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2020年12月27日 (日曜日)

【過去記録】2011 宇都宮山岳ブルベ三連戦の二日目

BRM717宇都宮200kmロマンチック片道【山岳】[3 to 1] 完走記

愛称:「踏猿 LIMIT OF POWER」ブルベ

2011年7月17日 am 5:00 Start ~ pm 6:06 Finish (13 h 6 m)

距離 203km,獲得標高 5310m

Map201107

金精峠を突破、そして渋峠!ランドヌールたちが初めて感じる限界と極限
 塩原山岳をクリアした連続参加者は、宇都宮・森林公園で新たな参加者たちとスタートラインについていたが、スタート後30kmから平均勾配11%の滝ヶ原峠の洗礼を受ける。ここで疲労をため込めば金精峠での大失速は免れないが、その先には、国道の最標高地点である渋峠が待ち受けていた。(AJ宇都宮 HP より引用)


キャッチコピー: 「脚が攣り 進めない。」

※ ブルベのタイトルにある [3 to 1] は,国道第3位の標高の金精峠から,国道第1位の標高の渋峠を目指すことの意味らしい。ちなみに,第2位は麦草峠。

Brm717 profile

二日目の朝

 起床は3時半。睡眠時間は4時間ほど。正直眠い。脚にはそれなりのダメージ。今日のコースのプロフィールマップを観て,今日の天気予報などを聞いて,完走できるものかどうか少々不安になる。それにしても,群馬県の沼田辺りは34℃くらいまで上がるとか,..。

 昨夜買っておいた朝飯をモソモソと食らう。5時スタート予定なので,時間的な余裕はほとんどなし。なんだかんだとバタバタと準備して,4時半頃には森林公園着。参加者の多くは,昨夜は森林公園に車を停めてあったので,ろまんちっく村からスタートして,鶴カントリーの激坂を朝から自走。でも,その方がアップになってよかったかも知れないなぁ。

P1080187

 今日と明日参戦のへばなさん登場。今回はシングルギヤのママチャリはやめて6段変速のマウンテンバイク(?)だとか。今日から参加の方々は,6時スタートなのかな?我々の方は,ブリーフィングは昨夜,既に受けているので,ブルベカードに必要事項を記入したら,車検を受けて,5時になったらスタート。少しスタートでもたつき,5分ほど遅れてスタート。

古賀志林道を越えて,県道70へ

 古賀志林道を登り始めると,前方から pokky 氏が戻ってきた。「どうしたの?」と訊ねると,忘れ物をしたとのこと。後で訊けば,宿に忘れ物をしたので,6時スタートに切り替えてもらったとか。

 今日はスタートから完全に一人旅。が,しかし,この方が今日のコースの場合には好都合だ。下手に誰かと走ろうものなら,ペースを乱してロクなことにならない。なるべく,脚を温存しつつ,タイムアウトにならないだろうと思われるペースを心掛ける。

 古賀志林道にはジャパンカップの痕跡である路面への応援メッセージ多数。しかし,この勾配をあの猛烈なスピードで駆け上がるプロの連中って,..。そんなことを考えながらピーク到着。

P1080188

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 林道を下って,県道70に出る。ここから先の金精峠までは既に3回目だ。ここからは,滝ケ原峠,いろは坂,金精峠までの登りと基本的に 60km 以上登り基調の道が続く。そして,次の滝ケ原峠の勾配を考えると少々憂鬱になる。じっくりと己の身体の内なる声に耳を傾けつつ,ペースを作る。が,それほど調子は悪くないようだ。ダラダラ登りの区間は結構踏んで行ける。

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 何が撮りたかったのか,今となっては全くわからない画像である(苦笑)。多分,天気がいいぜ~~とか,今日も独りぼっちのサイクリングだぜ~~とか,これからいよいよ滝ケ原だぜ~~~とか,そんなしょうもない気持ちだったに違いなかろうが,..。

いよいよ滝ケ原峠へ

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 気持ちのいい山道を走って行けば,いよいよ始まる滝ケ原峠の核心部分。平均勾配11%が2キロほど続く凶悪区間。あとのことを考えて,この区間だけは速度は無視。垂直方向速度はかろうじて 10m/min くらいを維持(する気持ち)。見栄も外聞もなく,ギヤは 34x27T をチョイス。速度は最大勾配箇所(18% ほど?)では,5km/h まで落込む。しかし,ガンバラナ~~イ! そんなこんなで,極力,省エネモードで走ったせいか,これまで3回のうちで一番楽に登れたかも。峠間近ではかなりゼーゼーしていたのだが,それでも,脚へのダメージは最小限で抑えることが出来た。時間がもったいないので直ぐに降り始める。どうせ,峠からは何も見えないし。

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滝ケ原峠を少し下ったところのビューポイントにて(am 6:52)

 ちょっと降ったところにある絶景ポイントには二人の先行者がいた。一応,方角も何もわからずに写真を撮って直ぐにスタート。何という山なのか?女峰山とか帝釈山とか 2000m オーバーの山が地図に乗っていたけど,その方向なのかな?

 ここの降りは,ところどころに砂の浮いている箇所があるし,急勾配だし,道は狭いし,距離も短いので,時間貯金稼ぎにはほとんど役に立たない。

 清滝の辺りで前方に @eijitom さんを発見。同じようなペースで走り続ける女性参加者も自販機で補給中だった。R120 に入って,次のいろは坂へ。

いろは坂から中禅寺湖へ

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登り口の橋の上から右手方向を望む(am 7:22)

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 四十八回のターン(そんなにあったかなぁ?)を,いろは四十八文字になぞらえて名付けられたという「いろは坂」。勾配は 4~5% くらいだろう。10km/h 前後で淡々と登っていると,後ろから「お疲れさま」の声と共にパスされた。yama さんだった。都合が悪く参加できなかったので,今日はいろは坂で山岳ブルベの応援とか。ありがとうございます。

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途中,黒髪平で一休みというか,写真撮影

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ここは標高 1173m

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 明智平に yama さんがいた。応援ありがとうございました。中禅寺湖に到着。それにしても,いい天気だ。ここで標高 1200m オーバーなので,比較的涼しい。まだ,朝早い時間なので観光客もまばら。

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中禅寺湖(am 8:09)

 (自転車で)3回訪れたうちで,今回が一番天気がいい。しばらく進むと,食事処の脇に見覚えのある自転車が立て掛けてあった。HEIZOSUN が補給中らしい。昨夜折角買った朝飯を宿に忘れてきたとかで,オレの補給食のカレーパンを提供したんだが,カレーパン1つでは持つ訳もなく,..(苦笑)。

 高原の爽やかな空気を愉しみながら走っていると,ディスクホイールを付けた方に,エライ勢いで抜かれた。1時間後に出たらしいが,もう,この時点で追い抜かれるってのは,オレが遅いというよりも向こうが速過ぎると言った方がいいよな(驚)。後で聞けば,昨年,神奈川の自宅から北海道まで自走して,北海道 1200km のコースを完走して,また神奈川の自宅まで自走で戻ったという「伝説」の方だったらしい。今日のコースは平坦基調だと聞いたので,ディスク履いてきたって,.。orz 脚が長く,膝も高い,奇麗なフォームは見ていて羨ましい限り。#後でズッチャさんだと知った。

戦場ケ原から金精峠へ

 戦場ケ原の最初の土産物屋(茶店?)の自販機のところに @eijitom さんがいたので,コーラでも飲もうかと釣られ停車。店の中を覗くと,なにやら食事できそうだった。朝飯の量が少なかったので,もう既に腹が減ってきている。この時点で,一昨年よりも時間的に早かったので,えらく余裕があるように錯覚し,ここで店に入り込み,椅子に座って,のんびりとカレーなどを食す。こういうことはあまりしたことがなかったのだが,なぜかこのときは,今日も(多分,きっと)楽勝だぜ!みたいな気分になっていた。後で,この休憩をえらく後悔することになるとは,このときは少しも思わなかった。

 食事しながら,外を眺めていると,あら,K関君が,..あ,あの女性ライダーが,..という具合に,皆さん先を急ぐ。食い終えて,水を貰って,店のオネイサンとちょいと世間話をしてからスタート。休憩時間は 20分くらいかな?もう少し短いかも。

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戦場ケ原では,歩道を歩くかなりの数のハイカーらしき人達

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 湖の中に立ち込んで,フライフィッシングをしていたので,ちょっとの間眺める。ゲームはヒメマスか?また,ロスタイムだ(笑)。

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 ようやく,K 関君に追いつく。後ろからしばらく眺めていたのだが,よくこんなに長時間ダンシングが続くなと思うほどに,ダンシングで登り続ける。平ペダルなので,恐らくは,体重だけで踏み降ろしているために持続するのだろうと思うのだが。言い換えれば,補助運動器具のステッパーのようなものを延々と続けているということになるのかな?

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 この辺りで,エネルギー補給の済んだ HEIZOSUN にパスされる。今日は,HEIZOSUN を始め,数人がキャメルバックを背負い,その中に氷を詰めて,ラジエーター代わりに使っているらしい。なるほど,いろいろと真夏に走る工夫があるものだ。次回の参考にさせて頂こう。

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 金精峠へのルート恒例の,登ってきた道を振り返るの図。思えば,高所に来たもんだぁ~~・・。右手のは中禅寺湖かな?

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 そんなことをしていると,ママチャリダンシングマスターに追い付かれる。それにしてもタフだ。

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金精峠のシークレット PC(am 9:36)

 金精トンネルに着いてみれば,そこはシークレット PC だった。AJ 宇都宮の Su藤さんが担当。標高表示のところは車が並んでいて,撮影は諦める。スタッフの方から,コーラを2杯ご馳走になる。ご馳走さまでした。お疲れさまです。

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トンネルが出来る前の旧道とかって有るんだろうか?

金精峠から PC1 へ

 ここからはひたすら降る。ここの荒れた路面の降りで,コマ図台のボルトが緩んで,次第に回転し出した。途中でストップして携帯工具で直そうとしたのだが,なぜか携帯工具の 4mm のアーレンがボルトの六角形の穴に入らない。5mm や 6mm のアーレンは,それ用のボルトの穴にきちんと掛ってくれるのに,4mm だけが僅かに太いらしく,4mm のボルトの穴に入ってくれない。仕方がないので,ハンドタイトで出来るだけ捩じ込んで,あとは PC1 で誰かに工具を借りて直すことにする。

 降るに従って,気温が上がってくるのがわかる。日本ロマンチック街道である。道端では,焼きトウモロコシや焼いたイワナとかヤマメなどを売っており,何もないツーリングなら,当然ストップ&休憩するところではあるが,今日は最後に大物が残っているので,時間のロスは出来るだけ避けたい。#と言いつつ,それなりにロスを積み上げてはいるのだが。

 PC1 のセブンイレブン片品須賀川店に着いた頃(am 10:35)には,灼熱の太陽が頭上から容赦なく照り付けていた。ちょっとゲンナリするほど暑い。そして,ここから先の画像が極端に少なくなる。あまり意識してはいなかったが,暑さでかなり参っていたようだ。PC1 で補給すると共に,HEIZOSUN にアーレンキーを借りて,ボルトの増し締めをする。この後,何度も同じことを繰り返すことになる。こういうのは,長い距離の場合,それなりにストレスになる。

灼熱地獄の沼田付近と権現峠

 PC1 を出てからは,強烈な日差しと30℃を超える気温と,繰り返されるアップダウンによって,次第に体力が削られていく。そのうち思考力すら怪しくなってくる。コマ図を眺めながら走っていて,見ているコマ図は直進指示なのに,その前のコマ図の右折矢印を重ねてしまって,右に曲がってしまったりした。暑さで頭が少々ボーッとしている。どこかで水でも被って冷却したいが,そんな場所もない。とにかく,沼田の辺りが地獄のような暑さ。ここらで TTM さんにパスされた。その猛烈なスピードにちょいとだけ付いたものの,自殺行為は止めておこうと早々とお見送り。

 この辺りで,ちゃりけん氏,K関君などと集団になって,権現権平峠にかかる(ずっと,ゴンベイだとばかり,..w)。標高 300m ほどの一番低いところから標高 700m 弱まで登る峠。脚が残っているときなら,そしてもう少し気温が低いときなら,何ということもない峠だろうが,暑さと疲労が,この峠を超級の難所に変えた。

 とにかく暑い。ボトルの水を首筋に掛けようにも,生暖かい「ぬるま湯」しか出て来ない。勾配は最大でも7~8%ほどだろうか。多くは5%くらい?決して急坂という訳ではないが,一緒に登っている人達も次第に無口になってくる。聞えるのは,深い溜息と,荒い息遣い,そして「暑い・・」というつぶやき。そして,何気に長い,..。プロフィールマップを眺めながら,あと1キロくらいかなと思った辺りだったか,..。

 道端の日陰になにやら妙に元気のいいサイクリストがいた。「塩キャラメル如何ですか?ジュース要りませんか?頑張って下さい!!」と,我々の少し前を走る参加者に盛んに声を掛けている。なんか聞き覚えのある声だなぁと思いながら登っていった。そして,「塩キャラメル要りませんか?ネクター飲みませんか?」とでかい声を上げて近づいてきたのは,...「昔の人Oさん」だった。別に伏せ字にする必要もなかろう。いわきで被災して,現在群馬に避難しているとかいう噂のオカザキ氏だった。思わず,「イラねぇ~よ,ここで何してるんだよ?」とでかい声で応えてしまった(笑)。「え?ナデラさん?ちゃりけんさん?なんで,ここにいるの?」,...。なんか,疲れがいくぶん増したような感じだった(苦笑)。

 なんでも,ロックハート城になにかの用事だかで来たとか。一緒に走り出して,あれは要らないか,これはどうかと勧められるが,暑いわ,バテバテだわで,次第に返事をするのも億劫になる(ゴメンね)。こちらはとにかく登り切って,この灼熱地獄を抜け出したい一心だった。懐かしかった出会いは,ピークでお別れ。また,どこかで会おう!

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権現峠のピークにて(矢印がオカザキ氏,走っているのは女性の方,電光掲示板は 31℃)pm 0:39

権現峠から PC2 へ,そして暮坂峠へ

 降り始めたが,熱風の中を走っているようで,涼しさは今一つ。ジャージのファスナーはほぼ全開。降り切った辺りの電光掲示板の表示は35℃だったらしい。ようやく,PC2 のセーブオン中之条平店に着いた頃(pm 1:06)には,暑さでかなりへばっていた。ここで,HEIZOSUN とか TTM さんとか,eijitom さんと合流。それと女性の方もいた。

 買い物カゴを持って店内を歩くのだが,何をしていいのかわからず,商品棚の前でボーッとする始末。eijitom さんと,「このペースだとゴールでタイムアウトの可能性もありますね。かなりやばいです」と情けない会話。固形物を摂りたくなかったが,なんとかおにぎり一個を水で流し込む。他にはゼリーのようなものしか受け付けない。2リットルの水をガボガボ飲んで,ボトルに詰めて,残りを頭に掛けてスタート。スタートする辺りで,ふぃりっぷさんが PC2 に入ってきた。1時間遅く6時にスタートしたはず。速い。

 5時スタートだから,渋峠ホテルでのゴールリミットは午後6時半。残り時間は5時間弱。PC2 が 140km 過ぎの辺りで,残り60kmほどある。この先には,標高 1000m オーバーの暮坂峠,標高2100mオーバーの渋峠が待ちかまえる。単純に標高差が 1800m で距離は 60km だから,平均勾配は3%ではあるのだが,降った後の登り返しもあるので,もう少し急になるだろう。全てひっくるめて,今の脚で平均時速12kmで行けるのか?

 それにしても,群馬は体育会系珍走団が多い。峠という峠には必ずいて,喧しい排気音を上げて走り回る。あまりの喧しさに,「○ねばいいのに!」と呪詛の言葉をつぶやきつつ登る。水が心細くなってきたし,補給食の手持ちもないなぁと思いつつ,灼熱の峠の登りに掛かった辺りだったかなぁ,..。なんか,位置関係が今一つ判然としないけど,道端にパイプからこんこんと湧き出している水を発見。嬉しさの余り,当然,ストップ。水を被る,顔やら腕を洗う,脚に掛ける,飲む,..と散々水遊びをしてリフレッシュ!

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暮坂峠の登り口にあった「命の水」。多くの参加者にとって,まさにオアシスだったはず(pm 2:32)

 残り4時間弱しかない。急がないといけない。スタートするときに,ふぃりっぷさんが登ってきた。「冷たい?」と聞くので,「結構冷たいですよ」。

 それからも暮坂峠をセッセと登る。結構長い。暑い。珍走団が喧しい。「クソッタレが!喧しい奴らだ!!消えてしまえ!!」とつぶやくと,いきなり,「あれの,何が面白いんですかね?」と後方から聞えて面食らう。ふぃりっぷさんだった。忍者の如く,直ぐ後ろにいた(笑)。羨ましいスタミナだな。

 ふぃりっぷさんにパスされた後,どうにも我慢できずに道端にへたり込んだ。少々,クラクラする。数分間,日陰で水など飲みつつ,息を整える。「暮坂峠かぁ,まったく,越える前に暮れちまうぜ!」とかブツブツ言いながら。決して急勾配という訳ではないんだが,.。この辺りが,DNF の魔物に最接近されたときだったかも知れない。

 「人間辛抱だ!」と,なんとかかんとか暮坂峠のピークに到着。標高 800m を越えた辺りから少し涼しくなり,楽になった。峠の茶屋のようなところでは,ふぃりっぷさんがソフトクリームを食っていた(と思う)。余裕だ。向こうは1時間遅れでスタートしているので,完走は余裕だが,こちらに時間的な余裕はまったくない。軽く挨拶して,そのまま六合までの降りに入る。この下りが無駄だよなぁ(苦笑)。300m ほども降るんだよ。

草津から最後の渋峠へ

 草津への登りに入る辺りでまたふぃりっぷさんに追い付かれる。ここから先は,完走のために,緩斜面では出来るだけスピード上げて,平均スピードを上げるような走り方を心掛ける。目標として,前を行くふぃりっぷさんに必死について行く(といっても,結構距離を空けてだけど)。少々オーバースピード気味かとも思われたが,走ってみるとなんとかギリギリで付いて行けるペース。スピードは 15km/h 前後。ここで,ペースを作れて,そのペースを維持したまま渋峠への登りに入れたのが,完走の一番の要因だったと,走り終えてから思った次第。ブルベでは,常に一人でマイペースで走っていて,こういう走り方(前走者に付いて行く)はほとんどしないが,今回ばかりは精神的に牽いてもらってお世話になった。ふぃりっぷさんに感謝します。

 途中,道端に,HEIZOSUN と TTM さんが,..。なにやら,チェーンカッターでチェーンを繋いでいる。落車トラブルとか。先を急ぐので,そのまま失礼した。

 草津の温泉街を過ぎて,いよいよ渋峠への登りに掛かる。が,軽い空腹感があって(あるいは,エネルギーのスカスカ感とでも言おうか),このままでは残り 20km ほどを走れるのかどうか少々怪しい。経験上,こういう場合はガクッと急激に来ることがある。そこで,時間もないのだが,R292 に出る天狗山レストハウス(ツール・ド・草津のスタート地点らしい)の自販機でコーラを一本だけ補給。同じ場所でふぃりっぷさんもコーラ補給。この時点で,残り距離は 20km ほどで,残り時間は2時間弱。10% 勾配が頻繁に出てくるようならかなりヤバイ状況だが,幸い 5% ほどの登りが多いようなので,多分大丈夫だろうと少しだけ楽観。もっとも,何が起こるのかわからないでの,緩斜面では出来るだけスピードを上げて走ることにする。

 メーター読みで,10~14km/h ほどの数値が出ている時間を出来るだけ多くする作戦。で,時折現れる8%くらいの勾配では,一桁に落ちても気にしない。むしろ,一桁に落として走る。そしてセーブしたエネルギーを緩斜面で吐き出すということを繰り返す。こうして走り続けて,登坂開始後1時間くらいで残りの距離とペースで判断してクローズ30分前くらいにはゴールできそうに思えたのでホッとする。

 上からは次々とサイクリストが降りてくる。反射材を身に付けていないので,ブルベの参加者ではなくて,一般サイクリストのようだ。皆,国道最高標高に登った人達だ。きっと彼らも「踏猿」の仲間だろう(笑)。

 午後5時頃には,空が曇って,時折雷鳴が轟いた。標高 2000m 近くで雷雨ってのは洒落にならんなぁ,頼むからこっちには来るなよと祈りつつ走行。幸い,群馬側に暗雲が掛ることはなく,雷鳴は長野側だったのか?

 森林限界を超えると景色が変わる。硫化水素の吹き出す「殺生河原」脇を通る。道の脇には「立ち止まるな」の看板。磐梯吾妻スカイラインで慣れているので,どうということもない。たしかに,そこそこ臭うけどね。

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硫黄が岩肌に付いて,所々黄色になっている

 やがて,ピークを越えて一旦降って,県道466との分岐を通過。志賀高原に向って登る。この道が国道の最高標高と渋峠ホテル前を通るらしい。この分岐から先がハンガーノック気味でかなり辛かった。やはり,小さなコーラ一本では全然足りなかった。途中,2回ほど脱力感で足を着いたが,膝がガクガクして全身に力が入らない。ジャージのポケットには塩飴しか入っておらず,仕方ないので2つほど口に放り込み,一気に噛み砕いてみたが,状況はすぐには変わらず。こんなときコーラがあれば15分もあれば状況が改善するんだが,.。ヤケクソ気味に,「誰か,コーラをくれ!」と,標高2000m オーバーの道端で叫んでみたりした(笑)。この区間で大分失速。

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しばらく登って,県道466との分岐を望む。ここでは脚がガクガク状態

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とうとう辿り着いた,日本国道最高地点 標高2172m(pm 6:02)

 ようやく辿り着いた日本国道最高地点。標高は 2172m なり。妙な達成感を感じた一時。そして,道標の前で記念撮影。どうせ降るときにも,ここを通るんだから,撮影はそのときでもいいようなものだが,時間も少々余っていたので,最初の訪問記念ということで,いそいそと撮影。今更,数分早くゴールしても仕方あるまい。

 ここから少し降って,ちょっとだけ登ったところにゴール地点の渋峠ホテルはあった(と思う。記憶があやふや)。

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なるほど珍百景,半分が群馬で,半分が長野の渋峠ホテル(pm 6:11)

 そして,嬉しいゴール。所要時間 13時間6分。残り24分だった。この時ばかりは,「よく頑張った,オレ!!」と自分を褒めたい気分だった(笑)。やっぱり,時間内にゴールできたポイントは,ふぃりっぷさんに牽かれるようにして,身体に擦り込んだ登りのペースだったように思う。

 ゴールして,最初に口にした言葉は「すいません。どなたか,食べ物恵んで下さい!」だった。なんとも,情けない。ハンガーノックでちょいと正常から逸脱した状態。S木さんがゴールタイムのチェックをしてくれている間に,渋峠ホテルのカウンターで最高地点到達証明を買おうと思っていたのに,なぜか,ゴールしたときには,「ああ,もう,ホテルの営業も終了したのか。もう,午後6時過ぎだもんな,..」(意味不明,完全に狂っておる)なんて考えてホテルの中に入ることもしなかった。しかも,スタッフの方から頂いたお菓子をむさぼり食って「うめぇ~・・・」とつぶやいたきり,ちゃんとしたお礼も言ってない。まさに,幼児のような有り様。さらにさらに,先にゴールしていた K 関君から,「コーラ,余ってない?」と一本せしめて,一気飲みまでする始末。まさに,餓鬼である(苦笑)。あの場にいらっしゃった皆さまに,浅ましい姿をお見せしたこと,深く反省し,お詫び申し上げます。<(_ _)>

 しばらくしたら,血糖値が上がってきたのか,少し落ち着いてきた。落ち着いたら寒くなってきた。さて,ガスも出てきたことだし,余り遅くならないうちにとっとと降ることにしよう。簡易雨具を羽織って,草津の宿まで下山開始。

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生きながらにして伝説となった「K関氏@ママチャリダンシングマスター」(pm 6:23)

 ちゃりけん氏と一緒に下る。流石に寒い。気温は 17℃ほど。途中,まだまだ登坂を続ける参加者とすれ違う。午前6時スタートの参加者のゴールリミットは午後7時半。もう,残り1時間もない。大分降った辺りで擦れ違った参加者。ゴールまでの距離と残り時間を考えると,とても完走できそうもない。悔しいだろうなぁなどとぼんやりと思う。が,その悔しさもまた,山岳ブルベの醍醐味なり。その悔しさを払拭するために,来年も春先からセッセと登坂をくり返し,真夏の「踏猿達の祭り」にエントリーするのだ。大いなるリベンジを期する踏猿達に幸あれ!!

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今夜の寝床の草津高原ユースホステルに到着(pm 7:06)

 今夜の宿舎である草津高原ユースホステルに到着。ところで,降ってくる途中で pokky 氏を見掛けなかった。どうしたんだろう?まさか DNF?彼に限って,そりゃないだろう,何かのメカトラブルかな?などと考えつつ宿舎に着いてみると,入り口に彼のバイクが,..。中で本人に話を聞いてみると,渋峠の登坂途中でタイムオーバーになると考えて DNF したとのこと。金精峠から沼田の辺りに時間が掛かり過ぎた(掛け過ぎた?)らしい。暑さもあって,意図的にかなりペースを落としたとか。それでも,どうせ間に合うだろうと思っていたとのこと。コース状況,暑さなどの要因で,想定外の状況に陥る可能性もある真夏の山岳ブルベ。やはり,稼げるときには時間貯金を稼いでおくべきとの思いを強くした。

 AJ 宇都宮のスタッフの方に運んで頂いた荷物を受け取り,宿の決めごとを説明してもらって,シーツやら枕カバーを受け取り,さらに部屋割りなどを聞いて,割り振られた部屋に入る。まずは,風呂で汗を流そう。ざっと汗を流して,水のシャワーで脚を冷やす。湯船には浸からなかった。身体全体を温めてしまうと,血流が良くなって,その後ひどい疲労感やら脱力感を感じるからだ。とにかく,脚は徹底的に冷やしておいた。

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 汗にまみれたジャージを洗濯する間に,同室の方々とビール片手に歓談。こういう一時はなかなか楽しい。全員の到着の後に9時から夕食。バイキング形式の食い放題で踏猿たちのブルベ腹は充分に満たされた。

 夕食後,今夜も10時から明日のブリーフィング。ブリーフィング後,11時頃には就寝。いよいよ,明日は三連戦最終日。明日もがんばるぞ。

 そういや,宿に着いてから,尿意を覚えてトイレに行ったんだが,あの尿の色は,黄色というよりも赤色に近かったような,..(苦笑)。二回目は普通の色に戻ったけど。腎臓とかにかなりの負担掛けているのかも知れんな。
最後に

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新旧ママチャリマスターが並んでブルベカード記入の図。左がへばなさん,右は K 関くん(レア物画像なり)

初日に戻る      三日目に続く

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