【過去記録】2011 宇都宮山岳ブルベ三連戦の三日目(最終日)
BRM718宇都宮200km草津発上毛片道【山岳】[赤城はるな] 完走記
愛称:「THE LAST PASSAGE 踏猿」ブルベ
2011年7月18日 am 5:00 Start ~ pm 5:24 Finish (12 h 24 m)
距離 206km,獲得標高 4385m
2011年7月、前の日に(宇都宮市)福岡から壮大なロマンチック街道に設定された200kmの山岳コースを激走し、疲労感が発生する。群馬県草津町にたどり着いた連続参加者と、新たな単発参加者は、ゴールに向けて200kmの走行に乗り出すが、予想外の急勾配が続き、参加者たちはクローズ時刻に遅れそうになってしまう。(AJ 宇都宮 HP より引用)
キャッチコピー: 「脚攣る人は 筋を伸ばすのかー。」
いよいよ最終日
起床は相も変わらず3時半。バタバタと荷物をまとめたり,ウェアを準備したりして,4時から朝飯。今日も沢山走るので,沢山食べておく。こんなときバイキングは便利だ。身体の疲労感はそれなりだ。階段の昇り降りで感じる太ももの違和感はかなりのもの。さてさて,本日は如何なるのか?今日は,200 ~ 400m くらいから 1200 ~ 1400m への大きめのヒルクライムが3本ある。正直,身体も頭も抜け殻のようなもので,今日は画像がかなり少ない。写真なぞ撮ろうという気にならなかった。
5時になると,車検を受けた順番に三々五々スタートして行く。
三日間連続参加の女性ライダー2名。左のお方は,シュペールグランペールである。その淡々とした走りには完全に脱帽
草津から榛名湖へ
5時少し過ぎにユースホステル前をスタートした。天狗山レストハウスのところから R292 に出て,渋峠と反対側に降って行く。途中で @eijitom さんと一緒になる。時速 60km ほどでガンガン降れる。先発していた女性ライダー2名に追い付く。話題の八ッ場ダム付近を通過したらしい。平地部分はまだまだ脚は廻るようだが,..。
八ッ場ダムの辺り?地理に疎いので確信とてないが,..多分違うな。w
長閑な早朝の田舎町を駆け抜け,やがて最初の登りの榛名山への登り口に到着。ここまでは平均 30km 以上。というか,それくらいのペースで走っていないと,結果的に PC2 の赤城山でタイムアウトになったかも知れない。登りに入って,@eijitom さんとの連結解除。後はお互いにマイペース走行。@eijitom さんの後ろ姿が次第次第に小さくなる,...(笑)。
榛名山 12km の表示。長いなぁ,...
勾配は 6~7% くらいかな。きつくはないが,景色が良い訳でもないし,単調でツマラナイ登りだった。そして,ひたすら長い。で,早朝だというのに,珍走団が走りまくってやがる。本当に鬱陶しい連中だ。やれやれ,...
もう,頭の中を白くしてひたすらペダルを踏み降ろす。しかし,パフォーマンスの低下は相当なもので,7%程度の登りでも,直ぐに 25T とか,27T にチェーンが掛かってしまう。スピードは当然良くても 10km/h 程度で,多くの場合,それ以下。ピークを越えて,しばらく降ると,やがて榛名湖に到着。
釣り目的のキャンパーが多数。もう,釣りを始めている人達もいた。楽しそうだ(笑)。オレは今の状況を楽しんでいるのか?などと自問自答する一時。答えは,...ゴールしてから決めよう(笑)。
榛名富士と榛名湖(am 7:29)
なんか細い道を通って県道33に出る。そこから少し登ったように思うけど,後は降る一方。しかも,かなりのスピードで降れる道だった。PC1 の手前で展望台があったので停車してみる。
朝靄の中に浮かぶ山々が幻想的な雰囲気を醸し出している。快適に降って,PC1 のファミリーマート伊香保店に到着(am 8:01)。リポビタンDなどを飲んでみるが,多分効果はなし(笑)。この後もひたすら降る。結局,標高差で 1000m を降ることになる。もっとも,また登り返すんだけどね(苦笑)。
PC1 から赤城山の PC2 へ ~ もう画像なんて撮る余裕ないぜ ~
ドンドン降って行くと,前走者が見えてきた。R353 の大正橋のところで,@mino16 さんに追い付く。マシンは,細身の(多分)クロモリにダブルレバーという渋さ。登りは @mino16 さんが一枚も二枚も速いので,ここから先は次第に離れて行くことになるけれども,..。それにしても,この辺りから赤城山の登りの県道 4 に入るまで,地味な登りが続いて,それなりに堪えた。細々した分岐が多く,コースファインディングに神経を使った区間である。「空っ風街道」とか,洒落た名前が付いているが,要するに広域農道だろ!なんて一人ゴチながらコマ図に従って淡々と距離を稼いで行く。
やがて,県道4に入り,赤城山への本格的な登りが始まる。このコースは今度開催される赤城山のヒルクライムのコースらしく,地元や近隣の愛好者達が沢山登っていたようだ。登り終えたサイクリスト達が次々に降りてくる。何十台というロードレーサーとすれ違った。
で,この頃からなにか頭がボーッとして眠くなってきた。今から思えば,軽いハンガーノック症状だったように思うが。道端をザーザーと勢い良く流れる水路の水が冷たそうで,停まって,水を被りたい衝動に駆られる。「眠いなぁ,その辺で転がって少し寝て行こうかな」なんて考えながらタラタラ登っていると女性ライダーにパスされた。「頑張りましょう!」という声と共に。こちらはテンションが上がらずに,えらく頑張っているなぁなどと思っただけで,何ということもなくお見送り。やがて,K 関君にも抜かれた。必死になって登っている。なんか,みんなえらく頑張っているなぁなんて思っているところに,もう一方の女性ライダーが追い付いてきて「ガンバリマショウ。まだ間に合いますよ」と声を掛けられた。
え?まだ間に合う?一体なんのこと?と思いつつ,目の前のコマ図に目をやると,『PC2 赤城山総合観光案内所 [07:41 ~ 11:04]』 の文字が飛び込んできた。時計に目をやると,現在 10時ちょっと過ぎ。残りの距離はまだ 10km ほどある。残り1時間弱で 10km だと!?
勾配は 8~9% が続き,先ほどからスピードは良くて 10km/h ほど。まずい,まずすぎる,..。ここまで来てタイムアウトは洒落にならんぞ。ここでようやく事態を把握し,先行する女性ライダーを追い始めた。昨日の渋峠に続いて,今日もまたクローズタイムとの追いかけっこかよぉ~・・と頭の中ではブツブツとつぶやきながら,..。
実は,昨日辺りから疲労で心拍が上がらなくなってきている。どんなに追い込んでも 150bpm をなかなか越えてくれない。まあ,心拍が上がらなくても走れているから良いのだろうが。今回ばかりは8%の斜面では一桁スピードでもいいとか悠長なことは言ってられない。もう,ゼーゼー言いつつ踏みまくる。心拍よ,上がれ!と念じつつ。やがて,先行していた女性ライダーをパスし,さらに前方の女性ライダーもパス。さらに先行する K 関君との差を詰めて行く。
残り3キロほどになって少し勾配が緩くなり,ようやく時間内に PC2 に到着できる確信が持てた。結局,K 関君から少し遅れて,クローズ20分ほど前に PC2 に到着。トイレの水道で水を被り,水を飲み,ホッと一息入れた。いや~,やばかった。手持ちの補給食を食べてからスタート。ここまで来れば完走はほぼ確定(だと思う)。
赤城山の PC2 の駐車場(am 10:40 辺り)
赤城山からの凶悪な降り,灼熱の R122を経て PC3 へ
PC2 を出て,少し降って,再び小沼まで登る。そこから10km 以上の下りが始まる。この下りが凶悪だった。道幅が狭い,急勾配(15% くらいある箇所があったような?),対向車が頻繁に登ってくる,路面が荒れているなどなど,..。
なにしろ,200km のブルベであっても三日目ともなると,尻もある程度痛いわ,掌も痛いわで,自転車と接触している部分は全て痛くなってきている。急勾配の九十九折りで,下ハンを持っているので,路面のちょっとした凹凸の度に掌が痛む。
そして,道の上に落ちている物凄い数の毛虫,..。緑色の7~8cmあるでかい毛虫がやたらと落ちているのである。山形辺りではあまりお目に掛からない種類だが,なんの幼虫なのか? こんなのをタイヤで踏みつぶしたら,滑って落車するかも知れないので,踏まないように慎重に避けて走った。なので,降りなのにスピードは全く上がらない。折角の降りで時間貯金が増やせないので大分イライラした。
ようやく降り切って,空っ風街道やら,R336,県道333 を経て R122 に出る。R122 は一昨年も走った道で,あの時も暑さに苦しめられた。日陰が全くない道であり,しかもアップダウンの連続だ。途中でコーラ休憩一回,さらに一昨年も休憩を取った湧水公園のようなところで休憩一回。水を被って一息吐く。
草木ダムを過ぎて,30km ほどに及ぶ長かった R122 の走行にようやく別れを告げて,県道142 に入った。しばらく走ると PC3 のヤマザキショップくらさわに到着(pm 2:15)。ここで,コーラとパンとポカリスウェットを補給。少し遅れて K 関君,ふぃりっぷさん到着。入れ違いにちゃりけん氏スタート。本日はメカトラで DNS の TTM さんがスタッフ業務をされていた。
最後の粕尾峠を越えていよいよゴールへ
粕尾峠の案内板
いよいよ最後の登りだ。もう,大分ペースを落としても完走は大丈夫だろうと思えたので,周囲を眺めつつ完全にポタリングペースで進む。が,この峠が意外に楽で驚く。傾斜は緩く,楽に登って行ける。流石の AJ 宇都宮のスタッフもここまで来た参加者にご褒美として最後の最後に緩い峠を設定してくれたんだろうか?なんてことを思いながらのんびりと走っていると,後ろから K 関君が追い付いてきた。開口一番「登り易いっすね!」と。「まあ,宇都宮のスタッフも鬼ばかりじゃなかったということかねぇ。でも,もしかして,この峠,最後に物凄い勾配になって,滝ケ原みたいになったりしないだろうねぇ,..」なんて返事したのだった,..。#結論としては,宇都宮のスタッフは,やはり鬼だった(笑)
そして,そんな戯言は現実になる。県道15から県道58に入った途端に始まった急勾配。Garmin の表示は 9, 10, 11% とドンドン上がる。「ったく,やっぱり,こういう落ちかよっ!」と毒突きながら 34 x 27T を踏む。ピーク手前では,11% 勾配の連打&乱れ撃ち状態。ようやくピークを越えて,ああ,終ったと思ったのだが,小さな登り返しが一ヶ所あった。古峰ヶ原高原と,ツーリングマップルには記載してあった。
あとはひたすら降る。快適なダウンヒル。やがて,巨大な鳥居が見えてきた。古峰神社の鳥居らしい。
古峰神社の巨大鳥居
川を渡るときに,橋から川に飛び込んでいる少年たちを見つけて,しばらく眺めていた。水の奇麗な川で水遊びをして,河辺ではバーベキューを愉しむ人達。ああ,いいなぁ,川で泳いでビールが呑みてぇ~~と痛烈に思った。
こんな川が身近にあるってことは素晴らしいことだと思う。地図によれば大芦川なのかな?
さてここから日光に抜けるのに,また一つ小さな丘越えがあった。やはり,そこは宇都宮ブルベ,最後の最後まで楽しませてくれる。しばらく走っていると,昨日走った滝ケ原峠へのアプローチに出た。あとは,平地を流してゴールするだけだ。
今日は朝飯以外では,固形物はおにぎり1個とパン1個しか口にしておらず,他は全てコーラで賄っていたせいか,ここに来て猛烈な空腹感を感じていたが,店もないところなのでどうしようかと思いつつ走行。とある分岐でふぃりっぷさんが道端に腰を下ろして補給していた。こちらもその先の自販機でコーラ休憩。最後のエネルギーを注入。
昨年も一昨年も走った道を辿り,ようやくゴールのニューサンピア栃木に到着。いつもの「馬上過ぐ」の壁の前に自転車を置いて,ゴール受付の「金精の間」に向う。午後5時24分。これで三日連続の完走である。今年最大の目標にしてきたイベントが終った。
部屋で他の参加者らと四方山話に花を咲かせつつ,pokky 氏を待つ。鹿島辺りで pokky 氏からもらった電話では,途中で DNF して,自走で宇都宮に戻ったとのこと。それならばと,申し訳ないことながら,森林公園からニューサンピア栃木まで車の移動をお願いした。二度も車の移動をお願いして,まったくもって申し訳ない。この埋め合わせはいつかきっと,..。<(_ _)>
pokky 氏,@eijitom さん,HEIZOSUN,mino16 さんなどと一緒に一風呂浴びてイベント終了。
その後,HEIZOSUN を森林公園にお送りして,そこでお別れした。帰りはもうどうにも眠くて仕方なかったので,途中で pokky 氏に運転を代わってもらった。いつも,ありがとうございます。来たときのように,日光,南会津,喜多方を通って,午前1時前に帰宅。帰宅後,軽く補給して就寝。自転車漬けの三日間が終った。ステージレースに参加したかのような充実し切った三日間だった。#翌日から3日間ほど,脚,特にふくらはぎの猛烈な「浮腫み」に悩まされた。
噂のディスクホイールマシン。ブルベというよりも,TT マシンのような精悍さ。オーラが漂うかのようだ。
ニューサンピア栃木にゴール,..終った
踏猿達のパートナーたち(撮影:mino16 さん)
最後に
今回の山岳三連戦,自分がプロデュースすることを考えたら,必要な運営作業を頭の中でイメージしただけでゲンナリしてしまいます。これだけのイベントを少人数で企画,準備,運営して頂いた AJ 宇都宮のスタッフの皆さまに心より感謝いたします。大変,楽しゅうございました。そして,参加された皆さま,特に Twitter のブルベクラスタの皆さま,本当にありがとうございました。ステージレースあるいは合宿のような雰囲気の三日間でした。この三連戦の完走が今年一番の目標でした。そのために,今年は自転車に乗ってきたと言ってもいいくらいです。過酷な山岳ブルベに嵌まりそうな自分を意識してます。でも,ママチャリで参加しようとは思いませんが(笑)。(大変でしょうけど)また,来年もよろしくお願いいたします。
FIN
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