入院生活十一日目
入院生活も予定の半ば辺り。ツールを走る中堅アシスト選手と似たような,大会終了を心待ちにする心境というのは言い過ぎだろうか?(笑)昨夜はここ数日の睡眠不足が効いたのか,幸いにして6時間ほど眠れた。もっとも,3時間X2だけど。9時半頃に寝付いて,12時半頃に一度覚醒,その後再び寝て,4時少し前に覚醒。そこからは目が冴えて眠れず。本を読んで過ごす。
昨日,女房に「吉原裏同心」の続き2冊を持って来てもらったが,少し頭を切り替えたくて,小説以外を並列に読み進めることに。で,読み始めたら,これが面白いんだ。先日読んだ地球の始まりの次は宇宙の始まりだ(笑)。
6時を過ぎて大概腹も減る。メールを一本書いて送信。しかし,なんで,次から次にこんなアホなことばかり起こるのか。些かウンザリする。気分転換にお茶など買いに出かける。
病院8階からの散居集落(?)の切れ端的景色。
もう,これからは連日,食って,寝て,リハビリしてという退屈極まりない(失礼!)生活が続く。あ,体重は 70kg を切って,69.5kg に。流石に,1600kcal で酒なしだとあっという間に落ちる(苦笑)。反動がこわひ!!
林先生講義:
7時半過ぎ頃に林先生登場。お忙しいところご迷惑かと思ったが,今回の手術の具体的な内容をお伺いした。
まず,露出させた4〜5番目の腰椎の前後のズレを補正,隙間の椎間板を半分以上除去(この二つがどちらが先かわからないが,まあ,常識的に考えて,椎間板を掻き出す方が先かな?)。出来た腰椎の隙間にグラファイト製のスペーサ(割り箸程度のものか?)を前後に二つ挟み込む。除去した椎間板の隙間にカーボンスペーサを入れ込むと,スペーサ間に空間が出来る。自分の腰椎の一部を削って,骨粉状態(コーヒーミルみたいなもので粉にする)にして何かを混ぜ込んで,このスペーサ間の空間に詰め込むのだそうだ。このやり方自体はスタンダードなもので,ここ十年くらいのうちに骨粉にするなどの手法が出て来たとのこと。その前に,尾骶骨の一部を切り取り,それを挟み込んでいたらしい。
で,こういうこと(砕かれた)をされた骨の骨芽細胞はダメになってしまうそうだが,この骨粉層を血液が流れつつ出血を続けていると,血液中の幹細胞が隙間に貼り付き,そこから骨芽細胞が出て骨粉を固着させていくらしい。なので,術後も傷口の止血をしないままにダラダラと出欠させておくとか。今回,3日間でおおよそ 400cc くらいは出たんじゃないかな。面白いなぁ。ここ最近では,カーボン素材もよくなって定着もよくなってきたとか。で,この状態で前後のズレを矯正した二つの腰椎を再びズレないようにチタンプレートとビスで固定するらしい。
ちなみに,辷り症について書いておくと,これは椎間板ヘルニアなどよりも性質が悪い。背骨(頚椎,胸椎,腰椎)は例えれば,短い棒をゴムのスペーサを間にいれて,いくつも繋いだようなもの。で,一個一個の棒には同じ長さのパイプのようなものが添わされている。つまり,短い棒とゴムのスペーサが交互に積み重なった柱に剃って切れ目のついたパイプが添わせてあるようなものだと思っていただきたい(わかり辛いけど,上手く説明できない。図を使えばいいんだけど,画くの面倒臭い)。で,そのパイプの中を脳から尾骨まで太い脊髄が走っている訳だ。辷り症なるものは,この短い棒の間のスペーサがつぶれて,今まで棒のセンターが上から下まで揃っていたのに,どこかで前後にずれが生じてしまうことである。こうなるとどうなるのか?
棒にくっついている脊髄が通ったパイプもズレることになる,そうするとこれまでは上から見れば下まで丸い穴が開いていたものが,どこかでこの穴が狭くなるところが出来る。なので,この穴を通っている脊髄が圧迫を受ける。すると,そこから下の運動機能や調整機能などに障害が現れるという具合だ。これが辷り症による障害だ。一番の問題は,ひどくなるとオシッコの垂れ流しなどが起こるとか,..。こんな風に,辷り症の場合は,すべての神経が影響を受ける。椎間板ヘルニアの場合には,飛び出した椎間板で押される部分の神経だけが影響を受ける。そんな違いがある。
なでら男の場合には,4番目と5番目の間だったらしく,そこ(4番目)より下から出ている神経全てに影響が出ているらしい。そこから出ている神経がどの辺りを司っているかというと,四つんばいになってみるとわかるとか。四つんばいになって横から見て,N番目の腰椎のところから出ている神経はどの辺りを制御しているのかは,腰椎から地面に垂直に線を下ろしたときに通過する部署らしい。なるほど〜〜,四足歩行時代の名残なわけかぁ〜〜〜!神経の伝達経路を一番短くするという形で進化して,それが終わったあとで,四つ足から二足歩行に進化したと。ちなみ,5番辺りから出ているのは,中殿筋やら臀筋やら,足先の運動やら,脚の裏側などに関係するとのこと。なので,足先の痺れ,脹脛やらハムストリングスの張り,臀筋の痛みなどがあったのか,..。
いや,お忙しいところありがとうございました。非常にわかりやすく,勉強になりました。
置賜総合病院自転車愛好会(勝手な仮称):
午後からリハビリに出かけた。いつも担当していただいている女性の方が今日は遅めの夏休みとかで代わりの男性職員が対応してくれた。で,なんだかんだ話しているうちに,話題が自転車に。なんでも MTB に乗っているとか。へ〜・・と思いつつ,脳外科の土谷先生もやってますよね」と言えば「同じ仲間だと」。まどかカップとかで一緒に走っているとか,今週末も走るとか。そしたら,隣でパソコンにデータを入力していた女性職員の方も MTB をやっているとか。リハビリに降りてくる少し前に病室に仙道先生が訊ねてきて下さるし,..。この病院の自転車愛好家の割合がえらく高い。なかなか,こんなところないんじゃないかと思うんだが。あ,別にそういうことを理由に選んだ訳では決してないので誤解なきように。あくまで,なんだか医者以前に人間として信頼出来る感じの方々が多いような気がしての2年続けての夏のバカンスである(笑)。その直感は間違っていなかったと思う。
午前中に院内グルグルしたときに撮ったもの。どうやって折るんだろう?
今日はなんだかダルネムで,リハビリ後30分ほどウトウトしてしまった。で,本など読んでいれば,あっという間に晩飯の時間だ。
そして,今日も気が触れた,..いや,日が暮れた。また,長い夜の始まりだ(笑)。
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コメント
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「ユニット折り紙」でググって見て下さい(^^)
投稿: タロウちゃん | 2014年9月10日 (水曜日) 22時05分
タロウちゃん さん(なんか変だな)
見てみました。すごいですね。でも,こういうのって,へ〜〜〜っと思いますが,なぜか自分やってみたいと思わないのはなんででしょう?^^?
投稿: なでら男 | 2014年9月11日 (木曜日) 07時09分
もう10日以上も経ってしまうんですね。術後も順調なようで何よりです。脊椎の構造など調べようとしたこともありませんでしたが、“なでら男さん”のお話しからネットで調べて見ました。とにかく、生物の構造や、生命を維持するための仕組みには、本当に驚かされることばかりです。しかも脊椎の中に神経の束が通っていて、成長と共に脊椎と神経などが、無理なくバランスをとりながら大きくなっていくなんていう絶妙なコントロールは、まさに神がかりとしかいいようがありません。ですから早くよくなってくださいね。
投稿: koji | 2014年9月11日 (木曜日) 20時15分
koji さん
お陰様で,順調過ぎる快復です。
ボクも,自分が腰痛になって,いろいろと調べて,ほほ〜〜と感心すること頻りでした。
腰椎から出ている末梢神経がどこの部位に関係するのかを簡単に見分ける方法とか,..。
こういう進化が必然なのかどうかっていろいろ考えると面白いですねぇ。
完全快復は時間の問題だと思われます。来年の夏頃には,人生史上最強のなでら男をお見せできるのではないかと。^^;
投稿: なでら男 | 2014年9月12日 (金曜日) 06時54分