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2013年8月31日 (土曜日)

手術のこと

 さて,体調が快復するとともに,入院生活にも余裕が出て来た。ようやくといったところである。だが,あまり,のんべんだらりと過ごしていると社会復帰に支障が出るかも知れない。いや,個人的には復帰せずともいいような気がし始めているのだが,周囲の人間や家族は許してくれないだろう。

 そんな訳で,10月からの生活に向けて,懸案事項のいくつかに対処すべく,専門書をひも解き,ノートを開いた。が,一向に頭に入ってこないし,やる気が起こらない。困ったものである。仕方がないので昼寝でもするかとベッドにひっくり返ってみたが,長々と昼寝しては,またぞろ夜が眠れずに辛い。じゃ,本でも読むかと読みかけの本を開けば,流石に活字に少々食傷気味にもなっている。ちょっと八方塞がり的な「絶対的退屈」に覆い尽くされた,入院26日目の午後だった。

 何もしない贅沢などと,よく巷間で言われるが,そんな生きているか死んでいるかわからない状態など真っ平だ。さて,どうしようか,..。

 あ,そうだ,術後数日間が空白になっている,...。

ということで,ボツボツ加筆しておくか。ただ,改めてカレンダーの日付を埋めるというようなことはせずに,適当な名前のエントリーを追加していく形態にしたい。

 さて,それでは,ストレッチャーに乗せられて,3階の手術室にドナドナされていく辺りから始めよう。生憎,術後からしか写真はない。

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 まず,手術時,手術台の上では基本的に「すっぽんぽん」である。なので,すっぽんぽんになってから病院のパジャマを着て,その格好でストレッチャーで手術室や ICU のある3階に連れて行かれる。こんな格好で10時半過ぎに家族(女房&長男)とともにエレベータに乗り込んだ。

 3階でエレベータを降りると,家族とお別れ。こちらは手術の準備室のようなところに入っていく。そこで,別の台に移される。で,この時に着ていた病院のパジャマを脱がされて,すっぽんぽんにされ,タオル一枚かぶせられた状態になる。ここで,台を移る時には,なにやら面白い装置を使った。ちょっと巧く文章で表現するのは難しいが,へ〜〜・・,よくこんなもの考えたなと感心するような装置。言ってみれば,薄いベルトコンベアのようなもので患者の体を一つの台からすくい取って,別の台の上に送り出すような感じ。ここで,氏名,生年月日,手術する部位などを訊かれ,書類との整合性を確認される。取り違えて手術などされては堪らんからね。

 そして手術室(だと思うけど)へ。これが無影灯かなどとキョロキョロしていると,手術台の上で横向に丸くなるように指示される。背骨の辺りをゴシゴシと消毒された。そして口元にはガスマスクのようなものが当てられ,背骨にチクッとした痛みを感じた直後に意識はなくなった。これがおおよそ11時過ぎ頃かなぁ。

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

 「***さん,***さん!」と名前を呼ばれたような気がして目が覚めた。口にぶっとい管が入っていて一瞬パニックになるが,直ぐにぶっとい管は引き抜かれ,次いで深呼吸。視界に手術室の無影灯が飛び込んできた。「おお,術中に死ぬようなトラブルもなく無事に終わったらしい」というのが最初の感想。気分は,長時間熟睡した後のように爽快。なんだ,手術なんて,こんなものかというのが正直な感想。時刻は5時少し前辺り?

 そのまま ICU に移送。そこで,24時間管理の下で1〜2日間を過ごすことになる。流石の機材である。

DSC07957.JPG

 ICU 移送直後の「なでら男 with 8本のチューブ and 計測機器」#いいのか?こんな写真撮って?>女房

DSC07963.JPG

 真ん中の長い絆創膏が手術で切り開いたところ。かなりの大工事であるにも係わらず,おおよそ18cm程度だろうか。患者はサイクリストなので,術後の QOL も考えて傷は小さめにと考えられたらしい。しかも,手術時間は,前後の準備を含めて6時間程度と,この手術では超短時間。手術自体は4時間程度で終えたらしい。小澤先生,名医!!

IMG_3133.jpg

 これが行った手術。小澤先生に描いて頂いたポンチ図に説明を付加したもの。胃のほとんどを温存しての膵頭部十二指腸切除術(PD)である。取ってしまうのは,膵臓の頭(十二指腸側)の部分と十二指腸,胆嚢,胃の幽門輪付近である。取ったあとは,空腸を引っぱり上げて,残った膵臓,胆管,胃を繋いでいく。なので,術後は胆汁,膵液などの流れと食物との混合過程も術前とは変わってくる。消化器外科の手術の中では比較的難易度が高く,身体への侵襲度も非常に高い(ベスト3の一つ)。なので,終わってから10日前後が実は大変なのである。翌日から,それを思い知ることになる。

 後日談ではあるが,食べ始めてみると十二指腸があることの有り難さがよくわかった。

 その続きは,また退屈凌ぎの別便で。

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