ききょうやさんのこと
あれは 2008 年だったか,2009 年だったか,..。5月の晴れた休日に,グランフォンド飯豊のコースを試走していた時に,同じコースを走っていた一人のサイクリストと知り合った。子持トンネルへの登りを走っていると,前方に一人のサイクリスト発見。あまり社交的ではないので,「こんにちわ!」と挨拶して追い抜いて,そのまま先に進もうとしたら,「チーム・ホシの***さんですか?」と声を掛けられた。「はい」と応えると,「ブログ見てます」と。
そんな訳で,並走しつつ,いろいろと話をした。お住まいは喜多方だという。グランフォンド飯豊に参加予定で,完走に不安があるので,コースの下身を兼ねて,試走に来たとか。で,なんだかんだと四方山話をしながら,R121 までご一緒した次第。このときに「ききょうや」というハンドルネームを伺った。
これを機にブログなどでボチボチやり取りが始まった。その後,グランフォンド飯豊に参加してもらったり,宇都宮のブルベでご一緒したり(生憎,当方はこの時には気付かず),ちゃりけん氏の「GF福島」でご一緒したり,「チームまげでらんに」の震災の年の「滝桜ツーリング」,一昨年の秋の金澤峠など,何回かサイクリングをご一緒した。スカイバレーのヒルクライムに参加したききょうやさんを応援したこともあった。いつの間にやら,ききょうやさんには,「まげでらんに会津支部長」という肩書きが付いていた。
自転車以外でも,ききょうやさんは,拙ブログのあまり一般受けしない書籍関連のエントリーなどにも,その豊富な読書量と知識をベースに食いついてくれて,いろいろと教わることが多かった。彼のブログをきっかけに読んだ本も多い。
そんな彼のブログで,なにやら病気療養中らしいことを知ったのは,昨年の初夏頃だったか。文面からは病状が楽観できない状態であるような印象を受けたが,さすがに,「ご病気はなんですか?」とは訊けなかった。たまたま,昨年の鳥海ヒルクライムに参加した際に,まげでらんにの方にききょうやさんのご病気のことを伺った。以来,なんとかいい方に向ってくれることを祈っていた。短期間の入退院を繰り返していたようだったが,彼のブログからは,決して良くはないものの,小康状態の印象を受けていたので,自分自身の身体の方が一段落したら,見舞いに伺おうかと思っていた。
7月12日にも彼のブログにコメントを書き込み,その返信コメントが書き込まれていた。そして,7月17日の朝,まげでらんにのメンバーから,ききょうやさんが昨夜亡くなられたとの衝撃の連絡が入った。突然のことで言葉もなかった。残されたご家族,そして本人の無念さはいかばかりかと想像すると,やり切れない思いで一杯になった。抗えない,どうにもならない大きな力なのか,...。
通夜と告別式には,お伺いすることは出来なかった。そして,一昨日,ようやくご自宅に焼香に伺うことが出来た。奥様とお嬢様にお話を伺い,知らなかった彼の家庭人としての一面を知ることが出来た。こちらはご家族が知らない自転車人としての姿などを(それほど多く一緒に走ったことはないのだが)お話した。彼の読んでいた書籍の山,乗っていた自転車もなんだか寂しそうだった。
彼のことをブログに書いていいのかどうか迷ったが,生きることと自転車に乗ることを真剣に考えた人がいたことを,そして彼について自分の考えたことを,記録に留めておきたいと思った次第である。
ききょうやさん,安らかに。
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