さよならネオワイズ彗星
5時半頃に帰宅。軽く飯を食って,車に機材を積んで6時ごろに白布峠に向かう。雲があちらこちらに浮かんでいるが,多分消えるだろう。
途中,白布温泉の西屋駐車場には結構な台数の車が駐車しており,泊まり客もそこそこいるようだ。昔ならば,今ごろの時刻,宿の下駄を履いた泊まり客が浴衣姿でそぞろ歩いたり,辺りで夕涼みする光景が見られたのだろうけど,..。
スカイバレーに入る。今年は一度も自転車で登っていないなぁ。ブルベで深夜この峠を越えたことがあったっけなどととりとめもないことを考えつつ車を走らせる。不動滝の先のトンネルを抜けてしばらく行くと猿の大群が道を占拠していた。なかなかどかないのでクラクションを鳴らしたら不満そうにようやく道を空けた。30頭くらいいたかも知れん。6時40分ごろに錦平に到着。
まず,赤道儀の設置場所を吟味。iPhone のコンパスで北と西を確認。西の空の低い位置まで見える場所を選ぶ。i ステラで星空の様子と重ねてみると,アークテゥルスとスピカは見えるようなので大丈夫だろう。コンパスで北を確認して機材を設置し終えたのは7時少し前。天文薄明が終わるまでまだ1時間以上ある。暇なので,普段は全く興味のない野球中継などをラジオで聴いたり,思い出したメールの返事を送信したり,..。
今日は RedCat 51 + FUJI X-E1 の組み合わせ。35mm 換算で 375mm ほどの焦点距離になる。SkyWatcher EQ5GOTO + SS-one AutoGuider Pro,電子極望もガイドカメラも SS-one オリジナルのシステムである。軽いし,オートガイドの精度はいいし,(比較的)安い(とは言っても,このシステム全体でカメラと望遠鏡込みでおおよそ 30 諭吉ほど掛かっている。もっとも,高橋製等に比べれば半額以下か。天体写真道楽は金が掛かる:苦笑)。機材は上を見れば切りがないけど,今のなでら男にとっては十分すぎるスペックである。設置場所がちょっとした傾斜面なので水平を出すために三脚の脚の出方がちぐはぐになっている。
やがて,木星と土星が見えてきた。そして,次第に周囲が暗くなってアークテゥルスや夏の大三角などの一等星が見え始める。北極星が見え出したので極軸を合わせた。毎度のことながら,電子極望はラクチンである。次に自動導入のためのアラインメント(望遠鏡が向いている位置を決めること)をアークテゥルスで行った。
当初は,SS-one AutoGuider Pro の GO TO 機能を使ってアークテゥルスとスピカを結んだ線の中間辺りにあるネオワイズ彗星を導入しようかと思ったが,この GO TO 機能が今一つ使い辛い(星図が今一つ詳細さに欠ける)。そこで,今回はスマホアプリの SkySafari 6 Pro を利用することにした。SS-one AutoGuider Pro 本体に Wi-Fi アダプタを装着し,スマホのアプリと Wi-Fi 接続する。以前の SkySafari(バージョンは 4 くらいだったかな?)は SS-one の Wi-Fi との接続が今一つで,英語表記だったこともあり,使い勝手が今一つだったけど,今はアプリも日本語 (ver. 6) になって,応答も速くなって(これはスマホの機種変更が効いているか?)ストレスを感じなくなった。※ でも,上の解説動画で言うような,特に接続を切らなくてもオートガイドは機能したけどなぁ?
で,アークテゥルスでアラインメントして,ネオワイズ彗星を画面中央に表示させた。そして「導入」をタップ,..。あれ?アークテゥルスとスピカの中間辺りなんだから,左下の方向に鏡筒は動くはずだけどなぜか右の北斗七星の方向に動いてしまっている。これは SS-one AutoGuider の自動導入のための設定が逆だったかと思い(テレスコープイーストとテレスコープウェストでは赤緯軸の北方向へ向ける際のモーターの回転方向が違うので),スイッチで動く方向を変えてみたが,同様の結果。う〜ん,どういうことなんだろう?としばらく考えて,SS-one AutoGuider Pro の GOTO 機能に入ったままなので,もしや GOTO 機能のバッティングか?と思い,SS-one 側の GOTO 機能を QUIT してみると,..。おお,上手く動いたようだ。まあ,SS-one AutoGuider の心臓部は Raspberry_pi だから、二つの機能がバッティングすることもあるだろうな。今度は,たしかに RedCat の対物レンズはアークテゥルスとスピカの中間辺りを向いている。
まだ天文薄明は終わっていないが,試写とピント合わせくらいは出来るだろう。まず,試し撮り。
まだ,バーティノフマスクを付けたままでの試写なので,恒星にスパイクが付いているが,ピントはこんなものだろうか?もう少しだけ追い込めるかもしれないけど,手動では難しいかも。ミクロン単位で動く電動フォーカサーが欲しいところ(物欲は膨らむ:笑。ほんまかさん,作ってくれないかな(笑。そして,ネオワイズ彗星が写野のど真ん中に,..。SkySafari Pro の自動導入機能がこれほど便利だったとは,..。こりゃ,使い込んでいかなくては。
天の川の一番賑やかな部分を表示させると,こんな画面になる。ここで導入したい天体をタップして「導入」すればいいだけ。実に簡単だ。
RedCat51 + X-E1, SkyWatcher EQ5 GOTO, SS-one AutoGuider Pro, ISO1600, 2 min x 13 である。恒星基準でスタックしたので彗星の核は少し流れているようだけど,まあ,ネオワイズ彗星見送り記念と言うことで。ダストテールもまだ見えている。右下隅の方に系外銀河がいくつか写っている。彗星の最盛期(7月半ばくらい)に撮れなかったのは若干心残りだが,生きているうちに,またでかいのが一つくらい来てくれるだろうと楽観しておこう。ネオワイズ,次に帰ってくるのは5千年後とか。人類はまだ健在なのだろうか?
SkyWatcher に勝手に撮影をさせている間に,SWAT310 も設置して,こちらでは広角レンズで天の川を狙おうと。今年は例年に比べて天の川を撮る機会が少なかった。
35mm レンズでの撮影。現時点では,SWAT310 はL型の片持ちフォーク式にしてあって,構図の自由度にやや難がある。全天どこにでも向くのだが,例えば,画角の対角線に天の川を入れたいなどという場合には具合が悪い。写野の自由度を向上させる第三軸を導入すべきか?
対角魚眼で撮った錦平の天の川。少しだけ邪魔な木々があるんだよな(苦笑。
ネオワイズ彗星を撮ったら,なんだかすっかり満足してしまって,あとはもういいやという気分になってきた。腹も減ったし,ビールも呑みたい。この辺りで同業者のような方が来られて,固定撮影らしき方法で星空を楽しまれていた様子。こちらも,最後に X-T1 で天の川撮って終りにしようと,ナノトラッカーを設置してお気楽撮影。
X-T1, 18mm F3.5, ISO1600, 2 min x 2 ナノトラッカー追尾。FUJI のカメラはノーマルでも赤がよく出る。これを撮影している時に,道路を挟んだ向こうの茂みで動物らしきものが歩いているような音がしたので,一応声を出して,足踏みやら拍手などして警戒しておいた。カモシカか,あるいはクマか,..。
すっかり満足したので10時前に撤収して帰宅。3〜4時間くらいがちょうどいいな。帰宅後のビールが美味い!(笑
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コメント
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なでら男さま
こんばんわ、ももで~す。
お~赤道儀もレンズもソフトも絶好調ですね!
彗星がきれいです!!
白布峠付近まで上れば空気も澄んできそう。
涼しいだろうしね!
なにかやり終えた感のあとのビール。
美味しいですよね!
投稿: もも | 2020年8月21日 (金曜日) 20時51分
ももさん
おはようございます。機材運搬,運転,設置を億劫と思う気持ちを無理やり抑えて出かけました。^^;
アプリと機材のマッチングが上手くいかない時など半べそ状態になりますが,この時はすんなりと,..。
標高1400m の星空は,まさに圧巻でボケーっと見惚れてしまいますね。気温は,先だってほどではなく,薄手の長袖で十分でした。
ビールはうまし!o(^▽^)o
投稿: なでら男 | 2020年8月22日 (土曜日) 06時11分