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2013年7月20日 (土曜日)

BRM720宇都宮600(往路編)

プロローグ 

 7/19(金)は午後7時半ぐらいから4時間ほど(実質的には何度も目覚めたので3時間ちょっとくらいかな)の仮眠の後に,日付が変わった12時過ぎに米沢の自宅を出発。いつも同行する pokky 氏は,600km は既に走っていて,明日は所用があるとか(一週間後に LEL に出発だったようだ)。なので,睡眠時間を確保するためと移動を楽にするために,高速道路使用をチョイス。お陰で,予定よりも少々早く,3時過ぎに宇都宮市森林公園到着。ちょっと仮眠を取る。

 4時少し前に目覚めて,途中で買ってきた朝飯を食べる。その後,準備中のスタッフの皆様に挨拶に出向く。へばなさん,yama さん,I塚代表にご挨拶。天気が良さそうでなによりでした。受付は4時10分からとか。今日はゆっくりスタートしたいので,4時半頃のブリーフィングが始まる頃に受付をしよう。

 閑話休題:そういえば,このブルベ,宇都宮の今年の USG(宇都宮シューペルグランペール)の要件に入っているらしい。

宇都宮シューペルグランペール2013(USG2013)

2013 年7 月に開催するBRM720 宇都宮600km に完走し、更に9 月の山岳ブルベ、「BRM907 宇都宮200km ロマンチック

片道【山岳】」と「BRM908 宇都宮200km 草津発上毛片道【山岳】」の2つのBRM を共に完走して認定を受ける方。

 USG が設定されてから,今年で4年になるが,これまで3年連続で達成している人間が2名いる。一人は,@eijitom さん,そしてもう一人が何を隠そう(隠しはしないけど)「なでら男」である。デブだし,登りが速い訳でもないのに,なんで?と不審に思う方々は沢山おられると思う。かくいう,本人が一番不思議だったりする。コツは,「辛抱」である(爆笑)。@eijitom さんが 600 に不参加なので,連続記録の更新は不肖なでら男の肩にかかる訳だが,9月の山岳2連戦は生憎体調が回復していないと思われ,出走しない予定である。なので,なでら男の連続記録も3回までとなって,ちょっとだけ悔しい思いをしているところ(笑)。

さて,本題に戻ろう。

map201309.jpg

 コース図である。

■ カテゴリー : 600km (制限時間40時間)
■ 実施日 : 2013年7月20日(土)05:00スタート - 21:00最終ゴール
■ コース : 宇都宮-那須塩原-白河(大信)-猪苗代-福島-寒河江-飯豊-猪苗代-会津若松-南会津-宇都宮
■ コース地形 : 丘陵/山岳 コース難易度 : ★★★★☆

■ 解説 
 昨年、雨に見舞われたことで多くの参加者を絶望の淵に追い込んだ寒河江折り返しの難関コース。その課題を考察し、早朝スタートでアレンジした新たなコースは、400kmまでとは別格の、過酷な山岳コースだ。復路の過酷な桜峠越えは外されたものの、米沢からの白布峠越えで却って難易度は増加。AJ宇都宮のコース設定者の目論見、そして参加者がどんな戦略を抱き、このブルベと向き合っていくかが、走る者の胸を熱くする。
 更に2年前を再現させた白布峠に向かう神秘的な急勾配が興味深い。困難を乗り越える参加者たちの姿勢に焦点を当てたからこそ、深遠なブルベに仕上がった。往路では土湯峠を登り、浄土平を経て飯坂温泉へ。後半になっても起伏は続き、山王峠を越えるまでは気が抜けない。スタート時刻が従来の深夜から早朝に移されたため、例年とは違った戦略(走行プラン)も必要か。

 相変わらず,名調子の文章である。「白布峠に向う神秘的な勾配」って表現も独特で,意味がわからない〜(笑)。でも,この軽妙なコメントに騙されて(^^;)既に5年ほど経過する。

スタート前:〜「二日掛けて車と自転車で米沢〜宇都宮間を二往復してきた」の巻〜

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 受付中。4時過ぎはまだ暗い時間帯になってきたな。これからドンドン日が短くなる。

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 ブリーフィング中。正直,PC3 までは昨年と同じコースだし,PC7 からも同じコースだ。さらに,PC3 から PC7 まではいつも走っている自分の「庭」みたいなところなので,正直,コマ図なども要らないくらい(実は必要だった。夜は景色が違う)。でも,最近,「庭歩き」をしてないので,どこがどうなっているか細かいことまではわからない。

 ブリーフィング時,隊長,フィリップさんと久しぶりのご対面。隊長は,今日は新婚の奥様の運転するサポートカー付きの大名ブルベらしい(笑)。もちろん,サポートは PC のみに限られる訳だが。余計な荷物を持つ必要がない分,今日のようなコースではメリットがある。一方で,一度でも心折れたら DNF でお終いである(笑)。フィリップさんも,酷い日焼けからようやく回復したとかでなによりでした。あ,ここで初めて,ブルベ界のスピードマスター・異次元の韋駄天ランドヌールの黒澤さんにお目に掛かった。きちんとご挨拶するきっかけを失ってしまい,その辺りはまた次回にでも。なにしろ,スタート前にお会いできなければ,もう二度とお会いすることが出来ない方なのである。今回も29時間という,バカみたいな(失礼!)時間で軽く完走されていたし,しかも,600km は三週連続の三週目だし,..。この業界には規格外の方が多い。

スタート(5:05)〜PC1:セブンイレブン那須關谷店:8:24(7:05),48.2 km

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 第4ウェーブでスタート。スタートは 5:05 である。PC の名前の後の時刻は,PC のクローズ時刻。「PC1 到着の時点で1時間19分の貯金が出来ている」と読む。この間は,取り立てて面白いこともなく,ただ走るだけのリエゾン区間。でも,なんか,脚が重い感じで,ちょっとした丘など,後ろから引っ張られているような気がする。大丈夫かなぁという不安が頭をもたげてくる。PC ではどら焼きを買って,口にくわえたら出発。ここで,隊長に追い付いた。そのまま,パスする(笑)。へばなさんなみのマッハピットを心掛ける。PC での滞在時間を少しでも削って,時間貯金を殖やすことに専念するため。

 今回の「作戦」は,とにかく,600km を気持ちよく楽しく(苦しく?)完走したい。それを邪魔するであろう,最大最凶の敵は「睡魔」。こいつを飼い馴らすか,やっつけなければ,気持ちのいい楽苦しい完走などありえない。過去,600km は必ず,400km はほぼ必ず,こいつには苦汁と辛酸を舐めさせられている。そして,この敵の根本的な撲滅方法は,とにかく睡眠時間の確保しかない。ドラえもんの道具に「ネムケスイトール」というのがあるらしいが,10万円以下なら買ってもよい(爆)。

 今回は自宅での仮眠を想定しているので,自宅(簡単に言うと,米沢市内白布峠の麓)まで如何に早い時間に到着して,シャワー,食事,睡眠の時間を充分確保できるかが,睡魔撲滅の鍵を握っているのである。なので,PC6 までのロスタイムは極力減らす方向で動く。さらに,今年の走り込み不足から,いつ脚が完全に終わるかという不安もある。なので,巡航速度は気持ち押さえ目に,でも休まずにと言う具合で,寸暇を惜しんでセッセとペダルを踏み続けた。#今にして思えば,休憩が短過ぎたかも,..というのもあるが。

PC1〜PC2セブンイレブン大信増見店:11:32(9:11),98.2km

 ここももう単に走るだけ。写真も撮らずに,セッセとペダルを踏む。たしか,いつぞやのブルベ(宮城発の 600km だったような)で,PC2の手前辺りでホタルの乱舞を見たことがあったが,記憶違いかなぁ。あの時は,宇都宮を折り返して,午後9時前後だったんじゃないのかな。たまたま一緒に走っていたブロック屋さんと二人,ライトを切ってしばし見とれた。懐かしい思い出である。

PC2〜PC3セブンイレブン猪苗代若宮店:15:24(11:54),156.2km

 PC2 を出てしばらく走ると,何回か PC に利用されている,セブンイレブン天栄店がある。ふと見ると,サイクリストが沢山いる。一瞬,あれ?こっちが PC だったっけ?と思ったが,朝練後のサイクルフレンズの皆さんだった。上 様もいらしたようで,「ブルベ,頑張れ〜〜!」との声援を受けた。何がなんだかわからずに手を上げて応えただけ。失礼しました。<(_ _)>

 しばらくして,いよいよ勢至堂トンネルの登りに掛かる。今回は,走り込み不足だし,いつも使っている自転車よりも4〜5キロほど(もっとかな?)も重いので,「登りは絶対に頑張らない!」(頑張らないと登れないという話もあるけど,最低限の頑張りで登る)を合言葉に。そのためには,時折の足付き写真撮影がベストな対処方法。ただし,足付き写真撮影を1回10秒とすると,6回で1分。200枚の写真を撮ったとすると,実に30分以上を写真撮影に費やすことになる。脚力に余裕があればいいのだが,ない場合には下手をすると致命傷になりかねないので,綿密な撮影計画が必要とされる(違う?)。さらに,昨今は FB やら twitter やらに克明に進行状況をアップするのがトレンドになりつつあるが,その時間も結構バカにならない。便利になった分,どこかに負荷が掛かるというわかりやすい図式ではある(笑)。

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 トンネル手前まで行けば,お一方が,同じように足付き写真撮影中だった。「お疲れさま〜〜」と声を掛けて先に進む。

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 猪苗代湖と磐梯山。磐梯山の山頂付近は生憎の雲の中。この直ぐ先に他の参加者が同じように写真撮影中だった。ここまで,脚が重くて,今一つスピードが上がらない。どうにも,変な感じ。なんか,フケの悪いエンジンでだましだまし走っている感じ。ずっと軽い向かい風が吹いているのも影響しているのかも知れない。

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 猪苗代湖では,楽しそうな水上スポーツに興じる方々が,....。

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 PC3 近くになって現れる磐梯山のビューポイント。田植えの済んだばかりの頃など,残雪の磐梯山が水面に映り,見事な景色となる。

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 PC3 の直ぐ近くになって,おっ!?と気付いて,少し戻って写したもの。お墓である。しかも,磐梯山を真正面に見据えている。こんなところに葬られる方も葬る方も粋なものだと感じた次第。

 ここまでのお読み頂いた方々には,気楽に写真撮りつつ走っているように思われるかも知れないが,ずっと弱い向かい風と,なんだか微妙に重い脚で,それなりにストレスを感じつつ走っている。そう思わせないための,おっさんの見栄である。サラッと簡単に書いている時には,そこそこシンドイ思いで走っているとご理解頂きたい。

 そして,予定通り PC3 に12時前に到着。ダブルのS藤さん,K田さん,HEIZO さんがスタッフとして駐在。長時間のスタッフ業務,お疲れさまです。ここでは少し長目に滞在して,しっかり補給を摂っておく。「調子はどう?」と訊かれたので「悪い!」と即答。これは本当のところ。

 ここでも,サイスポだかランドヌールだかの雑誌の取材陣がいろいろと質問しているようだった。飯を食って,HEIZO さんたちとバカ話をしていると,宮城から参加の楽山さん登場。お久しぶりです。お元気そうでなにより。さて,ここから12時間弱で自宅までと言う予定だったのだが,..。

PC3〜PC4セブンイレブン飯坂八景店:19:44(15:45),221.0km

 PC3 を出た後は,R115 をひたすらダラダラと登る。交通量は比較的多いし,脚も重くて,ちょいと辛い。6〜8%(主観的に)の勾配で,34 x 25 を使ってしまうのは如何なものか,..。レークラインとの合流点の大森付近では,後ろから誰かに引っ張られているかのような脚の重さに,次第にイライラしてきた。しかも,クソやかましいモーターバイクの連中(何故ツルンでしか走れないのか?)やら,ガソリンを撒き散らしてしか自己表現の出来ない幼稚なおっさんみたいなのが沢山いて,かなり気分がクサクサした。ときに,この道は,そういう理由で不愉快になることが多く,結果大嫌いである。そのため,途中から道を横切って旧道の D30 に避難するのが最近のやり方である。

 横向温泉(だっけ?)のホテルの脇で地下水(なのかな?)がバンバン放水されているところで,水を補給。この上だと,道端の湧水を補給することになり,ちょっと不安もある。ここからは延々とダラダラ登るので,歌でも唄いながらのんびりと,..。

 チンタラ(本人は必死で)登っていると,誰かに声を掛けられたような気がした。が,後ろを振り向いても誰もいない。キョロキョロしていると,コーナーの土手の上からカメラマンが写真を撮っていて,そのカメラマンからの声援だったらしい。どうも!と挨拶すると,辛そうな顔して洟を垂らして走っているオッサンを,1秒7コマくらいで連続撮影している。こりゃ,一体どういう訳だ?速い人,フォームの綺麗な人なら,前の方に沢山いるだろうに,..。こうした,コーナーでの写真撮影は,この後,浄土平の手前まで3回ほども繰り返される。サイスポらしいのだが,これだけ撮影して,載っていなかったら,...。絵面的に不採用ということか(爆)。

 天気は暑からず,寒からず。雲はある程度多いものの,透明度は比較的高く,そこそこ遠方まで見通しが利く。脚が重くて,自転車も重くて,ヒーヒー登っている脇を,軽快な高ケイデンスのペダリングでA夫妻が追い抜いて行く。本当に強いご夫婦だ。それにしても,奥様の登りでのケイデンスには脱帽である。なんで,あんなに回るんだろ? お二人を見送りながら,今日の自転車に COPPI を選んだことをちょっとだけ後悔した。でも,例のセラアナトミカが付けられるのは,今はこれだけなんだよな。

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 天風境の上の方で,前方に停車中の車があるなぁと思いつつ走っていると,一般サイクリストが事故った直後の場面に遭遇。上の画像で,左の上の方に車が停まっている辺りが現場。車との接触なのか,コーナリング中の自爆なのかはわからない。でも,場所と向きから,コーナリングで膨らんでガードレールにぶつかったようにも見受けられた。同行者の一人が心配そうに付き添っている。当の本人は出血していたが,声を掛けるとハッキリした応えが返ってきたので,意識はしっかりしているようで,大したことはなかろう。遠くから救急車のサイレンが聞こえてきた。

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 試走中のへばなさんが,「やれやれ,峠か。後は下るだけだな〜」と安堵したとかいう噂のある「湖見峠」。ここから,猪苗代湖やら桧原湖やらが見える,..。スカイラインはおおよそこんな感じになっている。

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 これは双竜の辻付近からの猪苗代湖。今まで,随分と走っているが,ここら辺りから,これだけクッキリと見えるのは珍しいように思う。今日の参加者はラッキーである。

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 1400m辺りから路面に「標高****m」とペイントされている。それが 1600m になればほぼ終了である。その手前に,バス停があって,...

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 面白いよ,面白いけどね,..。「次は,『最高地点』,『最高地点』でございます。お降りの方はボタンを押してお知らせ下さい」。

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 ここが道路最高地点。あとは,快適な降りが待っている。もっとも,最後の方は下ハン持つのが辛くなるほどの長い下りなのだが,..。

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 浄土平の一切経山。噴煙を上げている。

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 福島市内のサイクリストには聖地と呼ばれているらしい。

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 火山ガスを気にしてたら,浄土平には登れない。吾妻小富士をバックにして。

 ここからは登りでの遅さを挽回すべく,飛ばしに飛ばす。車を2台ほど抜いた。そして,相変わらず「無散水消雪区間」は凶悪だった。雪が融けた水を流すために,勾配が急だし,路面の表面積を稼ぐために,わざわざ凹凸を大きくしてあるし,..。下まで降りた頃には,右腕は痺れて使い物にならず。フルーツラインに入ってからは,首,肩,腕の血行回復に努めた。

 そして,飯坂温泉へ向う。大笹生から飯坂温泉への道も,冬から春先に,毎週のように走っている道であり,そうした記憶も重なって,なんだか今何しているのかよくわからなくなってくる。普段から走っているコースがブルベコースになっているのも,いいようなよくないような,..。

 午後3時45分に飯坂のセブンイレブンに到着。出来れば,この先のトンネルを抜けたところのセブンイレブンを PC にしてもらいたかった(笑)。特に理由はないんだけど。ここでも,多めに補給。なにしろ,次は寒河江なのである。PC4からの区間距離は 84km 程ある。カップ麺にお湯を注いでいる時に,店員さんの話が耳に入ってきた。なんでも,茂庭のキャンプ場のところの川で人が流されたとか。救急車,パトカー,消防車,ドクターヘリなどが出動しているらしい。

PC4〜PC5寒河江ふるさと公園:1:20(7/21)(多分,20:40頃),305.1km

 さて,いざスタートしたが,脚の重さは相変わらずで,普段ならアウターに掛けてもなんとかいける勾配もインナー× 25 に落ちる始末。距離が捗らないこと,この上ない。ちょいとイライラしつつ,苦笑いしつつ進む。

 釣り堀とかキャンプ場とかがある摺上川に掛かる橋の辺りに差しかかると,パトカー,消防車などが多数。川は,なんというか,岩場の峡谷状になっていて,小さな滝やら落ち込み,淵などもあり,格好の水遊びの場所になっている。夏場など,岩の上から飛び込んでいる姿をよく見かける。どこにでもある川遊びのメッカのようなところ。そんな場所である。多数のゴムボートとダイバーのような方が川にいたので,まだ見つかっていないのだろう。ちょっと立ち止まって眺めたら,近くの警官に「止まらないで進んで」とか注意された。いつもそうだが,連中のえらそうな物言いが勘に障るぜ。

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 悔しいから着陸しようとしているドクターヘリを撮影。

 この後は重い脚を誤魔化して,ジワジワと進んで行く。どうにも辛くて,ダムサイトの登りの手前でコーラ休憩。その脇をA夫妻のトレインがシャカシャカと軽快なチェーンノイズとともに走り去る。なんか,えらく余裕がありそうで,実に羨ましい。こちらもコーラを呑み干したので,溜め息一つ吐いてからスタート(苦笑)。

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 ダム本体の下流に広がる水田。なんか,長閑だ。ダムサイトまで5%勾配で,距離2キロ(1キロ?)ほどの登りがある。これが地味に効くんだ。

 ダム湖畔をダラダラと走っていると,PC4 でご一緒した方が追い付いてきた。「山道は一人だと危ない」というので,「大丈夫。暗くなる前に上山に着けますよ」と。すみません。実は,他の人と一緒に走るのは,少々苦手なのです。

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 ベルギーワッフルの壁でお見送り。小さく写っている。話は変わるが,この壁,一度登ってみたい(笑)。

 ここからは鼻歌交じりで気楽なサイクリング。とにかく,調子が悪く,完走は難しいかもと,この時点では考えていた。途中で立ち小便をしたが,オシッコが,「これは,...赤っぽくないか?」というような色で,脱水症状も疑われた。これはもしかしたら意外に発汗量が多く,水分が足りてないんじゃないか?そんな気がしたので,短いインターバルで定期的にボトルを口に運び,普段よりも多めの給水を心掛けてみる。

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 いつも立ち寄る水場でボトル2本を満タンにする。ここから寒河江までの2時間,強度を上げずに水分を摂り続けて,回復しないようなら,自宅に着いた時点で DNF の決断をしようかと,この時点では思っていた。とにかく,今年は走り込み不足で強度の高い運動を長時間持続するための身体が全く出来ていない。出走前は,なんとかなるさと思っていたのだが,少々甘かったか,..。でも,騙し騙し走れば,そのうち回復するのは今までも何度も経験しているから,大丈夫じゃなかろうか?そんな自問自答を繰り返しながら進む R399。途中でサルの群れに遭った。カメラの起動が遅くて撮影できず。

 でも,このブナ林は春先の天気のいい時には例えようもなく美しいんだ。好きな道の一つ。酷道?人っ子一人,車一台に出逢わないことも多い快適な道に何を言うか!

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 実は,宇都宮からの参加者宛の ML で,R399 での子熊の目撃情報が流れていたらしい。自宅に着いてからメールに気が付いたのだが(苦笑)。正直,クマなんかこれまでのサイクリングで数回見ているし,あまり気にしたことはない。よほど運の悪い出合頭でもないと襲ってきたりはしない(はず)。もし,襲われたら運が悪いと諦めるだけだ。

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 脚に掛かるか掛からないかくらいのギヤを廻して,14km/h 程度のスピードで走ってきた。ここが稲子宿。元々仙台藩の山足軽の里だったところである。今は,年間を通して住んでいる人は何人いるのか?初めて自転車で訪れた頃には,結構な人数が暮らしていたはずだけど,今では人の気配のする住居は2軒程度だ。

 この青い看板を右折。最初の登りが急だが,直ぐに下りとか平坦になる。しばらく走って,沢に掛かる橋を過ぎ,ヘアピンカーブを曲がると,普通の登りの峠道という風情。5回ほどの九十九折りでピークに到着する。

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 稲子峠の切り通し。晴れていれば,ここから真正面に蔵王が見える,..のだが。ここからの降りは路面が荒れているので要注意。R113 に合流。その後,県道に入り,金山峠に向う。ここは旧羽州街道であり,やがて現れる集落は,間宿(宿場町間の小さな宿場町とでもいうのか)である干蒲宿である。集会小屋のようなところでじいちゃん達がビール呑みつつ熱い議論を戦わしているのを横目にしつつ,重い脚を無理に廻しつつ進む。ピークの鏡清水では先行していたA夫妻が水を汲んでいた。そういや,ここの水って,まだ呑んだことなかったな。ここが白石川の源流である。ここから九十九折りの下りが始まる。

 金山峠を下り切って右折して,楢下宿に向う。楢下宿もそれなりに面白いところだが,何回も来ているので見るべきものはないのでスルーして上山へ。上山の R458 の分岐の辺りのセブンイレブンで水分補給。ここから広域農道のアップダウンが始まる。のどう様大活躍。

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 ナイトランは,E3 triple に全てお任せ。GPS の使用も止めて,ハブダイナモのライト一灯にしたので,乾電池やら何やら,余計なものを一切持たなくて良いのは快適。唯一,iPhone の充電だけが必要なのだが,これはいずれハブダイナモ経由で昼間に充電できるようにする積もり。トラブルの種を極力消去するのもブルベ戦略だと思ふ。

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 ふと振り返り,山形市の夜景と月など撮影してみる。いい風情である。この辺りで,少しだけ脚が軽く感じられた。

 ところで,PC3 から PC7 まではコマ図なんか要らね〜ぜ!と PC3 で豪語していたのだが,..

komazu.jpg

 ここの区間で一つだけ混乱したことがあった。上のコマ図の部分である。普段は何も考えずに道なりに走るのだが,..。上のコマ図の読み方はこうである。「No.43 の D(県道)49 をクランク状に 6.7km 進むと,No.44 のコマ図の箇所に差しかかるので,ここを左折せよ」ということになる。問題は,県道 49 がいつの間にか N(国道)458 になっている点。いつもなら,途中で道が重なって県道が国道に変わるんだろうと思うだけなのだが,No. 43 からしばらく進むと,新しい道に繋がり,その道に「県道18」の標識を見つけてしまったのである。これでちょっと混乱した。道なりに来た積もりだが,夜間ということもあって,もしかしてどこかで意識しないで曲がってしまったのか(一度経験がある)? 

  iPhone の地図を眺めたり,ちょっと戻ってみたりしたが,どうもハッキリしない。適当に走って「ふるさと公園」に行ってしまおうかと思ったが,ちょうど直ぐ近くの家の玄関先で話をしている家族を見つけたので,ちょっと訊いてみた。「怪しいものではありません」から始まるいつもの会話(爆笑)。一杯機嫌らしい陽気なオジサンが出て来て,「国道 458 なら,このまま進めば行けるよ」と。ああ,やっぱりそうなのか。途中で番号が変わる道路だったらしい。これでようやく安心して進むことが出来た。こういう場所では GPS の併用などが効果的かも知れない。事前に地図読みを全くしないダメ参加者であることは棚に上げておいてなんですが,...こういった場合の道路番号の変化などもどこかに情報として上げてもらえると,...大変,....助かります。申し訳ないので小さな字で。w

 最後に,本当に国道かよ?と疑いたくなるほどの農道ライクな道を通り,8時40分(頃だと思うけど)に寒河江ふるさと公園に到着。ランドヌール宮城の鈴木代表に通過チェックを受ける。お久しぶりです。

 ちょっとトイレに寄って,さらに手持ちの補給食を頬張り,自宅に電話して,午前1時頃の到着になりそうだと告げる。予定よりも1時間ほど遅れそうだ。それもこれもダラダラ登りでのパフォーマンス低下が原因。それを脱水症状のためと結論したが,どうなのかは少々怪しい。ここからは自宅までは80キロほど。眠気が出てこないと良いのだが,..。

 ちょうど到着したA夫妻,H部さん,他の方などは近くで風呂に入るとか。室内から屋外にチェック場所を移していた鈴木さんにご挨拶して自宅目指してスタートしたのが,9時頃だった。

 ・・・復路編に続く

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コメント

R399の「水場」の水は飲めるんですか!飲みたかったのですが、ちょっと不安でパスしちゃいました。

R399は、春の新緑がきれいなんですね。秋の紅葉はどうなんでしょう?

へばなさん

はい。呑めます。被れます。夏場などは,大活躍です。

ボクは,春のブルなの新緑の方が好きです。実にほんわかする緑なんですよ。秋はそれなりに良いですが,紅い葉が少し少ないような気がします。

今年の秋にでも,是非どうぞ!もちろん,自走で。^^;

やはり600はすごいですね。克明なご報告で、あたかも自分がコースを走っているようなつもりになってしまいました。コンクリートの土留めが“ベルギーワッフル”とはまさにピッタリで素敵な表現です。さて、次は後半戦です。

koji さん

多分,巧く戦略を練れば,誰でも走ることの出来るのがブルベ 600km だと思うのです。
もちろん,最低限のトレーニングは必要ですが,今年の私の走行距離など微々たるもので,多分 koji さんの方が多いように思います。そして,そういう走行プランというか戦略的な面白さも 400km オーバーのブルベの楽しみだと思うのです。まあ,最近,スピードが落ちてきた言い訳なのかも知れませんけど。^^;

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