退屈である。いくら雨に濡れた新緑が奇麗だといっても,2時間も3時間も眺めていればたいがい飽きる。なにか,雨の日の意識の持ち方を工夫してみるか(笑)。

 頻繁に現れる途中のワラビ園は,雨にもかかわらず大盛況の様子。そんなこんなで樽口峠の登りに掛かる。なんか調子が今ひとつで,勾配が急になると,途端に後ろから引っ張られているような重さを感じる。この先大丈夫かな? ようやく樽口峠着。まあ,雨の日も乙なものかな。スタートから 95km ほど? まだ 1/3 だよ。雨は降り続く。

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 展望駐車場に着くと,そこは満員御礼状態。すべてがワラビ採りの客。駐車場ではボトルに CCD と水を詰めて,おじさんと世間話をちょっとだけして,直ぐに出発。「どこまで行くの?」なんて訊かれたけど,なんて応えていいのかわからないので,「置賜の周辺をグルッと廻ってます」と。降って行くと,小玉川側からの登り口に料金所があった。なるほど,この山全体がワラビ園なのね。六斗沢の集落辺りで,一瞬陽が差したので,雨具を脱いだら,その5分後にはまた雨が落ちてきたのでまた着た。いい加減にしてくれ。微妙に空腹なので,降り切った辺りの店で食事でもと考えたが,9時台ではまだ開いていない,..。

 それにしても,この雨はいつ止むのか。新田橋までの下り区間で再び本降りになった時には,心底嫌気が差して来た。が,しかし,降る雨と当らない天気予報に苛ついても仕方がない。お役所(特に霞が関)と自然現象には巻かれてしまい,無抵抗主義を貫くのが賢い処世術だ。ってことで,「止まない雨はないんだぜぃ~~・・・♪」などと口ずさみながらの走行。

 子持トンネルまでの登りはかなりの雨足。脱いでいた雨具の下を再び(三度?)着ける。戻りの子持トンネルを越えて,九才峠に向おうとして,ふと考えた。九才峠でもいいけど,『グルッと置賜ロングライド(仮称)』なので,同じ道を二度走るのはできるだけ避けたい。ここ(叶水)からなら,R113 に出ることができる。心底,嫌いな道(南陽~村上の区間)だけど,新宇津トンネルくらいなら我慢できるだろう,と考えて,叶水トンネルを抜けた。しばらく行って,標識に従って横川ダムのなんたら館の方向に左折。これが間違いで,そのまま県道 15 を進むべきだった。お陰で R113 での走行距離が増えた,..。○| ̄|_

 しばらくアップダウンを走るとやがて R113 に出る。20年以上前に仙台~村上~鶴岡~新庄~鳴子~古川~仙台のツーリングをした時以来だ。昨年のブルベ 1000km では,雨降りの夜に,ここを走るのが嫌だというのが,リタイヤのひとつの理由だったほどに嫌いな道だ。今日は昼なので百歩譲って我慢して走ることにする。で,案の定,車は多いし,アホな運転手もそこそこいるし,トンネルだらけだし,不愉快なことこの上ない。新宇津トンネルを抜けた頃にはストレスで胃が痛くなってきた。

 ようやく飯豊小白川の信号で左折。ホッとした。そして,この辺りに来ると道が乾いている。でも,細かい雨が風で運ばれてきている様子。飯豊中学校近くのセブンイレブンで補給タイム。かなりの空腹で 700kcal ほどのカルビ焼肉丼やら調理パンやらをガツガツとお腹に納める。クエン酸の入ったジュースをガボガボッと呑んでスタート。ここまでで7時間で 150km ほど。ようやく,雨が上がった。この辺りから,油の切れたチェーンから音がし出した。小さなオイル入れを持ってくればよかったが,まあ,なんとかなるだろう。

いくつ目かわからない峠の途中で「終わりのない登りもないんだぜぇ~~~~~!」と叫んでみる

 しばらく走るとやがて置賜西部広域農道(別名:葉山山麓線,と勝手に命名)へと入る。ここがアップダウンを繰り返しつつ十数キロ(だっけ?)続く,まさに「鍛練のための道」。元気な時には,アウターでゴリゴリ登れる箇所も,150km 以上のアップダウンの走行後では大した脚も残っておらず,仕方なくインナーに入れてヨイショヨイショと登る。白鷹に入った辺りで,さっき,あれだけ食ったはずなのにハンガーノック時に感じるような眠気を感じ,慌てて,さっき買っておいたチーズケーキタルトなんぞを車上で補給。お,ちょっと,美味い。^^; 

 R287 に入り,直ぐにパレス松風への登りに入る。ここも2キロほどの登りで何気に辛い。降って,今度は「県民の森」越えのルート。イーブンペースで垂れることなく大沼付近のピークをクリア。ここで9時間ちょっと。降り切った辺りで,登ってきたローディーとすれ違う。なにやらえらくさわやかな笑顔で手を振ってご挨拶していただいたが,お知り合いだろうか? 誰だかわかりませんでした。降り切った辺りが約 200km 地点。

 信号を右折して,村山西部広域農道が始まる。「広域農道」と名が付くためには,きついアップダウンがあることが条件らしい。これから先のことを考えると,もう一度補給しておいた方がよかろうと上山のセブンイレブンで2度目の補給タイム。どこが楽しいのか理解不能なバカ話に盛り上がりつつタバコを吹かしているオネーチャンたちの脇にどっかと座り込み,これがオッサンの遊び方だ,よく見ておけと,おにぎりやら調理パンをガツガツと喰らう。グハハハ。* ̄∇ ̄*

 楢下の辺りは緩い登りと向かい風で少々辛い。スピードが出ない。気を抜くと 23km/h とかになっている。バーの下を持って気合いを入れ直す。ようやく金山峠入口に到着。ここまでで 220km ほど(かな?)。ここも不思議なことに 11 ~12km/h 程度で垂れずに登り切れた。頭の中では,「終わりのない登りなんてないさぁ~~~~♪」なんてフレーズが繰り返し流れる。一人で長い距離を走るということは,こういうことである。

 やがて,七ケ宿のところで R113 と合流する。実は,走りながらスケジュールをいろいろと検討していて,この場所に午後3時半頃までに着かなければ,稲子峠と鳩峰峠はカットして,二井宿峠を下ってぶどうまつたけラインに入ることを決めていた。で,時刻は4時10分。ここから稲子峠を越えて鳩峰峠まで2時間は掛からなくても,1時間半くらいは軽く掛かるだろう。ということは,鳩峰頂上でほぼ午後6時。ざっと計算すれば帰宅は8時頃。まあ,ライトもあるし,不可能ではないが,水窪ダム湖畔道路を暗くなってから走りたくない(怖いから)。そんなことで,ここはヒヨル。帰宅後の後始末の時間も確保したかったしね。

 二井宿峠旧道の降りは,なぜだか拳大から赤ん坊の頭くらいの大きさの落石がゴロゴロしていた。で,あるコーナーを回り込んだら,「おお,でっかい石がゴロゴロしてるぞ!」と一瞬思った。が,その落石のように見えた大きな灰色の物体はワラワラと動き出した。なんのことはない。20頭ほどのサルの群れだった。ちょっと魂消た。

 高畠まで降りて自販機でコーラを補給。自宅とセンチュリーを走り終えたはずの加藤さんに電話。その後,最後の峠とも言える「ぶどうまつたけライン」に入る。ここもまずまずのペースでクリアして,そのまま R13 へ。後ろからの大型車にビビりつつ,登坂車線の脇の左端をセッセと登る。ようやく水窪ダムの湖岸道路へ。高速道路の工事も進んでおり,景色が一変していて驚く。昔散々走った,懐かしいアップダウンを勢いでこなしつつ関根へ。

 ここからは平地のクーリングゾーン。負荷のかからないギヤでケイデンス 120rpm くらいでクルクル廻して脚のマッサージ&クーリングダウン。いっそのこと船坂をもう一度登って,小野川を回って,距離を 300km にしておこうかと思ったけど,自転車掃除の時間も確保したいし,面倒臭くなったので止めた。

 午後6時半に自宅着。なかなか充実した一日だったけど,...後始末が面倒だった。でも,これでコツがわかったので,外してしまった稲子峠&鳩峰峠を入れたフルコースでそのうちリベンジするぜ。

 で,食ったものは,カルビ焼肉丼,チーズケーキタルト,調理パン×2,野菜ジュース,レモンジュース,おにぎり×1,小さな羊羹×5,CCD ×3,だったかな。合計で,..3000 kcal くらいかなぁ。

 下が,プロフィールマップ。意外だったのは,このコースの最高標高が綱木峠(出だしの高いピーク)だったこと。

Ugf okitama

 で,コースのログは,以下の如し。やっぱり,同じコースを二度通る箇所があると美しくないなぁ(笑)。往路に極楽峠を通っても,百子沢峠のところはダブるんだよね。どうしようもないのか。飯豊町に入ってからの登りが今ひとつ甘いようにも思うんだけど,..。やはり,稲子峠と鳩峰峠は外せないか。あるいは金山峠をスルーして,柏木峠を通り,さらに鳩峰峠を越えて,稲子峠を越えて二井宿峠を下ってくると言うのもありか,..。あ,これもコースがダブるのか。二井宿峠旧道,鳩峰峠,金山峠,稲子峠を巧く組み込めないんだよなぁ。

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